リースバックは企業経営にも活かせる!企業視点でのメリットを紹介

リースバック 企業

皆さんは”リースバック”という不動産活用を通じた資金調達手段をご存じでしょうか?

企業を経営している法人や事業者にとって、資金を調達する方法には借入や融資・増資などが馴染み深いかと思いますが、”リースバック”はそれらの方法に続く、また新たな資金調達方法であるといえます。

企業を経営する過程では一時的な費用への補填のため、新規事業(戦略投資)を図るため、設備投資・運転資金(事業資金)に充てるためといった理由から資金を獲得する必要があるかと思いますが、このような際の1つの手段として、読者の皆様には”リースバック”をぜひご検討して頂ければと思います。

また、リースバックを選択したことで、結果的に企業B/S(バランスシート・貸借対照表)が整理されたり、ROA(総資本利益率)といった企業経営指標にも嬉しい効果をもたらしたり、不動産を保有することで懸念しなければならない各種のリスクを回避したりすることも可能となります。

この記事では、リースバックの基本的な知識を抑えた後に、リースバックを企業経営に活かそうとした際にどのような効果がもたらされるのかに関して見ていきたいと思います。ぜひ最後までご覧になってください。

リースバックの基礎知識

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まずはじめに、”リースバック”がどのような資金調達方法であるのかを確認していきましょう。

リースバックとは、売買契約と賃貸借契約が一体となった契約形態のことを表しています。それぞれの契約が独立している場合、売買契約では特定のモノを売買する(ご自身が売主であれば、売却物の所有権がご自身からAさんに移行する)のみ、賃貸借契約では特定のモノを貸借する(ご自身が所有者であれば、モノに対する所有権はそのままにAさんが利用する)のみとなります。

しかしながら、リースバックはそれらの契約を一体として行うため、ご自身が売主であれば不動産を売却した後に、貸主(売買契約における不動産の買主)との間で売却した不動産に対する賃貸借契約を結び、これまでと同様の利用(賃貸物件としての利用)ができるようになっています。

リースバックの手続き

リースバックがどのような資金調達手段であるのか、概要をご理解いただいたところで、ここではリースバック契約を結ぶ際の手続きを見ていきましょう。

リースバックの手続きは以下の流れで進めていきます。

  1. リースバックを請け負っている専門業者への申し込み
  2. リースバック専門業者による売却予定不動産の査定
  3. (専門業者の算出した査定額、各種契約書に記載される事項・内容等に納得いく場合には)売買契約・賃貸借契約の締結
  4. 賃貸借契約の記入事項に基づく不動産の賃貸借利用

手続きとしては上記の通りに進んでいきますが、これらの詳細や、申し込み・契約を締結する際に必要となる関係書類等にも目を通しておく必要があります。また、リースバック契約を進める過程、実際にリースバックとして不動産を利用する中でトラブルに見舞われることもあります。

これらの内容に関しては以下の記事にてご紹介していますので、お時間の許す際にはぜひそちらにも目を通してみて頂ければと思います。

『リースバック契約書の内容を紹介!売買・賃貸借契約書の詳細チェック』【マイホームまもり隊_公式】

『リースバックの活用事例&トラブル事例を詳しく解説』【マイホームまもり隊_公式】

リースバックのメリットと企業経営への効果

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リースバックの概要を抑えたところで、次に、リースバックのメリットが企業経営にどのような効果をもたらすのかを確認していきましょう。リースバックは企業だけでなく、広く一般の方にも利用可能な資金調達手段となっていますが、ここでは企業が得られる利点に焦点を当てて見ていきたいと思います。

主なメリットには以下のものが挙げられます。

 

  • 現金化の際の手続きが簡易的で、資金を手にできるまでが早い
  • 不動産に発生していた各種の費用を削減できる
  • 不動産を売却した後も事業用として利用を続けられる
  • 不動産を所有することで抱えるリスクを回避できる
  • 企業経営のオフバランス化が実現できる
  • 取引先との信頼性を維持できる

それぞれに関して詳しく見ていきましょう。

現金化手続きの簡易さ・資金入手の早さ

企業を経営する中では、一時的に業績が悪化してしまった、新規事業へと投資を行いたいという理由から、一時的に資金を調達したいという需要は絶えずあるものかと思います。企業の資金調達として一般的なものには、金融機関等からの借入や、投資家からの融資などが考えられますが、金利負担などのリスクも存在します。

また、金融機関からの借入の場合には各種の審査が行われるものであり、これらに相当の時間を要します。加えて、企業の業績が安定している場合の方が借入が実現しやすいというのも、一時的な業績悪化が存分にあり得る企業にとってはネックになります。

これらを考えた際にリースバックによる資金調達が選択肢として挙がってくるかと思います。リースバックでは金融機関からの借入で行われる審査がなく、売買契約が締結することで現金を入手する目処が立つようになるため、現金化までの時間で比較した際に非常にスピーディーであるといえます。

また、借入をすると必ず金利も発生することとなりますが、リースバックではこの金利が生まれることはありません。そして、(借入額の大小はあれど)このようなケースでは借入による金利と、リースバックの不動産売却によって発生する税金とを比較することとなり、リースバックの方が小さく抑えられるかと思います。

不動産所有に関わる各種コストの削減

不動産を所有している場合、所有している限り固定資産税や、所有する不動産やその附属設備の維持管理費、要所要所での修繕費などが必ず発生します。リースバックでは、これらの不動産所有によって発生するコストを丸々削減できる(コストを不動産のリース料金として一本化できる)ようになります。

加えて、これらのコスト削減が、不動産の管理に関わる事務手続きや、手続きのための人件費などの削減にもつながり大きな波及効果を期待することができます。

これらの観点を踏まえると、不動産を多く所有している(これに併せて管理負担も大きくなっている)ような企業にとっては、リースバックによるコスト削減効果はより大きくなることが期待できます。

不動産売却後にも事業用として利用可能

一般的な不動産売却を行った場合には、(企業規模の縮小でない限り)これまでの企業経営を維持するために、また新たな不動産を見つけ出す必要が出てきます。

加えて、企業規模が大きい場合、特別な機械が設置されている工場等を所有している場合には、これらの設備を移転するための費用も必要となります。

このような期間が発生すると、一時的に企業活動を停止することは必然となるため、これも結果として費用を生んでいることとなります。また、企業移転を行った場合には従業員の通勤時間等の見直しをはじめとした手続きも必要となります。

これらの負担を回避できることはもちろん、これまでと同様に不動産を利用できるのはリースバックの大きな利点のひとつであるといえます。

不動産所有に関わる各種リスクの回避

不動産を所有することで各種のコストが発生していること、リースバックによってそれらをリース料金として一本化できることは先に触れた通りですが、コストだけでなくリスクの観点からもリースバックは非常におすすめです。

主なリスクには、不動産の価格変動リスクや自然災害等による損失リスクが挙げられますが、リースバックとして賃貸借利用をしていればこれらのリスクを回避することができるようになります。

近年では、自然災害に対する企業経営のレジリエンスを高めるために、本社機能を一拠点ではなく複数拠点に設置する企業が多くなってきていますが、このようなリスク回避の観点からもリースバックを考えてみられてください。

企業経営におけるオフバランス化の実現

企業経営では馴染みのある言葉かと思いますが、オフバランスとは貸借対象表(企業が持つ資産や負債等の額を示した表)に情報を記さないことを意味します。つまり、一般に不動産は資産として扱われますが、不動産を所有していないため貸借対照表には記載されないようになります。

不動産を所有していることで抱えるリスクに関しては先に触れましたが、そのようなリスクが実際に起こってしまった場合には、貸借対照表の資産の額がそのまま減少してしまうことになります。

裏を返せば、リースバックを利用することで、価格変動リスクや自然災害等による損失リスク等が企業経営に影響を与えないようになります。加えて、貸借対照表に記載される情報が減り(シンプルになり)、自己資本比率(※)の上昇も図れるようになり、これらが企業価値の向上にもつながっていきます。

※自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本の何割を占めるかを表した数値(計算式としては、純資産を総資本で割った数値になります)であり、この数値が小さいほど、他人資本の割合が大きく、それらの影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることを意味します。そして、資本に基づく会社の独立性を図る指標となっています。

取引先との信頼性を維持できる

不動産の売却・別の場所への企業移転は誰が見た場合でも明らかなことであり、取引を行っている相手方の中には、「業績が悪化しており、不動産の売却資金をもってそれを補填しようとしているのではないか?」と考える人もいるかと思います。

そのような目的で行ったわけではなかったとしても、このようなリスクがあることは否めません。しかしながら、リースバックであれば、企業を移転する必要もないため、一見して不動産売却が行われたことが気づかれにくく、取引先との間での不安要素を解消することもできます。

まとめ

不動産活用を通じた資金調達手段である”リースバック”に関して、これが企業経営にどのように活用可能であるのかをご説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?

資金調達の方法は多岐に亘りますが、調達した資金の使用方法の制限、現金化までの迅速性などの観点からもリースバックは十分に検討すべき方法のひとつであるといえます。

この記事ではメリットに関して深く掘り下げてきましたが、実際に利用するとなるとデメリットや、トラブルに発生しかねない注意点なども存在します。これらの内容に関しても、先にご紹介したその他の記事で触れられていますので、より一層のリースバックへの理解を図っていただければ嬉しく思います。

この記事が少しでも多くの企業経営者のお力となり、魅力ある企業づくりのための一助となれば幸いです。

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