リースバックの会計処理とは?取引内容で異なる処理の条件と流れ
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長い人生ではいつ何が起こるかわからないこともあり、ゆとりをもった豊かな生活を送るためには十分な資金を確保しておくことが欠かせません。
リースバックは、資金の使い道に制限がないため活用しやすく、まとまった資金が必要なときに便利な資金調達法として多くの方から喜ばれているサービスです。
しかし、どのような金融取引として書類上処理されるのかということに関しては、ご存知ない方が多いのではないでしょうか。
取引の中での金融処理を把握しておくと、トラブルなく確実に契約を結ぶことができ、計画的に活用していくことができます。
この記事では、リースバックを行った際の会計処理の条件と流れについて、ご紹介していきます。
リースバックとは
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リースバックは、自宅などの不動産を売却して、買主である物件の新たなオーナーに家賃を支払うことでそのまま住み続けられるサービスです。
売却までの期間が短期間で済むことが多く、メリットも多数あるので、まとまった資金が必要になった方におすすめの資金調達法です。
どのようなメリットがあるのかをここからご紹介していきます。
リースバックのメリット
主なメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- 現金化までが早い
- 資金の使い道に制限がない
- 売却後も引っ越しの必要がなく、引越し費用などが要らない
- 将来的に買い戻すことも可能
- 売却したという情報を他人に知られることがない
物件の売却代金は一括で支払われ、資金の使い道に制限もないので、老後の生活資金や子どもの教育費としての活用、また事業資金としての利用など、まとまった資金が必要なときに有効な手段です。
物件の所有権はなくなるものの引越しの必要がなく、今までと同じ生活を送りながら資金の活用を行うことができるので、学校の転校や転勤、転職などの心配もありません。
不動産を売却することで資金を作り出す方法ですが、将来的に物件の買い戻しをすることもできるので、売却することに対して不安な場合でも安心して利用できます。
ローンの完済に充てたいというケースや、十分な生活資金を確保したいときなど、住み慣れた家を手放すことなく悩みを解決に導くことができます。
会計処理の必要性
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お金の流れを把握するために重要な会計処理ですが、リースバックの場合でも会計処理が必要となります。
まず、会計処理とはどのようなものなのか、必要性と併せてご説明していきます。
会計処理とは
会計処理は、資産の増減や利益、損失の発生などお金の出入りに動きがあったときに必要な手続きで、お金に関わる動きを帳簿に記載し、取引のデータをまとめて利害関係のある関係者に報告します。
利益や損失、資産などを正しく把握することは現状を見極めるのにとても大切で、それによって円滑な資金循環へと繋がります。
会計が記録された帳簿は、原則として原本の保管が法律で義務付けられており、お金の管理としてだけではなく、信用の管理としても重要な意味を持っています。
最終的には、会計処理によって1年間分の全ての仕訳が行われ、期末決算として税務署への税務申告に利用されます。
リースバックでは会計処理が必要
不動産リースバックは利益や損失、資産に変動が生じるため、契約を行った際には取引に対応する会計処理が求められます。
不動産リースバックは、リース期間が長期に渡ることが多く、手続きが複雑になることがほとんどです。
しかしながら、業者や個人の利益、資産に影響を及ぼすため正しく行うことが非常に重要です。
会計処理の判断基準
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リースバックでは、契約内容や対象資産によって、ファイナンスリースもしくはオペレーティングリースの2種類に分けられ、会計の処理に違いが生じます。
それぞれどのような取引なのかを判定基準とともにご説明します。
ファイナンスリース
契約の途中での解除ができない取引で、借主が対象物件からもたらされる利益を実質的に受け取ることができ、また物件を使用することで発生するコストの負担がある取引のことです。
長期的な契約が多く、契約途中での解除が不可能な契約で、不動産リースバックの場合はファイナンスリースと判断されることがほとんどとなります。
オペレーティングリース
ファイナンスリース以外の取引がオペレーティングリースとなり、短期間の契約が可能で合意があれば途中解約も可能な契約のことです。
主に、自動車や事務機器などが当てはまることが多いです。
ファイナンスリースとオペレーティングリースでは手続きが異なるため、正確な会計を行うには、まずご自分の取引を判別する必要があります。
会計処理の条件と流れ
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不動産リースバックでは、ほとんどの場合ファイナンスリースになることが多いです。
ファイナンスリースは、更に所有権移転か所有権移転外についても加味して手続きをしなければいけません。
ここからは、所有権移転、所有権移転外の各条件と会計処理の流れについてご紹介します。
所有権移転ファイナンスリースの条件
所有権移転と判断する条件が以下となり、3つの条件のうちいずれかに当てはまる場合は所有権移転ファイナンスリースと判断します。
- 譲渡条件付
不動産の所有権が移転する契約で、契約終了時など購入資金が用意できた場合に物件の再購入ができる取引
- 割安購入選択権付
契約期間中、もしくは契約期間後に借主が購入を希望すると予想が立つときに、名目価格もしくは市場価格での購入を認めているもの
- 特別仕様物件
借主の用途などによって特別な建築様式に造られていることで、契約が終了しても新たな借主が見つからないと想定され、元の借主のみの使用に限定されることが明らかなケース
所有権移転外ファイナンスリースの条件
物件の資産価値が高額で、借主に再度所有権が移ることを貸主が拒むことのできる取引のことで、条件が以下となります。
- 解約が不可能な物件のリース料(賃貸料)の現在価値 ≧ 見積もり現金購入価格の概ね90%
借主が現金で物件を購入すると想定したときの見積もり価格の90%以上に現在価値が及ぶもの
- 解約不可能なリース期間 ≧ 経済的耐用年数の概ね75%
経済的な耐用年数の75%以上にリース期間が及ぶもの
リースバックの計上方法
計上方法は、所有移転か所有移転外かで異なります。
所有権移転ファイナンスリースの計上
売却価格が明確な場合には売却額を計上し、明白でないときには、賃貸料の現在価値か見積現金購入価格のどちらかの低い価格の計上を行います。
リース資産は、保有の固定資産に対応する減価償却方法と同じ方法で経済的に使用できる期間を予想し、不動産の耐用年数と定めて減価償却します。
所有権移転外ファイナンスリースの計上
借主は、貸主が購入する価格か賃貸料の現在価値のどちらか低い方を貸借対照表にリース債務、リース資産として計上します。
リース資産は耐用年数を契約期間に定め、残存価額をゼロにして減価償却を行います。
減価償却方法は税法上認められたリース期間定額法に沿って手続きします。
リースバックの会計処理
リースバックは、不動産を売却してまとまった資金を確保しながらそのまま同じ物件に住み続けられるサービスです。
現在の会計基準では、保有する不動産などの資産を売却すると、対象物件の減価償却を利息として扱うことになります。
そのため、損益としての計上ではなく長期前受益もしくは、長期前払費用として繰り延べて計上されます。
ただし、物件の売却損失が物件市場価額の帳簿価額を下回ることによって生じたものであることが明確なときには、売却での損失として計上し売却損の繰り延べは行いません。
貸借対照表の仕分けは、貸主側がリース債務と固定資産を記入し、借主側が現金預金、長期前払費用もしくは長期前受収益、リース資産を記入します。
長期前払費用もしくは長期前受収益は、減価償却費に含め繰り延べて計上するため毎期ごとの計上が必要です。
まとめ
ここまで、リースバックを行ったときの会計処理の判断条件と流れについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
不動産リースバックの場合は、ファイナンスリースの場合がほとんどですが、ファイナンスリースとオペレーティングリースかによって計上方法が異なるので、契約を結ぶときには正しく判別を行ってください。
また、ファイナンスリースの場合は、所有権の移転に関しても確認することが間違いのない会計処理へと繋がります。
専門的な知識が必要になることもあるため、処理について迷ったときには会計士や税理士、不動産業者に相談するようにしましょう。
リースバックはメリットの多いとても便利な資金調達方法です。是非この記事を参考に会計処理についても理解を深めて確実な契約を結び、これからの新しいスタートに向けて邁進していってください。