任意売却を離婚前にするメリットと知っておきたい3つの手順

任意売却 離婚

離婚をすることになると、今後の生活やお金、住む場所などをどうしたらよいのかとたくさんの悩みと不安がいっぱいですよね。

賃貸の場合、解約することで、別々に新しい生活をスタートすることができますが、マイホームをお持ちの方は、住宅ローンの返済などの問題もでてきます。

住宅ローンの返済が完了していれば問題はありませんが、離婚時にきちんと交渉しておかないと、のちのち住宅ローンの返済ができないなど、大きなトラブルを招きかねません。

この記事では、任意売却について、任意売却するときのメリットとデメリット、離婚前に知っておきたい任意売却の3つの手順をご紹介します。

住宅ローンの返済がまだ残っている方、マイホームをどうすべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

任意売却について

任意売却 離婚

離婚の際、今まで住み慣れたマイホームをどうするのかは、大きな問題ですよね。

離婚後も、住宅ローンの支払いを続けて住み続けるか、マイホームを売却するか、どちらかを選択しなければなりません。

住宅ローンを返済できるケースもありますが、お互い新しい生活が始まり、どちらか片方の収入だけでは、住宅ローンの返済が難しく、少なからず滞納してしまうリスクがあります。

ここでは、住宅がローンが残っていても自宅を売却できる、任意売却の制度と主な流れ、住宅ローンを払えないとどうなるのか、また、任意売却が成立しないケースについてもご紹介します。

任意売却の制度と主な流れ

任意売却の制度は、自宅を売却し、住宅ローンが残っている場合でも、借入先だった金融機関から合意を得て、保証会社から不動産を売却できる方法で、離婚時の住宅ローンの売却以外にも、住宅ローンの滞納など何らかの原因で返済ができないときに利用することのできる制度です。

任意売却は主に以下の流れで行われます。

  1. 不動産会社へ依頼する
  2. 金融機関から任意売却の合意を得る
  3. 不動産会社と契約
  4. 売却活動開始
  5. 購入者の選定と価格の交渉
  6. 不動産売買契約締結
  7. 売却代金の決済
  8. 物件引き渡し

一般的に上記の流れで、最短2ヶ月、全体を通して3~5ヶ月の期間がかかります。

住宅ローンを払えないと強制売却の対象となる

住宅ローンの返済をすることができないと、金融機関が不動産を強制的に売却する「競売」という手段をとられてしまいます。

住宅ローンを1〜2ヶ月滞納すると、郵便物や電話などで催促されますが、そのまま滞納し続けると「期限の利益の喪失」と見なされ、債権が金融機関から保証会社に移行します。

早ければ3ヶ月で裁判所から競売開始通知が届き、物件が競売に掛けられます。

競売は、市場価格より不動産の売却額が低いことや、自己破産のリスクもあるため、離婚前に任意売却を検討することをおすすめします。

離婚時には、返済できると確信していた住宅ローンも、何らかの理由で債務者の給料やボーナスが減ってしまうことや病気になってしまうなどの、イレギュラーが起こることも考えられます。

離婚時に住宅ローンを払い続けるのか、任意売却するのかは、先のことを見通して選択することが大切です。

任意売却が成立しないケースもある

住宅ローンがまだ残っている債務者も利用できる任意売却ですが、任意売却を検討していても、全ての方が任意売却を選択できるわけではありません。

下記のような場合は、任意売却が成立しない可能性があります。

  • 任意売却を同意しない金融機関がある
  • 既に競売にかけられており、時間に猶予がない
  • 売却活動が不十分(内覧ができない・情報が把握できないなど)
  • 所有者本人であることが確認できない
  • 連帯保証人・共同名義人の合意と同意がない

特に「連帯保証人・共同名義人の合意と同意がない」に関しては、クリアしておかなければならないポイントです。

通常の関係では問題がない”合意”が、離婚していると、離婚に対しての反発や、お互いに感情的な交渉になることが多く、同意を得ることが難しくなることがあります。

任意売却をする3つのメリットとデメリット

任意売却 離婚

離婚時にマイホームを売却することを検討されている方は、まだ住宅ローンが残っているケースが多いのではないでしょうか?

その際、できるだけ自己資金で残った住宅ローンを返済することが望ましいですが、住宅ローンを返済する資金がどうしてもない時は、任意売却を利用することがおすすめです。

ここからは、任意売却するメリットと知っておきたいデメリットについて解説します。

任意売却したときの3つのメリット

住宅ローンを数ヶ月滞納したときに、強制的に自宅を売却される競売と任意売却を比較しながら、任意売却のメリットについてご紹介します。

1.自宅を高値で売れる可能性がある

任意売却を選択せずに、住宅ローンの滞納が続くと、物件を強制的に売却される手段を取られてしまいます。

競売の場合の売却価格は、市場価格の8割といわれているのに対して、任意売却は、競売よりも比較的高い売却値がつく傾向があります。

任意売却も競売も売却した資金は、全額住宅ローンの返済に充てなければなりません。できるだけ高値で売却することは、住宅ローンの残債を減らすことに繋がります。

2.債務者に合わせてある程度の日程調整が可能

競売の場合は、不動産会社へ仲介手数料などの諸経費を自己資産から支払わなければなりませんが、任意売却では、売却価格の中から諸経費の支払いをすることができます。

諸経費を自己資金で支払う必要がないことも、任意売却のメリットのひとつです。

さらに、任意売却は、ローンの借入先である保証会社と交渉することで、売却時期の調整ができます。

離婚の時期がいつになるか分からない、決まっていない場合でも、決まり次第それに合わせて売却予定時期を確定することができるため、安心して利用することができます。

3.周囲に知られずに利用できる

任意売却は、住宅ローンの返済が難しいと判断した場合に競売を防ぐためにできる手段ですが、任意売却を利用したことは周囲や近所に知られることはありません。

対して競売は、近所への近隣調査を行うため、周囲に住宅ローンを滞納し競売にかけられていることや、経済的に困窮していることを知られてしまいます。

遠くに引っ越すことを検討している方や気にならない方もいらっしゃるかもしれませんが、引き続き、住みなれた地域に住む予定がある方は、肩身が狭い思いで暮らしていくことにもなりかねません。

そんな不安を抱えている方も、離婚時に住宅ローンの返済が難しくなるような可能性があると判断した時点で、任意売却を利用することで解決できます。

任意売却をしたときのデメリット

不動産を売却する点では、同じである競売と比較しても任意売却にはメリットが多くありますが、住宅ローンは可能な限り自己資産で返済すべきといわれる理由は何なのでしょうか?

ここからは任意売却のデメリットについてご紹介します。

  • 借入先である金融機関(債権者)との交渉が手間
  • 信用情報に傷がつく
  • 内覧に協力する必要がある

最も大きなデメリットは、信用情報に傷がついてしまうことです。任意売却で住宅ローンを滞納したことが証明されると、5〜10年はクレジットカードを新しく作ることができなかったり、金融機関から融資を受けることが難しくなります。

離婚前に知っておきたい任意売却の3つの手順

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任意売却を成功させたいなら、任意売却の専門的な知識に強い不動産会社を選ぶことが大切です。

不動産選びに合わせて確認して頂きたいのが、離婚前に知っておきたい任意売却の3つの手順です。離婚前に、任意売却の手続きを始めようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

それでは、離婚前に知っておきたい任意売却の3つの手順について、ご紹介します。

1.任意売却を行うために相手の合意を得る

任意売却をするためには、自宅の共同名義人や住宅ローンの連帯保証人であるパートナーの同意が必要です。

離婚の際、夫婦関係や家庭環境が良好なであることは少ないかもしれませんが、相手の同意を得ることができなければ、任意売却を利用することはできません。

パートナーから任意売却の同意を得るため、感情的にならず、冷静に交渉することが非常に大切です。どのような状況でも、任意売却を優先することを忘れないようにしましょう。

2.住宅ローンの残債を確認する

任意売却の手続きをする前に、住宅ローンの残債がどれくらいあるのか、あと何年ぐらい支払いが続くのかなど、住宅ローンの状況を把握して残債を確認することを心がけましょう。

  1. 住宅ローンの返済状況の確認をする
  2. 不動産の価格調査で、推定売却価格を出す
  3. 一括返済可能が可能か確認する

住宅ローンの状況については、支払いをする金融機関の窓口に問い合わせることで把握し、その後、不動産の価格調査を依頼すると、不動産がいくらで売却できるのかを無料で調査してもらうことができます。

想定される売却価格から残りの住宅ローンを差し引いた金額で、今後も住宅ローンの返済ができるか、もしくは住宅ローンの残債がどれくらいあるのかを確認したうえで、任意売却の手続きをはじめましょう。

3.離婚協議と同時に任意売却の手続きを進める

任意売却の中でも、離婚後や別居中の手続きは、夫婦間でなかなか連絡がとれない、予定を合わせられないなど、時間がかかることから、手続きがスムーズに進まずトラブルが発生する可能性があります。

スムーズに任意売却を進めるために、離婚後の任意売却はできるだけ避け、離婚協議に合わせて、任意売却の手続きを進めることがおすすめです。

まとめ

本記事では、任意売却するときのメリットとデメリット、離婚前に知っておきたい任意売却の3つの手順についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

離婚時に住宅ローンが残っていて、マイホームを手放すことを選択したときは競売にかけられる前に、いち早く任意売却をすることがおすすめです。

住宅ローンの返済を滞納してしまうと、競売にかけられ、今後の生活にも影響がでてしまうかもしれません。

離婚後に任意売却を行うと、パートナーとスムーズに連絡をとることが難しく、場合によっては任意売却をすることができなくなる可能性もあります。

ご紹介した、離婚前に知っておきたい任意売却の3つの手順を参考に、離婚を検討したタイミングでパートナーと交渉し、離婚協議に合わせて手続きを進め、離婚後はスッキリとした気持ちで新しい生活を迎えられるようにしましょう。

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