セール&リースバックで機械を売却して資金を速達!その方法とは?
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みなさんはセール&リースバックをご存知ですか。
セール&リースバックとは、売却という意味の”セール”と、リース契約を結んで借りるという意味の”リースバック”を組み合わせて、売却と賃貸を同時に行うことができる方法のことです。略して「リースバック」と呼ばれています。
リースバックは、最近使われるようになったものの、まだ世の中には十分に浸透しておらず、詳しいことはよく知らないという方が多いのではないでしょうか。
あまり知識のないまま利用すると、さまざまなトラブルに巻き込まれることもあります。
そのため、リースバックで発生するメリット・デメリットや、リースバックにおける流れを把握した上で利用することをおすすめします。
また、リースバックは不動産だけではなく工場で使用する機械などもセール&リースバックできます。
そのようなことを踏まえて、今回は機械に関連したリースバックを行う上での以下について解説していきます。
- セール&リースバックとは
- リースバックが可能な機械
- 機械をリースバックする際の流れ
- リースバックを利用する上でのメリット・デメリット
それではセール&リースバックについて説明していきます。
セール&リースバックとは
![リースバック 機械](https://iemamoritai.com/wp-content/uploads/2021/11/image4-6.jpg)
リースバックでは、現在所有している固定資産を一旦リースバック業者(リース業者)に売り払い、その資産をリース契約で再度借りるという形を取ります。
リースバックの対象となる固定資産については次の項目で詳しく説明しますが、固定資産とは例えば車や不動産、設備などが挙げられます。
リースバックを利用することで、用途の制限がかからない資金が得られ、さらに売却した機械や設備を使い続けることが可能になります。
そのため、新しい資金調達方法としてリースバックという選択を取る企業や個人が増えているのです。
銀行から融資を得られない方や早急にまとまった金額の資金が必要な方には、セール&リースバックで資金を調達する方法が最適です。
リースバックが可能な固定資産
現在、リースバック業者によっては多くの固定資産がリースバック可能となっています。今回は大きく分けて以下の3点を紹介します。
主にリースバックする上では上記の3種類が代表的です。次の項目から詳細を説明していきます。
不動産
不動産には、例えば一戸建てや一棟マンション、区分マンション、一棟ビル、さらには区分事務所や区分店舗、工場などが挙げられます。ホテルなども含まれます。
有名なものとしては、ソニー会社が2012年に東京にある本社ビルをおよそ1,111億円で売却してリースバックを行ったという事例が存在しています。
輸送用機械
輸送用機械には、例えば車や航空機、飛行機や列車などが挙げられます。乗用車系としてはバイクも含まれます。
また、車をリースバックすることを「マイカーリースバック」と呼びます。マイカーリースバックが行われる理由としては主に以下の2点が挙げられます。
- 長い期間生活するための費用を考えると多額の売却代金になる車を売却したいが、大事なマイカーを手放したくない場合
- 結婚資金のために高値で売れる車を売却するが、リースバックしたあとに再度マイカーを買い戻したい場合
上記の点を意識している人はマイカーリースバックを行うのがよいと思います。
工場などで使用する機械
これらの機械には、ビジネスで使用する設備機器、情報・事務用機器、産業や工作、土木建設で使用する機械などが当たります。医療機器や輸送用機器なども挙げられます。
これらの機械や機器をリースバックする上ではどのような流れがあるのか、次で説明していきます。
機械のリースバックする際の流れ
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機械をリースバックする際の流れとしては以下の通りです。
- 機械設備に対応したリースバック業者に申し込む
- 業者に売主の希望の条件や所有している資産の状況、経営状況の情報を伝える
- 業者からリースバック可能かどうかの審査が行われる
- 業者側から条件の提示
- 賃貸契約を結ぶ
- 業者が買い取った金額を売主へ支払う
上記の手順が完了次第、売主は業者に毎月リース料を支払うことになります。
また、手順二つ目にある「業者に売主の希望の条件、所有している資産の状況、経営状況を伝える」というのは、例えば「いくらで売却したいのか?」という希望金額を提示したりします。
他には、リース期間の希望、売主の会社の経営状況なども伝えます。
その後で業者側からできるだけ売主の希望に沿った買取金額、リース料、リース期間の条件が提示されます。
ここで、提示された条件が気に入らない場合は賃貸契約を結ばないという選択を取ることも可能ですので、売主はよく考えた上でリースバック業者との契約を結びましょう。
機械のリースバックを利用する上でのメリット・デメリット
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ここでは機械のリースバックを行う際に発生するメリットとデメリットについて紹介します。
メリット
リースバック利用時のメリットとしては次の点が挙げられます。
- 資金の用途が自由
- 機械の売却とリース契約が同時に行われるため、すぐに使用が可能
- 管理コストの削減
- 買い戻しが可能
それでは、詳しく説明していきます。
資金の用途が自由
契約完了後、売却代金は現金で受け取ることができます。賃貸は行うものの、売却代金自体に返済の義務はありません。
また、手に入れた資金の使途が制限されることもないため、自由に使用することが可能です。
機械の売却とリース契約が同時に行われるため、すぐに使用が可能
売却したい機器については、提示された条件に従って売却を行い、その後すぐにリース契約を結ぶため、今までと同じように機器の継続使用ができます。
売却後はリースに切り替える手続きが行われますが、ほとんどの場合はその期間も継続使用が可能ですので心配はありません。
管理コストの削減
従来固定資産所有に際して負担しなければならなかった事務処理費用(税金・保険料、機械処分)や減価償却費などが不要になるため、管理コストの削減につながります。
買い戻しが可能
十分なお金が入り次第、売却した機器は再度買い戻しをすることができます。それによって所有権を取り戻すことができるのです。
同じものを再度購入できるチャンスがあることもリースバックの魅力の一つです。
デメリット
それでは次に、リースバック利用時に発生するデメリットについて紹介します。
デメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 売却額が相場よりも安い
- 売却商品の状態によってはリースバックが不可能
- 中途解約が不可能
- リース料の滞納による資産の引き上げ
それでは詳細を説明していきます。
売却金額が相場よりも安い
売却金額が相場よりも安い理由としては、買い手側が不利になる可能性が高いからです。
売主から買い取った資産は買主自身が利用できるわけではありません。
また、買い取った資産の貸先は買取時にすでに決まっています。つまり買取後に売主以外の第三者に貸すことができないということです。
そのような理由から、セール&リースバックを利用することで買い手にとっては通常の買い物よりも不利になることが多いため、売却金額を割安に設定するのです。
売却資産の状態によってはリースバックが不可能
基本的には抵当権が設定されている固定資産の売却はできません。
リースバックをしようと考えている所有資産に担保がついている可能性もあります。
資産を購入する際に銀行から融資を受けている場合は、それに対して抵当権がついている場合が多いです。その場合は、銀行に抵当権を外してもらわない限りには、売却が不可能となってしまうのです。
抵当権を解除して欲しい場合には、抵当権で設定された金額を銀行に返済する必要があります。
リースバック業者の審査を合格して初めてリースバックが利用可能となります。
中途解約が不可能
原則として中途解約は不可です。
中途解約する可能性があるならば、自身が契約を結ぼうとしているリース会社の「中途解約の可否」と「中途解約する際にかかる費用」を事前に調べておく必要があります。
リース料の滞納による資産の引き上げ
当然ですが、資産を売却した後はその所有権がリースバック業者に移ります。
そのため、リース料の支払いを滞納してしまうと、売却した資産は所有権のあるリースバック業者に取り上げられてしまうので注意しましょう。
まとめ
今回はセール&リースバックについての概要と、利用する際の流れ、そして利用時に発生するメリット・デメリットを紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
近年工場も増え、より作業の効率化が求められる時代となりました。
このように資産の売却によって資金の速達が実現しながら、物件や機器の使用が今まで通り使用可能なリースバックは、これからさらに注目される一つのサービス制度となるでしょう。
しかし、リースバックについてほとんど知識がない状態で契約を結ぶのはリスクがあります。
ご自身が契約される際には、提示された条件をしっかり把握し、自分の求める条件に近い業者と契約することが大切なので、複数のリースバック業者とご相談されることをおすすめします。