住宅ローン滞納で生じるリスクと差し押さえを防ぐ3つの対策

住宅ローン 滞納 差し押さえ

人生の大半を過ごす家はとても価値の高い財産であり、汗水流して稼いだお金で住宅ローンの返済を頑張っている方は世の中にたくさんいます。

一括払いで購入することが難しい高額な家を住宅ローンを組んで購入することは一般的ですが、何らかの理由で支払いを滞納してしまい、最悪の場合、家を失うという結果を招くこともあります。

この記事では、住宅ローンの仕組みや滞納で生じるリスクをご説明した後、家の差し押さえを未然に防ぐ3つの方法を詳しくご紹介していきます。

大切な家を守るために必要な知識となるため、住宅ローンの支払いが厳しくなっている方やローンを滞納してしまっている方は、問題の解決にお役立てください。

住宅ローンの仕組み

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住宅ローンは金融機関に借金をして、元金と残高に応じた利息を毎月支払う仕組みになっています。

一括支払いで購入することができない高額な家を月々の支払い契約で購入することができるため、沢山の消費者が利用している借入システムです。

一般的な住宅ローンは「借りたお金(元金)」×「年間の利息額の割合(金利)」で利息が算出され、返済期間が長ければ長いほど利息も高くなる仕組みになっています。

例えば、3,500万円の住宅ローンを金利3%で組んだ場合、最初の返済額にかかる利息は「3,500万円×0.03÷12ヶ月分=87,500円」となります。住宅ローン完済まで30年以上かかるケースも珍しくなく、最終的に利息だけで元金の1/3近く支払うこともあります。

人生で最も高い買い物と呼ばれる住宅ローンは、毎月の収入やボーナスを使って計画的な返済を続けることが必須となり、契約時に返済額と返済期間をバランスよく設定することが重要です。

住宅ローン滞納で生じるリスク

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数千万円クラスの家でも購入可能になるのが住宅ローンですが、毎月の支払いが追いつかず、万が一支払いを滞納してしまった時にどのようなリスクが生じるのかをご説明していきます。

優遇金利の解除

契約した返済額を毎月納めることが大前提となりますが、万が一ローンを滞納してしまった場合、元金と合わせて支払う必要がある利息が増えてしまうリスクが生じます。

契約時の金利は「優遇金利」といって予め優遇された数字に設定されていますが、支払いが1ヶ月、2ヶ月と遅延してしまうことで信用を失い、店頭金利という割引のない金利に設定されてしまいます。

優遇金利は一度解除されると再びもとに戻すことはできません。残債が多い状態で店頭金利になってしまうと、本来よりも数百万円以上の高い利息を支払うことにもなりかねないため、住宅ローン滞納はできるかぎり避けるべきです。

信用情報に傷がつく

カードローンの返済と同じように、住宅ローンを滞納し続けた者は金融機関からの信用を失い、高額な買い物をする際にローンが組みづらくなるというリスクが生じます。

各情報機関で信用情報が共有されているため、住宅ローンだけ制度が緩いということはないので注意しましょう。

金融機関からの信頼を失った債務者は、その信用を回復させるために5年〜10年という長い月日を要することになります。

みなさんも一度は聞いたことがあるブラックリストに載ってしまうと、本当にお金が必要な場面で工面することができず苦労することは間違いありません。

期限の利益喪失

住宅ローンの滞納はまず始めに各情報機関からの信用を失い、その後4ヶ月〜6ヶ月という長い期間滞納をし続けることでローンが解除され、期限の利益を喪失することになります。

期限の利益喪失を簡単に説明すると「住宅ローンを分割で支払える権利」であり、この権利を失うということは、ローンの残債を一括で返済しなければならないということです。

残債の額によっては現実的に一括返済をすることは難しくなり、その先に待っているのは絶対に避けなければならない競売となります。

家を差し押さえられる競売

期限の利益を喪失してから残債を一括返済できない状態がしばらく続くと、家を強制的に売却させられる競売にかけられるリスクが生じます。

金融機関から競売が申請された場合、その家に住み続けることはできず、大切な財産を失ってしまうことを避けられません。さらに競売の家の売却額は市場相場よりもだいぶ安い金額となり、そのお金は全て住宅ローン返済に充てられます。

競売で住宅ローンを完済することは考えづらいため、家を失い、多額の残債が残った状態で今後生きていかなければなりません。

債務者にとってたくさんのリスクが生じる競売は絶対に避けるべきであり、家を差し押さえられる前に対策を行う必要があります。

家の差し押さえを未然に防ぐ3つの対策

住宅ローン 滞納 差し押さえ

住宅ローンの滞納をし続けた場合、強制的に家を差し押さえられるという最悪の結果に繋がることもあります。

みなさんにとってかけがえのない財産である家を守るためにどんな対策が必要なのか、ここからは差し押さえを未然に防ぐ3つの対策をご紹介していきます。

住宅ローンのリスケジュール・借り換え

家の差し押さえを未然に防ぐために、期限の利益喪失までに滞納分の返済をすることはとても大事になります。

病気や転職などで収入が安定せず、住宅ローンを滞納してしまいそうな時に検討したいのが「住宅ローンのリスケジュール」です。住宅ローンを組んだ金融機関に現在の状況や今後の返済計画に関する相談を持ちかけ、毎月の返済額や返済期間を見直すことが可能となります。

返済期間の延長は残り返済期間が35年を越えない場合に相談することが可能で、返済期間を延長することで月々の返済額を抑えることができます。

債務者の資金状況が翌月や近いうちに回復する場合は、半年から1年にかけて利息だけを支払う元金措置の期間を設けてもらうことも可能です。資金状況が回復次第、延滞分の元金も支払う形になります。

「住宅ローンの借り換え」は、金利が高い借入先から金利が安い借入先に乗り換える方法です。現在の日本の金利は数年前よりもだいぶ安い傾向になっているため、この方法が有効になるケースがあります。

他の金融機関から借入をして現在の住宅ローンを完済し、新たに安い金利の金融機関で住宅ローンを組むことで、金利の差額分だけ返済が楽になります。

この方法は、借入時に団体信用生命保険に加入していた場合のみ活用できるため注意しましょう。

任意売却

家を差し押さえられる競売にかけられる前に、金融機関から支払いを促す「督促状」や「催告状」が届きます。この時点で残債の一括返済が無理だと判断したら「任意売却」を利用することが可能になります。

任意売却は、市場相場と大差がない売却額で家を売ることができる方法で、売却で得たお金を住宅ローンの返済に充てることができます。競売になってしまうと売却額はガクンと落ちるため、残債を大幅に減らしたい場合は必ず任意売却の手続きを進めましょう。

任意売却の手続きを開始する場合、交渉は家主が行います。その後、不動産会社を通して見つけた購入者に家を売却する際、債務者と債権者、そして連帯保証人の同意が必要になります。

任意売却の申請ができる最終期限は競売の入札直前となりますが、申請期間終了が迫るほど任意売却の成功率が下がるということを覚えておきましょう。

リースバック

「リースバック」は不動産売却に用いられる方法で家を売却するという点は任意売却と変わりませんが、リースバックの場合は売却した家にそのまま家賃を支払って住み続けることができます。

家の売却で得たまとまったお金を住宅ローンの返済に充てて、住み慣れた家で再び生活を立て直すことができるようになります。

リースバックを使って家を売却した場合、新たな所有主となる貸主に家賃を支払って家に住み続けることになりますが、契約時に買い戻しの特約をつけておくことで、将来家を買い戻しすることもできます。

家の差し押さえを未然に防ぐ方法として最も推奨できるのがリースバックであり、期限の利益喪失後も任意売却とリースバックを併用できるため、どうしても家を手放したくないという場合に活用しましょう。

まとめ

住宅ローン滞納で生じるさまざまなリスク、そして家の差し押さえを未然に防ぐ3つの対策についてご紹介しました。

数千万円クラスにもなる住宅ローンは、契約時に生活に見合う最適な返済プランを組むことが重要ですが、想定外の事態によって支払いを滞らせてしまう方もいます。

支払いを数ヶ月滞納してしまうことで金融機関からの信用を失い、最悪の場合、家を差し押さえられ強制退去となる競売に発展するリスクも生じます。

期限の利益喪失前であれば、住宅ローンのリスケジュールや借り換え、そして家を売却した後も住み続けられるリースバックを活用して危機を乗り越えることが可能です。期限の利益喪失後であっても、任意売却+リースバックという合わせ技で大切な家を差し押さえから守ることができます。

成り行きに任せて家を失ってからでは手遅れになるため、この記事でご紹介した対策を上手に活用し、計画的な住宅ローン返済ができる生活を取り戻していきましょう。

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