リースバックとは?5つの問題点について解説

リースバック 問題点

自宅に住み続けながらまとまった資金調達をすることができるリースバックは多くのメリットがあります。しかし、リースバックには問題点もあり、トラブルなどに巻き込まれることもあります。そこで、今回はリースバックの問題点に注目して解説していきます!

リースバックとは

リースバック 問題点

リースバックとは、住んでいる自宅をリースバック運営会社に売却し、まとまった資金を調達しながら賃貸として自宅に住み続けることができる手段のことをいいます。資産の売却をすることから「セルアンドリースバック(sell&leaseback)」とも呼ばれます。

自宅を離れたくない・まとまった資金を手に入れたいという方に人気の契約方法です。

リースバックの仕組み

リースバックは複雑なイメージを持たれるかもしれませんが、仕組みは下記となります。

  1. 依頼者が不動産会社とリースバック契約を結ぶ
  2. 不動産会社から売買代金の受取
  3. 賃貸契約
  4. 自宅に住み続ける
  5. 家賃の支払

このような流れになります。

契約内容によっては将来的に買戻しも可能なので、一時的な資金難や業績悪化になってしまった人の救済策としてもリースバックは適しています。

リースバックの知っておきたい5つの問題点!

リースバック 問題点

コロナ禍で需要が上がっているリースバックですが、実はさまざまな問題点があります。ここからは見落としやすいリースバックの問題点を5つ説明します!

  • 売却価格が相場より低くなってしまう可能性が高い
  • 損をすることがある
  • 審査がある
  • 所有権がなくなる
  • 賃貸期間に制限がかかることがある

売却価格が相場より低くなってしまう可能性が高い

リースバックで素早く資金が手元に入るといっても、ネット媒体や一括査定などで分かる販売価格とは異なるため想像していた相場価格よりも安いといったことがあります。

相場価格よりも安くなる理由としては、通常の不動産売却であれば買い手は物件を制約なく自分のものにできますが、リースバックだと買い手にとってみれば制約だらけの購入になります。ですからどうしても、一般的な不動産売却に比べ2〜3割ほど安くなってしまいます。

さらに、リースバックの家賃の金額設定は、家を売却した価格で変動しますので、自宅を高く売れば売るほど家賃が高くなってしまいます。しかし、売却価格によっては家賃を抑えることができます。

損をすることもある

リースバックを利用し家を売却すると、住宅ローンや維持費などがなくなるため大幅に負担を軽減またはゼロにすることができるかもしれませんが、そこに居住し続ける間は家賃を払い続けなければなりません。

一般的にリースバックでは契約時に買い戻し条件も、設定されます。売却時と同額で買い戻せる不動産会社は少なく、ほとんどの不動産会社では買戻しの場合、売却時の1.2倍~1.3倍ぐらいの買い戻し価格になります。

また、買い戻すことができない場合もあります。基本的に買い戻すことを想定してリースバックを利用します。

しかし、実際、買い戻すお金が足りない、家賃が高かったため違う家に住むことになったなど問題があり買い戻しが出来なくなる場合もあります。そのような場合は、リースバックのメリットが少なくなってしまいます。

審査がある

リースバックは金融機関とは違い不動産を担保に融資をするわけではないので、金融機関の審査とは異なります。なので、金融機関で審査が落ちてしまっても条件が合えばリースバックを利用することができます。

買い取りする不動産会社からするとリースバックで万が一、利用者が買い戻しをしないとなった時、新たな買い手が見つかりやすい物件でないと買い取りをするメリットが低くなります。そのため、立地や物件の状態などが重要な審査項目となってきます。

特に地方の地域だったり、建物が古く修繕が必要な物件の場合、買い手も買い取り手も見つかりにくくなります。そのため、リースバックする不動産会社にとって不利益が多い物件のため断られる可能性があります。

売却時に重要となるのが住宅ローンの残債です。住宅ローンの残債が売却したときの金額より高くないと審査は厳しくなります。その場合、差額分を現金で用意すれば、抵当権が抹消できることもあります。不動産会社によって変わってくるので調べてみてください。

所有権がなくなる

自宅をリースバックで売却すると所有権が買い取った不動産会社に移ります。そのため、環境の変化による価格の下落や、地震・津波・火災などの災害によって不動産の資産価値が減少する可能性はなくなります。

しかし、自宅をリノベーションやリフォームをしたいとなったとき買い取った不動産会社の許可が必要になります。

また、自分の持ち家ではなく賃貸として住むことになるため、自宅を担保に融資を受けることも、遺産として残すこともできなくなります。

普通の賃貸の場合は建物の修繕は貸している側の負担になりますが、リースバックを利用している場合原則として修繕の負担は自身となります。そのため、家が破損や経年劣化によるリフォーム費用も自己負担する必要があります。

しかし、建物には買い取った不動産会社が火災保険を掛けていることもあるため、災害などによる予期せぬ破損には負担してもらえることもあります。

賃貸期間に制限がかかることもある

リースバックを行う不動産会社によっては賃貸期間が決まっていることがあります。契約期間は不動産会社によって異なりますが、賃貸できる期間は2~5年が一般的です。

そのため、一般的な賃貸の契約更新と違い契約期間が満了によって契約が終了し、退去を求められることがあります。しかし、不動産会社とリースバック利用者の双方の合意があれば再契約をして住み続けることもできます。

契約期間を超えて住み続けたい場合は、定期借家契約ではなく、普通借家契約が可能な不動産会社を選ぶほうが安心です。

リースバックのトラブル例

リースバック 問題点

リースバックを行うことによってさまざまなトラブル事件が発生することがあります。

今回はこの6つの例を解説します。

  • 家賃の引き上げ
  • 相続人との認識違い
  • 諸費用の発生
  • リースバック業者の倒産
  • 物件を勝手に売却された
  • 見積もりに手間も労力もかかる

家賃の引き上げ

上記でも話したように賃貸契約は双方の合意によって契約を更新することができます。しかし、その際に家賃の引き上げを要求されることもあります。リースバックはもとから相場より高い家賃が設定されています。そこからさらに、引き上げられてしまうと払えなくなってしまい、引っ越しをしなくてはならない可能性もあります。

相続人との認識違い

リースバックのメリットとして周りに知られずに自宅を売却することが挙げられますが、自宅を相続する予定だった子どもや親戚とトラブルになることがあります。

リースバックの契約に相続人の同意は要りませんが、相続人である子どもや親戚が自宅の相続をあてにしていた場合、相続人である子や親戚に相談なしにリースバックを利用することは避けたほうが安心です。

諸費用の発生

リースバックも普通の不動産売却と同じものに分類されます。そのため、仲介手数料などの諸費用が発生することがあります

それと同時に賃貸契約となることで保証会社へ家賃保証の保証料、敷金が発生します。結果的に想像していたよりも費用がかかってしまい合計費用が高くなってしまうなどの問題も考えられます。

リースバック業者の倒産

自宅に住み続けることができるのがメリットのリースバックですが、それは不動産会社があってのことです。もし、買い取った不動産会社が倒産してしまった場合、その後はどうなるかわかりません。

契約期間が残っている場合は他の不動産会社に買い取られ住み続けることができますが、その後の契約は買い取った不動産会社との交渉になるため、以前とは違った契約条件になることもあります。そのため、信頼できる不動産会社でリースバックを利用することをおすすめします。

物件を勝手に売却された

買い戻す前提で契約したリースバックだった場合、基本的には物件を勝手に売却されることはありませんが、上記で言ったように買い取った不動産会社が倒産してしまった場合は賃借契約期間中に無断で第三者に売却されてしまうトラブルもあります。

買い取り価格だけでなく、実績や業績などを確認して不動産会社を選ぶことによって事前に不動産会社の問題によるトラブルを防げます。

見積もりに手間と労力がかかる

買い取りをしてくれる不動産会社を比較する上で「諸費用」「家賃」「買い取り価格」はとても重要になってきます。しかし、買い取り価格や家賃の比率を公開している不動産会社は少なく、実際に見積もりを出して、審査してもらわないと内情はわかりません。

いくつもの不動産会社で見積もりを出してもらうのには時間も労力も使います。しかし、ここでサボってしまうと悪質な不動産会社にあたってしまい損をしてしまうこともあります。

まとめ

今回はリースバックについての問題点と起こりやすいトラブルについてご紹介しましたがいかがでしたか?

リースバックには、自宅に住み続けながらまとまった資金調達ができることや住宅ローンなどをなくすことができるなどのメリットがあります。しかし、今回ご紹介したような問題点などもあることを知ってよく検討しリースバックを利用してみてください。

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