リースバックで損するケースとは?デメリットを十分に理解して有効活用しよう!

リースバック 損

近年、資金調達手段として”リースバック”を選択される方が多くなってきていますが、皆さんはこのリースバックがどのようなものであるかをご存じでしょうか?

選択される方の多くは、不動産等の売却を通じて資金を調達するとともに、その後も売却物を賃貸借利用しこれまでと同様の利用を実現できるメリットを踏まえてのことかと思いますし、この点に多くの注目が集まっているのも事実です。

しかしながら、リースバックの利用が”損”につながるケースもあります。実際に利用する場合を考えてみても、なにかとメリットに注目が向いてしまうことかと思いますが、それと同じようにデメリットやリスクが存在してもいます。

これらデメリット・リスクへの理解が十分でないままにリースバックを選択することが、結果としてご自身に”損”を招くことにもつながります。

ですので、この記事ではリースバックの基本的な概要を抑えるとともに、リースバックの手続きや(賃貸借としての)利用の中で考えるべきデメリットに関してご紹介していきます。ぜひ最後までご覧になってください。

リースバックとは

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リースバックとは、売買契約と賃貸借契約が一体化した契約手法のことを表しています。これらの契約が一体化されていることによって、冒頭に触れたように、売買契約を通じた売却資金の入手と、売却物の賃貸借を実現し、売却以前と変わりない利用を図ることができます。

リースバックの多くは不動産物件を対象として行われており、事業者の方の事業用資金調達のための手段として、一般の方の生活資金やローン返済に充てるための資金調達手段としてなど、多くの方に幅広く利用されています。

また、事業者の場合には、本社を構えている不動産の他に、生産系の職種であれば設備を含めた工場や、商社であれば倉庫、規模の大きい企業であれば支社を複数設置していること、社用車を所有していることもあるかと思います。

リースバックで対象となる不動産物件には、そのような工場をはじめとした倉庫等も対象となっていたり、車両に対して利用可能なリースバックも存在し、利用者だけでなく活用方法としても多様な形態が存在しています。

この記事ではデメリットに関して後述していきますので、メリットに関しても理解を深めたい方はぜひ以下の記事もご覧になってみてください。

『リースバックで得する!選ばれる理由と5つのメリットを解説』【マイホームまもり隊_公式】

リースバックの手続き

魅力的なリースバックも一定の手続きが必要であり、事前の知識を蓄えておけば、それら手続きもスムーズに進めていけるようになります。ここではリースバックの手続きの順序を簡易的に抑えておきましょう。

主な順序は以下に示す通りです。

  1. リースバック専門業者へのリースバックの申し込み(※)
  2. リースバック専門業者による売却予定物(不動産や車両)の査定額の算出
  3. (査定額や各種の契約内容に関して納得のいくものであった場合)売買契約・賃貸借契約の締結
  4. 売却代金の受け取り、売却物の引渡し・所有権移転
  5. 賃貸借契約書に記載された契約内容に基づく売却物の賃貸貸借利用

おおまかな順序はこのようなものとなっていますが、実際に手続きを進めていくためには、各種手続きにおいてどのような必要書類を用意しなければいけないのか、金融機関からの融資のような本格的な審査はないにしても、どのような状態であればリースバックの申し込みが受理されやすいかも理解しておいて損はありません。

これらの内容に関しては、以下の記事にて詳しく紹介していますので、より効果的・スムーズにリースバックを利用するためにも、お時間の許す際にはぜひご覧になってみてください。

『リースバック契約書の内容を紹介!売買・賃貸借契約書の詳細チェック』【マイホームまもり隊_公式】

『リースバックを受けやすい条件とは?【手続き上の注意点も抑えよう】』【マイホームまもり隊_公式】

リースバックのデメリット9選

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リースバックの大まかな内容について十分にご理解いただいたところで、ここではリースバックのデメリットやリスクに関して見ていきたいと思います。

リースバックのメリットだけでなく、それらデメリットに関しても理解を深めることは、ご自身にとって、他の資金調達手段の選択肢が用意されている中で本当にリースバックが有効的な手法であるかを比較するための材料にもなります。

ここでは特にリースバックのデメリット・リスク9選として紹介していきますので、それぞれを丁寧に確認していきましょう。

1.売却物の売却価格が一般的な売買における相場よりも安くなる傾向にある

リースバックにおける売却価格の相場は、通常の売却による売却価格の相場よりも低い傾向にあります。

このような理由には買い手側の売却物に関する制限が深く関係しています。通常の売却であれば、買主(後の新たな持ち主)は売買成立後、①不特定多数を想定して賃貸借することも、②ご自身で自由に使うことも可能であり、③仮に前の持ち主から買い戻しの請求があったとしても応じる必要はありません。

しかしながら、リースバックでは①買取物を前の持ち主に貸し続ける必要がある、②賃貸借利用が満了するまで自身での利用ができない、③(売買契約書に買い戻しに関する特約が設定されたうえで)買い戻し請求があった場合、これに応じなければなりません。

このような事情によって、買い手側は一般的な売却価格よりも安価な取引を図ろうとするのです。

2.リース料金(家賃)が相場と比較すると高くなる傾向にある

家賃やリース料金の決定権は不動産の持ち主にありますが、周辺相場より高く値付けてしまうと十分に部屋が埋まらずに損失を生むことにもなりますし、空き室リスクを考慮して低く値付けてしまうと利益を生みだせなくもなるため、結果的に周辺相場に合致させた家賃に落ち着くこととなります。

しかしながら、リースバックの場合には利用者が確実に存在すること、(買い手側が)最長でも10年ほどの利用を想定している(2~3年であることもあります)ために、不動産による利回りが高くなる傾向にあります。

言い換えるならば、借り手側からすると相場よりも家賃が高くなる傾向にあり、十分に注意が必要だといえます。

3.長期的な利用が結果として割高になることがある

賃貸借契約には2種の方法がありますが、中でも定期賃貸借契約を結び、10年などで契約を設定してしまうと、結果的に割高になることがあります。

これは継続的な利用によって不動産価値の低下があるにも関わらず、当初の契約内容に基づいて家賃を支払い続けなければいけないためです(一般的に10年の経過によって特定の物件の周辺家賃相場は1割ほど落ち込むとされています)。

契約内容の確認はもちろん、家賃設定の自由度や更新に関しても注意を払うようにしましょう。

4.買い戻し条件を設定できるものの、将来的には損する可能性がある

リースバックでは、売買契約を締結する際に、売買契約書の契約事項に買い戻しに関する特約を設定しておくことで買い戻しができるようになっています。

一方、買い手側にとっては買い戻しが行われる際にも利益を出したいため、買取価格は売却価格よりも高く設定されることが多いです。しかしながら、継続してリースバックを利用し続ければ不動産価値は確実に低下していくため、いざ買い戻しをする際には買取価格に見合わなくなっている可能性もあるのです。

5.リースバックの申し込みに立地や物件の状態が大きく影響している

リースバックを利用されている方(前の持ち主)が退去した後には、リースバック専門業者は、新たな買い手を探していく必要が発生します。見つからない場合には専門業者にとって損失だけが膨らむこととなります。

このような事態を避けるため、リースバックの申し込みの際には、(不動産の場合)立地や物件の状態が大きく影響することとなります。金融機関の融資における審査とは異なるものの、これもひとつの審査であると考える必要があります。

6.想定しているよりも買い戻しを実現することが困難である

リースバックには”買い戻し”という選択肢も用意されており、申し込み時点では買い戻しを前提としている方も多くいらっしゃるかと思います。しかしながら、上記にて触れたデメリット(相場より安価な売却価格、割高な家賃設定等)も相まって、結局のところ買い戻しに必要な資金を用意できなかったというケースも多々あるのです。

7.リースバック専門業者が倒産する恐れがある

リースバックの最大のメリットは”これまでと同様の不動産利用ができる”というところにあります。

しかしながら、リースバックを請け負っている専門業者が不動産の所有者となっている場合、更にこの業者が倒産した場合には、”これまでと同様の不動産利用ができる”ことが保証されることはなくなります。

多くの場合には新たな持ち主が、以前の持ち主との間で交わした賃貸借契約を引き継ぎますが、更新の時期を迎えると当初の想定通りには進まなくなる可能性もあるため注意が必要になります。

8.リースバックを相続のために活用しようとした結果トラブルに発展することがある

所有する不動産を売却して現金化し、これらをお子さんやお孫さんに適切に分配するためにリースバックを用いられる方もいらっしゃいますが、基本的にリースバック手続きは申込者本人の意志のみで行うことができます。

そのため、お子さんたちが「持ち家として利用しようと考えていた」のような考えを持っていた場合には、想定とは逆にトラブルになってしまう可能性があります。

9.サービスを比較検討しようにもリースバック専門業者が限られている

リースバックを有効的に活用しようとすると、複数の専門業者を比較検討したいという考えが芽生えるのは自然なことであるといえます。

売却予定物の査定額はもちろん、リースバックに関わる各種の費用等のサービス内容や、専門業者の態度などの事業の透明性・信頼性なども、不動産を長く利用し続けていこうと考えると無視することはできません。

しかしながら、それらの内容を一括で見積もるためのサービス等も確立されている現状にはないため、個別に見積もり依頼をしなければいけない負担もあります。これらに関しては、今後のリースバックに関する潮流に大きく影響されるものであるといえます。

まとめ

ここまで、リースバックの概要にはじまり、リースバック利用によって”損”を招いてしまう恐れのあるデメリット9選に関してご説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?

リースバックへの注目の高まり、リースバック利用者の増加は嬉しい一方で、デメリットに対する理解が十分でないために安易に手続きを進めてしまいトラブルに巻き込まれてしまう方がいらっしゃるのも事実です。

トラブルを避けることはもちろん、リースバックをより有効に活用するためには、リースバックに関する理解を広く蓄えることが最も効果的だといえます。マイホームまもり隊では、リースバックに関する記事を幅広く揃えていますので、これからも積極的にリースバックを理解していただけますと嬉しく思います。

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