住宅ローンを滞納した人が競売を避ける3つの方法

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2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自分の経済状況が大きく変化した方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

アメリカでは世界恐慌以降で最悪の失業率を記録しているなど、普段の生活が大きく変わっていることを肌で感じる日が続いています。

人生で最も大きな買い物である不動産購入。しかし、住宅ローンの支払いは安定した収入がなければ払うことができなくなってしまうケースも考えられます。住宅ローンを滞納し続けてしまうと、競売にかけられて自宅を強制的に売却されます。

この記事では、住宅ローンを滞納してしまった人が競売を避けるための方法について詳しく紹介していきます。

住宅ローンを滞納するとどうなる?

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それでは、一般的に住宅ローンを滞納するとどうなっていくのか、滞納期間別に分けて詳しく説明していきます。

【滞納1〜3ヶ月】催告書や督促状が銀行から送られてくる

住宅ローンの滞納が始まってからおよそ1〜3ヶ月ほどで、お金を借りている債権者にあたる銀行から、督促状や催告書というものが送られてきます。

督促状とは、「返済が未入金となっていますのでお支払いください」といった内容の書面です。

督促状ではまだ自主的な支払いを促す催促ですが、催告書となるとかなり厳しい段階へ進んでしまいます。催告書とは法的手続きを行うための前提となる通知であり、金融機関からの最終通告の書類となります。

金融機関によって異なりますが、基本的には延滞分のみの支払いをしても、これまで通りの月々の返済へ戻すことは難しい場合が多いです。

【滞納3〜6ヶ月】代位弁済期間

住宅ローンの滞納を続けて3〜6ヶ月が経過すると、「期限の利益の喪失」に関する内容が記載された催告書が届きます。

住宅ローンを組んだ際、金融機関との契約に毎月分割して住宅ローンを支払うという内容が含まれます。これを「期限の利益」と呼びます。

住宅ローンの支払いができなくなると、あらかじめ結んだ契約を守らなかった債務者に対し、金融機関は分割して支払う権利を無効にします。これが「期限の利益の喪失」です。

この時点で、債務者は住宅ローンを一括で支払うことしかできなくなります。

期日までに支払わない場合、債務者に代わって保証会社がローンの全額を銀行へ支払う必要があるため、保証会社へ保証金の支払いを求めた旨の通知も届きます。

保証会社が代わりに支払う代位弁済となると、銀行ではなく保証会社から請求が届くようになります。

【滞納6〜8ヶ月】競売開始決定通知が届く

代位弁済期を過ぎてからも何も行動を起こさずにいると、競売開始決定通知書と呼ばれる書面が裁判所から届きます。

これは、保証会社からの申し立てを裁判所が受けて、競売の手続きを開始したことと、不動産を担保として差し押さえたことを知らせるための書類です。

代位弁済期の範囲でしたら、一括で支払うことで差し押さえを回避することも可能ですが、既に個人で出来ることはほとんど無いのが実情です。

この差し押さえ通知は不動産の記録にも残されるため、第三者からも分かるようになっています。

【滞納8〜10ヶ月】現状調査期

競売開始決定通知が届いた後に、裁判所から競売の対象となる不動産を調べる「現状調査」についての通知があります。

これは、裁判所の執行官と不動産の鑑定士が自宅を訪れ、自宅の状況についてのヒアリング、間取りの確認、写真撮影、周辺環境調査(自宅前の道路など)、近隣への聞き取りなどを行うものです。

この現況調査の結果は、資料にまとめられてインターネットで公開されます。

また、この頃には競売業者が通常は十数人程度、多ければ50人以上が押しかけてくることもあります。

【滞納10〜12ヶ月】期間入札決定通知書が届く

滞納が10ヶ月を過ぎると、「期間入札決定通知書」が届きます。競売における期間入札通知書とは、裁判所から送られてくる不動産の入札期間と開札日が記載された通知書です。

この通知が届くと、間もなく競売がスタートするということを意味しています。

競売の結果、これまで所有していた不動産の新しい買い手が見つかった場合、強制的に退去となります。

当然、立ち退き料などが支払われることはありませんし、住宅ローンの残債は多く残ってしまいますので、この残債は今後も支払っていく必要があります。

これらの状況を避けるために、競売にならない3つの方法を紹介します。

競売にならないための3つの方法

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もちろん、そもそも競売にならないよう返済をすることが一番ですが、返済能力を失ってしまったことで競売となってしまうケースも存在します。

競売では一般的に通常の5〜6割という安い金額での売却価格となってしまうため、競売を回避するためにも別の方法で対処しましょう。

金融機関から返済資金を借りる

ローンを組んでいるタイミングでも、経済的な事情を金融機関へ伝えて返済資金を借りることが可能です。

もちろん担保となる資産の証明や、今後の返済スケジュールなどを明示する必要はありますが、競売になるよりも遥かに効率的な方法であると言えます。

ローンの返済が出来ないと分かった時点で相談することが第一ですが、もちろん突発的に対応しなければいけない場合もあります。

そういった場合は、まずは金融機関から返済資金を借りるために奔走してみましょう。

任意売却する

任意売却とは、住宅ローンの支払いが出来ない場合、通常の住宅売却と同じ方法でマイホームを売却することです。

もちろん、任意売却をしたからといって借金がなくなるわけではありません。

しかし、先述したように競売では通常の売却価格よりも安く叩き売られてしまうため、競売よりも借金の金額を減らすことが可能です。

他にも、任意売却すると交渉次第ではマイホームからの引越し費用を貰えたり、残りの債務を支払い能力を鑑みた月々の分割払いへと交渉することができます。

競売になると引越し費用は貰えませんし、返済は一括を要求されますので、単純な売却以外でも金銭的な負担を軽減させることができます。

しかし、注意すべきなのは任意売却が可能な時期です。

法的には、滞納が10〜12ヶ月となって期間入札決定通知書が届くまで任意売却は可能ですが、実際にはもっと早い段階でのみ任意売却が認められるケースが多いです。

任意売却をするには保証会社や金融機関の合意が必要となり、専門の不動産会社へ依頼するなどの対応が必要となってきますので、注意が必要です。

リースバックを利用する

最後は、リースバックを利用するという方法です。

リースバックは任意売却と少し似ていますが、投資家や不動産会社などの第三者へ住宅を売却した後、その物件を借りて住み続けることができるサービスを指します。

住み続けていた住居を退去する必要が無いという大きなメリットがありますが、デメリットも存在します。

リースバックを成立させるには「不動産価値が住宅ローンの残債より高いこと」が条件となります。

仮に、住宅の価値が1,500万円で残債が500万円の場合、買い取り額が900万円ですとローンの残りを補填することができるので、この場合はリースバックが成立しやすいです。

しかし、残債が1,000万円だと自宅を売ったお金ではローンを補填できません。この場合は、債権者の不利益となるため、リースバックの合意が得られにくくなります。

実際、リースバックに関する様々なトラブルなども起きる可能性があるため、利用を考えている方は専門的な知見を持つ会社へ相談するようにしましょう。

住宅ローン以外の借金を整理する選択肢

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金融機関からの借り入れ、任意売却、リースバックの利用を紹介しましたが、実際はローン返済以外にも経済的に困窮する場合は多くあります。

そこで、ここからは住宅ローン以外の借金を整理する方法を3つ紹介します。

個人再生を利用する

住宅ローン特則という言葉を聞いたことはありますでしょうか。

「他の借金を減らすことができれば住宅ローンの支払いができる」という方へ向けて、個人再生(住宅ローン特則)という方法があります。

これは住宅ローン以外の借金を圧縮・減額することで、再度住宅ローンの分割返済を目指す手続きです。

借金を延滞している場合は代位弁済から6ヶ月以内に民事再生の申し立てをする必要がありますが、住宅ローン以外への返済がある場合は考えてみましょう。

任意整理を行う

任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、将来の利息カットによる借金減額や返済期間の見直しなどを行うことで、債務者の負担を減らす方法です。

任意整理の対象に住宅ローンは含まれないので、住宅ローン以外に多額の借金がある場合は検討してみましょう。

自己破産手続きを取る

自己破産手続きとは、住宅ローンを含めたすべての債務をなくす手続きを指します。

不動産を売却しても住宅ローンの返済が出来ない、且つ他の借金も返済が難しい場合の最終手段として検討しましょう。

まとめ

住宅ローンを滞納した際の競売について、スケジュールや避ける方法を紹介しましたが参考になりましたか?

せっかくローンを組んで購入した住居も、競売となると市場価格よりもかなり安い金額で売却されることになってしまいます。

急に返済能力を失う可能性もゼロではない中で、こういった手続きや競売にならない方法は、あらかじめ知っておくことが大切です。

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