リースバックで収入を得るには?飲食店を一例に挙げてその方法を解説

リースバック 飲食店

「飲食店事業を始めたいけど、土地がまだ見つかっていない」という事業主、そして「空いた土地があるけれど使用目的がない」という土地所有者。

これらの立場にある双方が出会えば、需要と供給の一致によって事業を開始できます。

つまり、地主がリースバック方式によって借主に土地を貸し出すことで、飲食店関係の事業の運営を考えている借主を助けることができる可能性があるということです。

その方法について、先ほど例にあげたような「地主」と「事業主」をつなぐ役割をしているのが店舗流通ネットなどの会社で、このような会社がリースバックと呼ばれる制度を利用して地主と事業主間での取引を実現します。

そこで今回は、利用用途のない土地を所有している地主視点から、土地を借りて飲食店を営業しようと考えている借主に、リースバック方式によって土地を貸し出す方法をご紹介していきます。

加えて、リースバックと似た方法として存在する「事業用定期借地権」との対比を用いて、リースバックの契約内容についての解説もしていきます。

リースバックについて

リースバック 飲食店

土地所有者がリースバック方式によって事業主などの第三者に土地を貸し出す場合、「自分の土地を第三者に賃貸物件として受け渡し、その賃料を受け取る」という流れが一般的です。

また、飲食店など店舗をリースバック方式で取引する際の契約期間は、およそ15〜20年程度とされています。

リースバックを利用する地主側の簡単なメリットとしては、「空いた土地を有効に活用でき、なおかつ利益が手に入る」こと、借主側の簡単なメリットとしては、「利用目的に応じて土地を借りることができる」という点にあります。

この制度を利用する上でのメリット・デメリットについては、土地所有者に焦点を当てて次の項目から説明していきます。

地主がリースバックを行うメリット・デメリット

リースバック 飲食店

ここでは、地主が土地の貸し出しのためにリースバック方式を利用する場合、どのようなメリット・デメリットが発生するのかをご紹介していきます。

メリット

メリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 初期費用を抑えることができる
  • 収益性が高い

上記の点について簡単に説明していきます。

初期費用を抑えることができる

「テナントに土地を貸し出したいと考えていても、建物の建設費用がない」という心配を抱えている土地所有者でも、リースバックは安心してご利用いただけます。

なぜなら、テナントから建物の建設費用が無利息もしくは低金利で貸してもらうことができるからです。この費用のことを「建設協力金」といいます。

そのため、初期段階で借主に支払える資金がない土地所有者でも、リースバックを利用して貸し出すことで、初期費用の負担を抑えることができるのです。

収益性が高い

土地を貸し出す相手が飲食店などの店舗経営者の場合、立地場所によっては売り上げが大きくなることが予想できます。例えば大通りでの土地貸し出しなどのケースです。

複数の店舗が集まっているような商業施設が貸出先となる際には、年間千万単位の収入が入る可能性もあります。

デメリット

リースバックを利用することで発生するデメリットには以下のようなものがあります。

  • 契約終了時に建物付きで土地が返される
  • 賃料の減額を求められる可能性がある
  • 固定資産税を負担する

契約終了時に建物付きで土地が返される

リースバック方式によって土地を貸し出した場合は、契約初期にテナントから建設協力金を貸してもらい、それ以降は貸した土地に対する賃料分からその建設協力金を引いた差額を借主から受け取ります。

結果的に建設協力金は土地所有者が支払ったということになりますので、建物の所有者は「貸主」ということになり、リースバック契約が終了した際に返却される土地に加えて、建設した建物も一緒についてくることになります。

そうなると、後ほど説明する「事業用定期借用地」の制度とは異なり、返却される土地が更地でない分、その土地の使用用途が限られてしまいます。

そのため、地主側が返ってきた土地をまた更地に戻したいという希望を持っていた場合には、その建物を壊すための時間と費用が必要になってくるということです。

賃料の減額を求められる可能性がある

土地を借りているテナント側もビジネスの一環としてお店を経営することになりますので、その儲け次第では毎月の賃料を支払うことが難しくなることもあります。

そうなると、借主側から賃料の減額を求められる可能性もあるのです。

そのような要請を避けるためにも、地主側は「自分の土地にその建物を建てて儲かることができるのか」という点を意識して土地活用を考えるのがよいと思います。

固定資産税を負担する

先ほどにも記述した通り、建設金を支払って建物を所有している以上、建物に対する固定資産税は「貸主」が支払うことになります。土地に対する固定資産税も支払います。

逆に借主側の視点からすると、賃貸物件として建物を借りている立場から固定資産税の支払いは必要ないということになりますので、この点はメリットであるといえます。

事業用定期借地権とリースバックの違いとは?

リースバック 飲食店

リースバックと似た方式として挙げられるのが、「事業用定期借地権」です。

この事業用定期借地とリースバックの違いは何でしょうか。違いを見ていきましょう。

事業用定期借地権について

ここではまず、「事業用定期借地権」がリースバック方式と比較してどのようなものであるのかを説明していきたいと思います。

事業用定期借地権は、一言で言うと、貸主が借主に土地を貸し出すだけの土地活用方法の手段ということになります。

リースバックとの違いについて

事業用定期借地権は、リースバックとどのように異なるのでしょうか。

以下の項目に着目して説明していきます。

  • 契約内容
  • 建物の名義人
  • 契約終了後の流れ
  • 固定資産税の支払い

契約内容

事業用定期借地権を説明する前に、比較対象であるリースバックについてもう一度確認しておきます。

リースバックは建物の建設費用をテナントに払ってもらい、貸主であるオーナーが建物を建設します。

建設が完了した建物の所有者が「貸主」であることに変わりはないのですが、テナントに貸与式の建設金を支払ってもらった代わりに、貸主はその建物を使用することはなく、テナントへ契約期間に従って貸し出すことになります。

それ以降の営業などもテナントに任せます。

それに対し事業用定期借地権は、一言で言うと、土地を貸し出すだけの土地活用方法の手段ということになります。

つまり、事業用定期借地権を利用して土地を受け取った場合は、テナントが貸主に建物の建設費用を払うわけではなく、貸主に土地代のみを支払うことで土地を貸借するということになります。

建物の名義人

事業用定期借地権を利用した場合は、貸主は土地を貸し出すだけなので、建物は借主が建てることになります。

そのため、土地の名義が貸主である点はリースバックを利用した場合と同じですが、土地の上にある建物自体の名義は借主になります。

そのため、事業用定期借地権の契約が切れてしまったときには、借主の所有物である土地上の建物を壊して、借りた土地を更地の状態で貸主に返す必要があるのです。

契約終了後の流れ

事業用定期借地権の契約が切れてしまったときには、建物の名義人が借主であることから、借主の所有物である土地上の建物を壊して、借りた土地を更地の状態で貸主に返す必要があります。

それに対してリースバック方式を利用した場合は、土地の上に建物が残った状態で貸主に土地が返却されます。

注意する点として、リースバック利用時の建設費用はテナントに支払ってもらいますが、それは給付式の費用ではなく、貸与式の費用です。

そのため、建設費用は貸主が借主に返済する必要があります。

結果的に貸主が支払った費用ということになるので、契約初期から満了までの期間、その建物の所有権が「貸主」から変わることはありません。

固定資産税の支払い

上記で説明した通り、リースバックを使用した土地活用方法では、土地の所有者も、土地の上にある建物の所有者も「貸主」であるため、貸主が土地と建物の両方の固定資産税の支払いを行う必要があります。

それに対し、事業用定期借地権の場合は、貸主が所有しているのは土地だけですので、土地分の固定資産税の支払いのみとなります。建物の固定資産税は「借主」が支払います。

まとめ

今回は、飲食店などの経営者にリースバック方式を用いて土地を貸し出す方法についてご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。

広大な土地を持っているのに特別な使用目的のない地主であれば、この方法を利用した土地活用方法は、土地所有者に収入が入るという側面からも大変有効な手段だと思います。

また、飲食店などの店舗を運営したいと考えている事業主に対し、借主がリースバック方式で店舗用の土地を借りることができるという点から、借主にもメリットが生み出されている状況であることがわかります。

しかし、借主側は店舗の経営状況次第により毎月の賃料に悩まされたりすることもあり得ますし、貸主は固定資産税の支払いなどの負担もあることを考えると、双方にデメリットが生まれる可能性も十分にあります。

今回紹介したリースバックのメリットとデメリットをしっかり把握し、さらに事業用定期借地権との比較を行った上で自分の条件にあった土地活用方法を利用するようにしましょう。

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