コロナを機に見直そう【住宅ローンの借り換え】借り換え手順もチェック

コロナ 住宅ローン 借り換え

新型コロナウイルスが流行り始めて1年ほどが過ぎた現在ですが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか?生活様式がこれまでとは大きく変化し、新たなライフスタイルに四苦八苦されている方や、これを機に大きな変化を楽しんでみたりとさまざまかと思います。

ライフスタイルを考えるうえで切り離してはいけないのが、日々の生活における家計のやりくり。経済の停滞が家計への打撃として生じているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

コロナを機に家計のやりくりを考え直されている方、特に「住宅ローンの返済を行っている方」、この記事はそんな方に向けて住宅ローンの借り換えに関するご説明をしていきます。ぜひご一読ください。

住宅ローンの借り換えとは?

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住宅ローンの借り換えとは具体的にどのようなことかと言うと、今現在借りている住宅ローンとは別の住宅ローンを新たに借り、新しく得たローンを利用して返済中の住宅ローンを一括で返済する方法のことを指しています。

借り換えることでどんな効果が生まれるのか

住宅ローンの借り換えの仕組みは分かったものの、どのような効果が生まれるのかはまだ想像がつかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

借り換えを検討する際に重要なことは「金利」です。金利とは元金(借りたローンの金額)に対して発生する利息がいくらなのかを表したものです。

利息とは借りたお金に対して発生する利用料だと理解して下さい。金融会社などが、貸したお金と同額を返済してもらうのでは金融会社にとって利益がありませんよね?利息によって貸金業を行っている企業などは利益を産み出しているのです。

これを借りた側の立場から見ると金利は低いほど私たちが支払うべき利息も小さくなります。現在借りているローンよりも金利の低いローンへと借り換えることで、金利差の分だけ、最終的に支払うこととなる総支払額を少なくすることができます。

借り換えの際は、これまでのローンと新たなローンの金利の差が支払うべき利息に影響するということは理解してもらえたかと思いますが、金利の差はもちろん金利が掛かっている元金が大きいほど、残りの返済期間が長いほど、支払う利息の金額、つまりは総支払額に大きな差が生まれます。

具体的な事例から効果を実感しよう

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ここでは具体的な数値を用いてローンの借り換えの効果を実感してもらえればと思います。

補足として、住宅ローンを返済する際には「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの返済方法があります。この2つの仕組みの違いはローンを返済する際の支払額の大きさやその内訳(利息分と元金分の比率)にあります。

住宅ローンの返済方法では元利均等返済が一般的に利用されているため、これから紹介する事例は元利均等返済のもとの返済であるとご理解ください。

また、この後の説明では最終的な支払額の差に注目してご紹介しますが、借り換えをする際には、借り換えの為に必要な諸費用も発生します。実際に借り換えを検討する際にはそのような諸費用の存在も忘れないようにしましょう。

金利差1.4%の借り換え(残債約1,600万円/残りの返済期間15年)の場合

2,700万円を金利2.4%にてローンを組み、その返済期間が30年だったとします。そして15年の間、返済を行い、残りの返済期間は15年、残債は約1,600万円のタイミングで金利が1.4%低い(金利1.0%)住宅ローンに借り換えるという状況を考えてみます。

借り換えによる効果の大きさは?約126万5,520円の支出の減少

金利2.4%を

継続した場合

金利1.0%へ

借り換えた場合

差額
毎月の返済額 10万5,284円 9万5,170円 1万114円
残り15年間での

返済額

1,895万1,120円 1,713万600円 182万520円
銀行手数料

(消費税込)

約35万円
ローン契約書の印紙税 約2万円
抵当権抹消費用 約2万円
抵当権設定に掛かる

登録免許税

約6万5,000円
司法書士報酬 約10万円
借り換えの効果 約126万5,520円

金利差が1.4%の住宅ローンに借り換えたことで毎月の返済額では1万114円、完済までの15年間での総返済額では182万520円もの支出を抑えることができるという結果に。総返済額ではこの差となりますが、前述したように借り換えのための費用も掛かります。

この場合、借り換えのための諸費用が182万520円より小さければ借り換えによるメリットを得られるということですね。

検討を前向きに考えるならば【手順】もチェックしよう

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ローンの借り換えによる効果も実感し、借り換えを前向きに検討してみたいという方は、借り換えを進めていく手順もチェックしておきましょう。借り換えまでの準備から借り換えが決まって新たな金融機関への返済へと移行するまでの流れは以下の通りです。

  1. 借り換え先となる金融機関を比較・検討する(金融機関への相談も含めて)
  2. 借り換え先の金融機関が決まったら必要書類を準備
  3. 事前審査への申込・事前審査
  4. 本審査への申込・本審査
  5. 現在の借入先の金融機関へ一括繰り上げ返済の申込
  6. 借り換え先の金融機関との新たな住宅ローンの契約
  7. 借り換え先の金融機関からの融資の実施
  8. 以前の借入先の金融機関への一括繰り上げ返済
  9. 旧金融機関から新金融機関への抵当権の移行手続き
  10. 新たな借入先への返済開始

それぞれについて見ていきましょう。

手順1:金融機関の比較・検討

ローンの借り換えの効果を実感頂けたかとは思いますが、効果の大きさは個々人のローンの状況によって多様なものです。また、借り換えを実施している金融機関も多様な借り換え条件を用意して存在しています。

ご自身の状況を踏まえながら複数の金融機関を比較・検討してみましょう。金融機関の住宅ローンの担当課などを訪ねれば、具体的な説明やシミュレーションも行ってくれると思いますので、金融機関への相談もご検討下さい。

手順2:必要書類の準備

金融機関への相談などを通じて、新たな借り換え先を決定したら、次に申込の為の必要書類を準備しましょう。申込者が準備する必要のある書類は、金融機関ごとにやや異なるものがありますが、一般的には以下のものが必要となります。

  • 本人確認書類
  • 所得確認書類
  • 物件確認書類
  • 返済中のローン関連書類

手順3:事前審査申込・事前審査

ローンを受ける為の審査は事前審査と本審査の2段階で構成されています。事前審査への申込では必要書類の提出と、借り換え先の金融機関にて用意される「事前審査申込書」への署名捺印が行われます。

申込の際の書類などを基に、金融機関が事前審査を実施します。申込者の年齢や返済負担率、担保評価、勤続年数、年収、健康状態などの指標が審査対象となります。

手順4:本審査申込・本審査

事前審査に通過した後は、本審査への申込の為にローン借入申込書への記入を行います。本審査では事前審査にて用意した書類に加えて、印鑑証明書、所得証明書、住民票などが新たに必要となります。

本審査では金融機関と保証会社間での審査となります。審査基準は事前審査の際よりも当然厳しくなるため、事前審査での承認を得ている場合であっても、本審査を通過できなかったという結果になる場合もあります。

手順5:現借入先への一括繰り上げ返済の申込

本審査を通過した後、現在借入中の金融機関へ一括繰り上げ返済の申込を行います。申込の際には、現借入先の窓口にて必要書類への署名捺印が必要となります。

手順6:新たな借り換え先との住宅ローンの契約

借り換え先の金融機関と新たな住宅ローンの契約を行います。一般的に、この契約を行う際に、これからの新たな住宅ローンを返済していく為の預金口座を作成します。

加えて、契約・預金口座の作成と司法書士に同席しておいてもらい、抵当権の移行手続きに必要な書類を司法書士へと預けます。

手順7:新たな借り換え先からの融資の実施

新たな住宅ローンが、住宅ローン契約時に作成した新たな預金口座へと融資されるようになります。

手順8:前借入先への一括繰り上げ返済

新たな住宅ローンの融資が行われると同時に、前借入先の金融機関の指定口座に以下の金額を送金します。

  • 全借入先の残債(残りの住宅ローン)を全額一括返済する為の資金
  • 先月の住宅ローン返済日から、一括繰り上げ返済を行うまでの間で日割り計算した支払利息
  • 一括繰り上げ返済に掛かる返済事務手数料

手続きは一括繰り上げ返済の申込時に済んでいるため、返済の為の送金が完了した時点で完済の手続きが行われます。

手順9:抵当権の移行手続き

旧金融機関にて設定されていた旧抵当権を抹消する為に必要となる書類を旧金融機関から受け取り司法書士へ提出します。

司法書士は、抹消の為の書類と、手順6にて提出した新たな抵当権の設定のための書類をもって旧抵当権の抹消と、新抵当権の設定を行います。

手順10:新たな借入先への返済開始

手順9まで無事に済みますと、新たな借入先への返済が開始されます。ここまでの手順は複雑で大変にも感じるかと思いますが、早め早めの準備をすれば落ち着いて手続きを進めていけるかと思います。検討の際にはぜひ事前のご確認を。

まとめ

この記事では「住宅ローンの借り換え」による効果がどのように生まれるのか、その大きさ、実際の借り換えの際の手順についてご説明してきましたがご理解頂けたでしょうか?

コロナによって生活が苦しくなってしまったという方もいるかと思いますが、別の捉え方をするならば、改めてご自身の家計を見直す機会をもたらしたとも言えるのではないかと思います。

住宅ローンは借りている金額が大きい分、返済までの期間が長い分、見直し・借り換えによって生まれる効果を無視するのはもったいないのではないかと思います。

この記事を通してご自身の住宅ローンとの付き合い方を改めて見直してみてもらえれば幸いです。

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