マンションの住み替え手順と上手に住み替えるための3つのポイント
マンションはセキュリティ面に優れ、共有施設や設備も充実しているため生活がしやすく幅広い年代の方から人気があります。
最近では、室内の段差がないフルフラットフロアの作りが主流になってきていることもあり、バリアフリーの視点から見ても安全で安心できる住まいとして選ばれています。
マンション購入後、時間の経過とともに家族が増え部屋数が必要になったり、老後を見据えてバリアフリー設計のマンションに移りたいなど、ライフスタイルの変化に合わせて住み替えを検討する方も多くいらっしゃいます。
この記事では、マンションを住み替えるための手順と上手に住み替えるための3つのポイントについてご紹介していきます。
マンションの住み替え手順
マンションの住み替えは頻繁に行うことが少ないため、具体的な手順についてのイメージが沸かない方がほとんどかと思います。
取引を進めていく際に把握しておきたい住み替えの流れと、マンションの売却、購入のどちらを先に行うべきかについてご説明します。
住み替えの流れ
マンションを住み替える場合は、現在の住まいの売却と新居の購入の2つの売買取引を行うことになります。
それぞれの取引の流れが以下のようになります。
家の売却の場合
- 不動産の査定
- 媒介契約
- 売却活動
- 売買契約
- 引き渡し
査定から引き渡しまでは通常6ヶ月程の期間が必要です。
家の購入の場合
- 物件探し
- 物件の内覧
- 購入契約
- ローン契約・支払い手続き
- 入居
希望物件がすぐに見つかれば早くて1ヶ月程で入居するケースもあるものの、平均的には6ヶ月程度をかけて新居を探す方が多いです。
買い先行とは
買い先行とは、物件の購入を売却よりも先に行うことです。買い先行は、時間を掛けて理想の新居を探すことができるというメリットがあります。
売却を先に行うと必然的に引き渡し日という期限ができてしまいます。短期間で希望の物件が見つかることは少なく、新居の購入を急ぐあまりに条件や価格を妥協してしまったり、期限までに新居が見つからなかった場合は仮の住まいも必要になります。
新居を先に決められる買い先行は、予算や立地、間取りなどをじっくり見定めながら妥協せず新居を探すことができ、引越しも1回で済むので安心して売却に取り組むことが可能です。
ただし、売却額を正確に把握することができない買い先行は、予定売却額よりも実際は安く売れてしまうことで多くの自己資金が必要になるケースもあるので注意が必要です。
売り先行とは
売り先行は、先に家の売却を行い、住み替えのための費用を準備して計画的に新居の購入が進められる方法です。
売却が決まり資金の目処が立っているので、売却額を元に物件を探すことができ、後になって多額の自己資金が必要になってしまうというような予想外の負担を回避することができます。
新居購入が遅くなってしまったり、希望の物件がなかなか見つからない場合は、入居までの期間に仮の住居が必要になることもあります。
止むを得ず仮の住居で生活する場合は、引越しを2度行わなければならないため、金銭的な負担軽減のためにも新居をいかにスムーズに見つけることができるかがポイントとなります。
おすすめは売り先行
買い先行と売り先行それぞれにメリット、デメリットがあるため、どちらを先に行えばいいのか悩んでしまうかと思います。
住み替えの場合では、物件が売れないということが最大のリスクとなるため、売り先行で取引を進めるのが賢明です。
購入を先に行うと、万が一物件が売れなかった場合に高額の二重ローンを抱えることにもなりかねません。
リスクを回避し安心して住み替えを行うためにも、確実な購入計画を立てることのできる売り先行で住み替えプランを立てるようにしましょう。
理想のマンション住み替え時期とは
賢くマンションを住み替えるためには、最適な時期を逃さないようにすることが重要です。
ここからは、理想的な住み替えの時期についてご紹介します。
築10年以内
一般的にマンションの価格は、築年数が経過するごとに年々下がり続け、築30年で建物の価格がゼロとなり、その後はほぼ土地価格で取引されることになります。
より高額で売却するためにはなるべく早い段階での売却が必要ですが、築10年までの物件は購入希望者が多く需要があり、更に大幅な修繕工事のための出費を避けることができる時期です。
マンションは、設備の維持と保全のために10年〜15年のサイクルで大型の修繕工事が行われ、工事の直前となる築10年の頃に修繕費が大幅に引き上げられるケースが多くあります。
更に、新築のマンションを購入していた場合は、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)により10年間は売主に修繕の義務がありますが、築10年以降は保証が終了するためその前に売却することで修繕のための出費を抑えることが可能です。
所有後5年以降
築年数が浅い物件ほど高額で取引きが行われるものの、購入後5年以内の住み替えは損益が発生する恐れがあるため、所有期間が5年を経過してから売却するようにしましょう。
マンションを売却する際に譲渡所得が生じると、住民税や所得税、復興特別所得税が発生し、税率は所有する期間によって異なり所有5年を境におおよそ倍額に変わります。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下)
税率:譲渡所得の39.63%
- 長期譲渡所得(所有期間5年超え)
税率:譲渡所得の20.315%
保有期間は、売却を行った年の1月1日現在で5年を超える所有物件なのかどうかで判断されるため、所有期間が5年前後の方は注意するようにしてください。
ライフスタイルの変化
経済的に損をすることが少ない築10年以内、所有後5年以降を念頭に住み替えを行うと有利に取引を進めることができますが、何よりもライフスタイルの変化に合わせて住み替えるというのがストレスなく快適に生活していく上でとても大切です。
子育てや転職、転勤、親や子どもとの同居や近居、老後に最適な住環境へ移りたいなど、長い人生ではさまざまなライフイベントが起こります。
住まいは毎日の生活の基盤となる場所であるため、必要なタイミングで希望の物件に住み替えることは精神的にも肉体的にも良い影響があり、結果として健康で安心した生活へと繋がります。
上手に住み替えるための3つのポイント
マンションの住み替えは、売却と購入の2つの取引が必要で、やるべき事柄が多く負担になることもあります。
なるべくスムーズに住み替えを完了させるために、上手に住み替えるための3つのポイントについてご紹介します。
マンション売買に強い不動産業者を選ぶ
マンションの住み替えをトラブルなく上手に行うためには、優良な不動産業者を選ぶことが非常に重要となります。
一概に不動産業者といっても得意な分野が異なることが多く、業者選びを失敗してしまうと住み替えの知識に乏しい業者にあたってしまったり、対応が遅く取引が長期に及んでしまうなどのトラブルが発生することがあります。
住み替えを成功させるために、マンション売買の経験や知識が豊富かどうかを事前に十分リサーチし、実績のある業者を選ぶようにしましょう。
住み替えは、売却と新居の購入が同時期に決まることが最も望ましいです。
売却と購入の2つの取引をマンション売買に強みを持った1社に一任することで、経験を元にした理想的な住み替えプランの提案やサポートを受けることができます。
適正な売却価格の設定
短期間になるべく高額で売却するためには、売却価格を適正な額に設定することが大切です。
売却を急ぐあまりに物件の価値よりも安い価格で売却をしてしまったり、価格が高額すぎて買い手が付かないようでは思うように住み替えはできません。
物件の適正な価格はいくらなのかを正確に把握するためにも、業者任せにはせず、周辺の相場や売り出し状況、同じマンションの別の部屋が売り出されているかなどの情報を積極的に集めておきましょう。
近隣の売り出し物件の特徴や価格帯を把握しておくと、買い手が購入したくなるような売却活動をすることができ、スムーズな住み替えへと繋がります。
売却の時期を見定める
不動産売却では売れやすい時期が存在するため、適切なタイミングで売却を開始することでスムーズに取引を完了させることができます。
中古マンションの購入希望者は、修繕箇所が少なくて済む築10年以内の物件を希望していることがほとんどです。
あと数年で築10年を迎えるというような場合は、築10年になる前に売却活動をスタートさせることで高額の売却益を見込める可能性があります。
また、毎年1月〜3月は新生活に向けてマンションの購入希望者が増加する時期です。
転勤や進学などのライフプランに合わせ、3月までには必ず引越しを完了させたいという強い意思を持って購入先を探している方が多いので、決断が早く出る可能性が高く、すぐに買い手が決まることもあります。
住み替えのピークとなる1月〜3月よりも前に余裕を持って売却活動を開始し、絶好のタイミングを逃さないようにしましょう。
まとめ
ここまで、マンションの住み替え手順と上手に住み替えるための3つのポイントについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
マンションの住み替えは、売却と購入の2つの取引を進めていかなければならず、平均的に半年程の時間が掛かることが予想されるため、計画的に住み替えに向けた準備をしていくことが大切です。
マンション売買に強い不動産業者に依頼することで理想的な住み替えができる可能性が高まるので、業者選びには時間を掛け、適切なサポートが受けられる業者を選ぶようにしましょう。
是非、この記事を参考に住み替えを成功させ、より快適な住まいで安心できる豊かな毎日を送ってください。