リースバックが不動産投資対象として魅力的である理由とトラブル実例

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リースバックは、近年注目を集めている不動産を売却する方法のひとつで、売りに出された不動産を不動産会社や個人投資家が買取り、売主はそのまま賃貸としてリース料を支払いながら住み続けるサービスのことです。

なぜ今リースバックが注目されているのかというと、年金問題や貯蓄不足などの老後資金の不足や病気や怪我などの突発的な資金需要、そもそも無謀な住宅購入によって住宅ローンの返済が困難になったなどの背景があります。

まだ一般的にはあまり浸透していないリースバックですが、売主と投資家の両方にメリットがある魅力的な方法です。

ただ、不動産投資は魅力のある投資方法ですが、とても高額なため本当に投資するべきかどうかをしっかりと考えてから行う必要があります。

そこで本記事では、不動産投資としてのリースバックの魅力と欠点、トラブルの実例をご紹介します。

不動産投資としてのリースバックの魅力

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リースバックは、さまざまな理由で不動産を手放さなくてはいけなくなってしまった方に多くのメリットがある不動産売却方法ですが、もちろん売却する側だけでなく、購入して貸し出す側にも魅力ある方法です。

では、買主の視点から見たリースバックの魅力をご紹介していきます。

競争率が低い

近年は不動産投資ブームといわれることもあり、すでに不動産投資市場には多くの投資家で溢れかえっています。

しかし、リースバックはプロの不動産業者でもいまだに未参入という会社も多いため、競争率の低さという点で魅力を見出すことができる投資ということになります

今はまだめずらしい不動産取引形態という印象が強いリースバックですが、数年のうちにはメジャーな売却法として社会に浸透している可能性が高いですから、今のうちにノウハウを理解しておいて損はないでしょう。

利回りが良い

最近では、利回りの良い物件などはほとんど見かけることがないというのが不動産投資の実情です。

その点、リースバックは売主との交渉次第では、世の中に流通している物件以上の利回りを確保することもできます。

リースバック物件の売却価格は、市場の相場と比べると2~3割程度下がる傾向にあり、リース料は売却価格に期待利回りを乗せて設定します。

このときの期待利回りの相場は6~13%程度が目安になりますので、市場価格よりも安く仕入れることができるうえ、周辺の相場よりも高い利回りを期待できるのです

ちなみに期待利回りは、物件のリスクによって変動します。例えば新しい入居者を見つけやすい都市部や築年数の浅い物件などはリスクが少ないと判断され、期待利回りが低くても問題がないとされていますが、入居者が決まりにくい地方にある物件や築年数の経っている物件などは、期待利回りが高くなる傾向にあります。

しかし、リースバック物件は家賃の設定をする際、周辺の家賃相場は考慮されません。理由は、家賃は売却価格と期待利回りを基本として設定されているため、入居者を確保する目的で周辺の家賃相場を参考にする必要がないからです。

リースバックの場合、売主はもともとその物件の持ち主ということですので、自宅をしっかりと管理しながら生活しようとします。

通常の不動産物件の運営で必要になるクリーニング代や管理費、修繕費などが発生せず、そういった費用は全て売主が負担することになります。

そういった面でも表面利回りと実質利回りの差が非常に小さいので、リースバック物件の収益性は非常に高くなっています。

インカムゲインを期待できる

リースバック契約を結んでいる物件を運営するメリットはインカムゲインを期待できることです。

インカムゲインとは、資産運用をする際にある資産を保有することで安定的、継続的に受け取ることのできる現金収入のことです。リースバックなどの不動産投資の場合は家賃収入がそれに当たります。

しかも、リースバック契約を交わした物件は、退去が発生しにくいのも特徴のひとつです。そのため、リースバックでは安定したインカムゲインを得ることができます。リースバックを利用して自宅を売却した方は、基本的には今住んでいる家から退去することを考えていません。

むしろ、経済的な問題が解決すれば、すぐにでも家を買い戻したいと思っている可能性さえあるのです。

入居者の募集が不要

当たり前のことですが、リースバックの場合、売主がそのまま賃貸契約をして住み続けるので、入居者の募集をする必要がありません

さらに、管理会社への広告料やリフォームの費用もかからないため余分な費用をかけずに済みます。

投資資金を回収することが可能

リースバック物件は、万が一リース料の滞納が発生して契約を継続することができなくなってしまった場合、その不動産を売却して投資資金を回収することが可能ですが、そもそも市場価格よりも安い価格で物件を購入しているため、売り出し価格を下げても利益を得やすくなっているのが特徴です

そのため、一定の期間は賃貸としてインカムゲインを得て、その後は市場価格で売却してキャピタルゲイン、つまり売却益を狙うことができます。

不動産投資としてのリースバックの欠点

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リースバックは魅力ある不動産投資です。しかし、売主との契約内容によっては当然投資家にも不都合が出ることもあります。

では、具体的にはどのような欠点があるのでしょうか?

最初の借主を選ぶことができない

リースバックで不動産投資をする際は、一般的に下記のような流れで契約を行います。

リースバックの流れ

  1. 物件の査定を行う
  2. 査定額で納得したら売買契約を結ぶ
  3. 売買契約後に賃貸借契約を結ぶ

リースバックではもともとの居住者である売主がそのまま継続してその物件に住むことになるため、こちらが最初の借主を選ぶことはできません。

そのため、リースバックでの不動産投資をするときは、元の売主と面談をしてどんな人物なのかを把握してから取引をすることをおすすめします

その際は、売主側の経済状況と収入を立て直す見込みなどはしっかりと確認しておきましょう。もしも収入を立て直すことが難しそうな場合には、売却時に一定以上の金額で売れることが見込める物件以外には投資しない方が良いでしょう。

買戻しに応じなければいけない

リースバック物件は、売主が買戻しを希望した場合、それに応じる必要があります。

基本的に売主による買戻しは、買主にとってメリットですが、長期間インカムゲインを得続けたい投資家の方にはあまり向いていないといえます。

逆に、短期間で売却したいという投資家の方には適した不動産投資だといえるでしょう

トラブルの実例

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リースバックは、一時的に生活や事業が苦しくなってしまった方も利用する不動産売却方法です。

もし新たな投資対象としてリースバックに興味のある方は、任意売却を積極的に手掛けている弁護士や司法書士、金融機関、付き合いのある不動産会社などにリースバック物件を紹介してくれるように頼んで物件獲得の可能性を広げておくことも重要です。

ただ、リースバックはまだあまり知られていない不動産売却方法のため、トラブル相談が増えていることも事実です。

ここでは、リースバックに関するトラブルの実例を紹介していきます。

買取価格にクレームをつけられることがある

リースバック物件は、売主を住ませなければならないこと、将来売主が買戻しを希望した際にはそれに応じなければならないといった制限がかかるので、買取価格を安くせざるをえません。

しかし、売主がリースバックの仕組みをよくわかっていない場合、市場価格ではもっと高かったはずだとクレームをつけられることがあります

家賃が高いと文句を言われることがある

一般的に、リースバックでの賃貸の家賃は相場よりも高くなることが多いです。そのため、売主にとっては思ったよりも家賃の負担が重くなってしまうので、家賃が高いと文句を言われることがあります。

しかし、投資家としては、高い利回り(家賃)を設定せざるをえないのがリースバックです。このようなトラブルを避けるためには、契約をする際に売主との面談にてしっかりとリースバックについて理解しているかどうかを見極めることが大切です。

すぐに家賃の滞納が始まった

リースバックを利用する売主は、さまざまな理由で自宅などの不動産を手放さなければならなくなった方です。

スムーズに契約を完了したとしても、すぐに家賃を滞納し始めたり、だらしない賃借人の場合には、退去の際に原状回復費用が多めにかかってしまうことがあるほか、近隣の問題や管理状況、修繕状況などに思わぬ落とし穴があるかもしれません。

そのため、リースバック物件は潜在的にリスクを抱えている可能性があると言わざるをえないのです

まとめ

不動産投資としてのリースバックの魅力と欠点、トラブルの実例をご紹介しましたが参考になりましたでしょうか?

リースバックは不動産投資の収益物件の仕入れとしては高利回りの安定収益が狙えるうえ、売却時のキャピタルゲインまで狙うことができるためおすすめです。

利回りも高く空室の心配の少ないリースバックに対し、政府はガイドラインを作り市場をよりしっかりとしたものにする方針を打ち出しています。

ガイドラインによって、売主と買主が買取価格や家賃などの決め方についての共通の考え方を持てることや、契約書にわかりやすく示せることなどを促していくようです。

ガイドラインに基づいた取引が定着し、リースバック市場が安定してそのような物件を扱う業者が増えていくことは、不動産投資家にとってのチャンスが増えることと同義です。

不動産投資手法としての新たな選択肢になる可能性が高いリースバックに、今後も注目していきましょう。

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