リースバック契約書の内容を紹介!売買・賃貸借契約書の詳細チェック
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昨今注目を集めている「リースバック」ですが、皆さんはリースバックがどのようなものかご存知ですか?
法人の方やご自宅を売却しようとご検討された個人の方であれば聞き覚えもあるかと思いますが、このような経験が無い方には、「不動産に関する何か」といった具合なのではないでしょうか?
この記事では、そんなリースバックの基本的な内容から手続きの流れ、そのメリット・デメリットや注意点をまとめています。加えて手続きの際に登場する各種の契約書類の内容に関しても詳しく説明していますので、ぜひご一読ください。
リースバックの基本知識
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リースバックとは売買契約と賃貸借契約が一体となった不動産や車両などの売却方法を指しています。
一般的な売却手法であれば、売買契約を結ぶのみであり、売買契約による手続きのみを行った場合には売却物の所有権はご自身から売却先の他者に移ることとなります。
また、賃貸借契約というのは所有しているモノ(不動産など)や権利を他者へ貸し出して、貸出先の他者の利用を認めるための契約であると言えます。
この2種が一体となったリースバックというのは、「売買契約によってご自身が所有する物品を他者へ売却する」という手続きを行った後に、「売却した物品に関して新たな持ち主(物品の買主)との間で賃貸借契約を結ぶ」という手続きを行う売却方法となります。
手続きの流れ
ここではリースバックの手続きの流れに関してご説明します。一連の手続きの中で登場する書類に関しては後述していきますので、ひとまずおおまかな流れに関してご理解頂ければと思います。
リースバックの手続きの流れは以下の通りです。
- リースバックを行っている専門業者への申込(不動産の場合であれば不動産業者であったり、車両の場合にはレンタカー業者などになります)
- リースバック専門業者の査定
- 査定や各種の条件に満足する場合には売買契約・賃貸借契約の締結
- 賃貸借契約を行った際の条件に基づいた賃貸借利用
それぞれに関して見ていきましょう。
専門業者への申込
リースバックを開始する際には専門業者への申込が必要となります。各種の専門業者ごとに売買契約、賃貸借契約での契約条件に特徴があるかと思いますので、申込の前に複数の専門業者を比較したうえで決められれば良いかと思います。
専門業者の査定
専門業者より売却予定の物品を買い取る際の査定額が提示されます。査定額に関して満足のいく内容であれば売買契約・賃貸借契約へと進んでいきます。
売買契約・賃貸借契約
査定額の提示の後、合意が取れれば売買契約・賃貸借契約となります。各種の契約に必要となる書類の用意をしましょう。必要書類に関しては後述していきます。
賃貸借利用
リースバックの契約も無事に終了すれば、賃貸借契約の契約条件に基づいた賃貸借利用となります。
メリット・デメリット
ここではリースバックのメリット・デメリットをご紹介します。メリットに注目が集まりがちですが、デメリットも十分に理解し、ご自身の状況に適切な売却方法が果たしてリースバックであるのかを検討するための材料にしてください。
メリット
リースバックのメリットは以下のものが挙げられます。
- 売却予定の物品を比較的スムーズに現金化でき、まとまった資金を手にできる
- 売却した後も売却物を利用し続けられる
- 売却物に掛かっていた諸費用をリース料としてまとめられる(例:不動産での住宅ローンや保険料が賃料としてまとまる)
デメリット
デメリットに関しては以下のものが挙げられます。検討の際にはこれらにも注意しましょう。
- 売却価格が市場価格(任意売却による売却額)より安くなる傾向にある
- これまでと同様の物品の使い方に制限が掛かる(例:不動産のリフォームなどに貸主の許可が必要となる)
リースバック申込時の必要書類
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ここまでの説明でリースバックの手続きに関してご理解頂けたかと思いますので、ここからは各種の手続きの際に必要となる書類や書類の詳細に関して見ていきたいと思います。
まず初めに確認するのはリースバックの申込の際の必要書類に関してです。申込時の必要書類は以下の通りです。
- 申込者の本人確認証
- 売却予定の物品に関する確認書類
- 申込者の収入に関する確認書類
- 申込者の納税状況に関する確認書類
- ローン残高に関する確認書類
それぞれに関して詳しく見ていきましょう。
申込者の本人確認証
申込者が売却予定の物品の所有者であるかどうかを確認するために必要となります。本人確認証には運転免許証や、パスポート、健康保険証が該当します。
売却予定の物品に関する確認書類
売却予定物が不動産であるのか、車両であるのかといった条件によって差異があります。
不動産の場合であれば確認書類として必要となるのは以下のものが挙げられます。
- 不動産登記簿謄本
- 公図
- 測量図
- 建物図面
- 固定資産税の評価証明書
- 建築確認通知書
これらの書類はご自宅がある市役所や町役場、法務局にて入手できますので、窓口を訪ねてみましょう。これらの書類を発行するためには500円ほどの発行料が掛かりますのでお気を付けください。
車両の場合であれば確認書類として必要となるものは車検証となります。不動産の場合ほど必要書類も多くはなく、保管場所をダッシュボードにしているという方も多いと思いますので注意すべきことも少ないかとは思いますが、車検証が有効期間内にあるかは確認しておきましょう。
申込者の納税状況に関する確認書類
納税状況を示す確認書類としては、固定資産税の納付書などが該当します。不動産業者が買取金額を算出するために用います。
申込の段階で用意していればより詳細な買取金額の提示を受けられる可能性が高まりますが、売買契約時にも買取金額の確認は行われるはずですので、その時までにご用意しても問題ないかと思います。
ローン残高に関する確認書類
リースバックを検討される方の多くは、売却予定の物品に関するローンを完済しつつも利用を続けたいというケースが多いかと思います。
ローンが残っている場合には抵当権も設定されたままの状況となってしまっており、売却予定の物品の買取価格で、このローンを完済できるか、抵当権を抹消することができるかどうかがリースバックを受ける際には重要な指標となります。
そのためローン残高に関する確認書類が必要となるのですが、ローン残高証明書や償還予定表などが該当します。
リースバックの売買契約時の書類の詳細
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次にご説明するのは売買契約時における書類の詳細に関してです。売買契約書にどのような内容が記述されているのかを確認しましょう。
売買契約書に記される内容は以下のものが挙げられます。
- 売買価格
- 決済・引渡しの日程
- 買戻しに関する条件
それぞれに関して見てみましょう。
売買価格
売買契約を行うわけですから売買価格の記載は必須となります。買取価格の提示、合意をした際の提示額となっているかを確認するようにしましょう。
決済・引渡しの日程
おそらくですが、売却を希望している人の資金が必要となる時期に決済を合わせる形で合意を図っていると思います。その期日で正しく記入されているかを確認しましょう。
買戻しに関する条件
リースバックは最終的に賃貸借利用を行うわけですが、資金を用意できれば売却した物品を再度、購入し直すことも可能です。
買戻しの際の買取価格などに関して、このタイミングで決定しておくことで買戻しを円滑に行えるため、買戻しを検討する場合には買主との間で合意を図っておきましょう。
リースバックの賃貸借契約時の書類の詳細
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最後にご説明するのは賃貸借契約時の書類の詳細に関してです。賃貸借契約に記される内容は後の賃貸借利用に関係してくるため、契約内容をしっかりと確認するようにしましょう。
賃貸借契約書に記される内容には以下のものが挙げられます。
- 賃貸借契約の種類(普通賃貸借契約であるか定期賃貸借契約であるか)
- 賃貸借の期間・賃料・敷金などの金額に関して
- 賃料などの支払い方法と支払期限
- 解約の際の方法
- 退去時の原状回復に関して
それぞれに関して見ていきましょう。
賃貸借契約の種類
賃貸借契約時に最も注意すべきことがこの契約の種類です。普通賃貸借契約であれば、賃貸借の期限を定めることなく利用することができますが、定期賃貸借契約の場合には2~3年程の期限付きでの利用となります。ご自身の将来設計を見据えて適切な契約種別となっているかを確認しましょう。
賃貸借の期間・賃料・敷金などの金額に関して
これらに関して事前に貸主(買主)と協議をしているかと思いますので、その際の内容と一致しているかどうかを確認しましょう。
賃料などの支払い方法と支払期限
賃料の支払い方法は個人の不動産などであれば賃料という形で月々払い、法人所有の不動産などであれば一括払いといった具合かと思います。所有していた場合とは異なり、固定資産税などの支払いが必要なくなります。
解約の際の方法
契約を解約する際の方法を定めるようにしましょう。「貸主・借主の両者ともに解約の際には解約予定から遡って1~2か月までの間に通達が必要である」といった具合です。
退去時の原状回復に関して
賃貸借利用が終了した際の原状回復の義務や費用負担の負担方法などに関しての取り決めとなります。
まとめ
ここまで、リースバックの概要や手続きの流れ、各種の手続きの際に必要となる書類、書類の詳細に関してご説明してきましたがご理解頂けたでしょうか?
リースバックの手続きの進め方をご理解するのはもちろん、必要書類がどのようなものであるのか、書類内容にはどのようなことが記されるのかに関しても予め把握しておけば、買主との事前合意で何を話せばいいのか整理がしやすいかと思います。
ご自身がリースバックを検討する必要が訪れた際にはぜひこの記事を参考にして頂き、スムーズなリースバックを実現して頂ければと思います。