リースバック手続きの必要書類【事前の準備でスムーズな手続きを!】
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不動産活用を通じて資金調達を実現できる”リースバック”。従来からビジネスシーンにおいて活用されてきた方法でしたが、モノに対する所有意識の変化によるシェアリング文化の普及によって、最近では一般個人の方にも広く活用されるようになってきました。
”売却によって資金を獲得するとともに、売却物を新たに賃借物として利用し続けられる”という点がリースバックの大きな特徴であると同時に、魅力でもあるかと思います。
そして、リースバックの手続きでは主に申し込み・売買契約・賃貸借契約を行う際に、特定の必要書類を用意することが求められます。
スムーズな手続きを進めるために事前に把握しておくことが役立つことはもちろん、各種の手続きの書類内容等に目を通す余裕を持てるようになると、メリット・デメリットを考慮した、より一層のリースバック活用に繋げることもできます。
そこで、今回の記事ではリースバックの概要にはじまり、リースバック手続きの各段階において用意すべき必要書類の内容詳細、各契約書類・契約内容等に目を通す際のポイントに関してご説明していきますので、ぜひ最後までご覧になってください。
リースバックとは
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リースバックとは不動産活用を通じた資金調達手段の一種であり、売買契約と賃貸借契約とを一連の手続きとして行う取引のことを表しています。
一般的な売却では売買契約を通じて、売却物の引渡しと売却資金の受け取りをもって完了しますが、買主との間で売却物に関する賃貸借契約も併せて締結することによって、手続き後は賃借物としての利用が実現されるようになります。
このようなリースバックには以下に示すようなメリット・デメリットがあります。
◆メリット
- 売却物を売却した後にも、賃借物としてこれまでと同様の利用ができる
- 売買契約の締結をもって現金化手続きの目処が立つため、借入等の資金調達手段よりも現金化までが迅速である
- 不動産の所有によって発生していたコストが家賃・リース料として一本化される
- 不動産を所有する際に抱えるリスク(価格変動リスク・損失リスク)を回避できる
- 売買契約に特約を設けることで将来的に買い戻しをすることも可能となる
◆デメリット
- リースバックを通じた売却額(買取額)は一般の売却相場よりも安くなる傾向にある
- リースバック手続き完了後の賃貸借の際の家賃(リース料)は一般相場よりも高い傾向にある
- リースバック手続き完了後の不動産利用においては、賃貸借としての利用範囲に限られる(リフォーム等の際には所有者の許可が必要となる)
- 賃貸借契約の内容次第では契約更新が行えないことがある
リースバック手続きの流れ
リースバックの概要・メリット・デメリットに関して確認した次に、後述する必要書類等の理解を深めやすくするために、リースバックではどのような手続きを進めていくのかを確認していきましょう。
リースバックの手続きは以下の流れで進んでいきます。
- リースバックを請け負っている不動産会社等への申し込み
- 買取先企業による売却予定不動産の買取査定価格の算出
- (査定額、契約書類の内容等に合意した場合)売買契約・賃貸借契約の締結
- 売却不動産の引渡し・売却代金の受け取り
- 賃貸借契約の契約内容に基づく賃貸借利用
それぞれに関して詳しく見ていきましょう。
リースバックを請け負っている不動産会社等への申し込み
まずはじめのステップとしては、リースバックを請け負っている不動産業者にリースバック手続きの申し込みをすることになります。
この申し込みの際に用意すべき必要書類に関しては後述していきますが、各業者によって売買契約における不動産の買取査定額や賃貸借利用の期間や家賃等、契約内容には違いが見られるかと思いますので、申し込みの前には複数の業者へ査定依頼などを行い、比較検討をしてもらえればと思います。
マイホームまもり隊では一括査定サービスも実施しており、複数業者への依頼に掛かる負担を軽減することができます。リースバックを実際に利用されたい場合には、ぜひ以下のページから一括査定を行ってみられてください。
買取先企業による売却予定不動産の買取査定価格の算出
専門業者より売却予定の不動産を買い取る際の査定額が提示されます。一括査定サービスも随分と普及しつつありますが、もし仮にご自身で複数社への依頼を行っている場合には、金銭面だけでなく、担当者さんの対応や企業の実績等、ご自身が信頼をおけるか否かもチェックなさってみて頂ければと思います。
そして、査定額が納得のいくものであった場合には売買契約・賃貸借契約へと進んでいきます。
(査定額、契約書類の内容等に合意した場合)売買契約・賃貸借契約の締結
買取業者からの査定額の提示の後、両者での合意が図れれば売買契約と賃貸借契約を締結する運びとなります。申し込み手続きの際と同様に、必要書類を用意する必要がありますので準備を進めていきましょう。
売却不動産の引渡し・売却代金の受け取り
売買契約の契約内容に基づいて、売却不動産の引渡しと売却代金の支払い(受け取り)が行われます。
賃貸借契約の契約内容に基づく賃貸借利用
売却不動産の引渡し等が完了した後には、新たに賃貸不動産として利用していくこととなります。賃貸借契約の契約条件に基づいた利用となりますので、退去などのトラブルに陥らないように、家賃支払いをきちんと行っていくようにしましょう。
リースバックの申し込み手続きに必要な書類
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リースバック手続きの進み方も分かったところで、実際に準備を進めるときを想定してどのような書類が必要となるのかを確認していきましょう。
リースバック手続きの最初のステップは”申し込み”から始まりますので、申し込みに必要となる書類から見ていきましょう。以下の書類が申し込み必要書類となります。
- 申し込みした方の本人確認証
- 売却予定不動産の詳細を示した確認書類
- 申し込みした方の収入に関する確認書類
- 申し込みした方の納税状況に関する確認書類
- ローン等の借入金残高(残債務)に関する確認書類
それぞれに関して詳しく見ていきましょう。
申し込みした方の本人確認証
リースバックの申し込みを行った方が売却予定不動産の所有者(名義人)であるかどうかを確かめるために用います。本人確認証としては運転免許証や、パスポート、マイナンバーカード等が該当します。
売却予定不動産の詳細を示した確認書類
売却予定不動産の詳細を示した書類としては以下のものが挙げられます。
- 不動産登記簿謄本
- 公図
- 測量図
- 建物図面
- 固定資産税の評価証明書
- 建築確認通知書
これらの書類はご自宅のある市役所や町役場、法務局を訪ねれば入手することができますので、窓口を訪ねてみてください。また、これらの書類の発行手数料として500円ほど掛かりますので、お金のご用意を忘れないようにもご注意ください。
申し込みした方の収入に関する確認書類
収入に関する確認書類としては源泉徴収票などが該当します。リースバックの申請者がお勤めの企業にて発行していただけるかと思いますので、経理担当の方などに伺ってみてください。
申し込みした方の納税状況に関する確認書類
固定資産税の納付書などが、納税状況を示す確認書類として利用することができます。これは不動産業者が売却予定不動産の買取金額を算出するために用いられます。
ローン等の借入金残高(残債務)に関する確認書類
リースバックを利用される方の背景は、人によってそれぞれですが、売却資金を獲得してこれを借入金等の残債務に充てようと考えられている方は一定数いらっしゃいます。
特に、住宅ローンが残っている場合には抵当権も設定されたままの状況となっており、売却予定不動産を売却した際の資金によって、住宅ローンを完済できるか(抵当権を抹消できるか)がリースバックを受ける際には重要な要素となります。
住宅ローンを完済しきれない場合には、自己資金による返済が必要になることはもちろん、これが難しい場合にはリースバックを断られることもあります。
ローン残高証明書や償還予定表などが確認書類として用いられます。
売買契約・賃貸借契約で必要となる書類
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申し込みが無事に完了し、実際にリースバックを進めることとなると、次に用意すべき書類は売買契約・賃貸借契約の際に必要となります。
実際のリースバック手続きでは、書類を用意することももちろん大切ですが、書類がどのような用途で使われるのか、契約書の契約内容としてどのようなことが記載されているのかも意識できるようにすれば、後にトラブルに発展してしまうなどのリスクを回避できるようにもなります。
売買契約
売買契約の際に必要となる書類には以下のものが挙げられます。
- 登記済権利証
- 身分証明書
- 印鑑証明書と実印
- 固定資産評価証明書
それぞれを詳しく確認していきましょう。
登記済権利証
これは売却予定不動産の所有者が誰であるのかを確認するために用いられる書類であり、不動産を購入した際に所有権取得の陶器が完了すると法務局から発行されます。
印鑑証明書と実印
売買契約を締結する際には実印を用いる必要があります。加えて、引渡しの際には登記書類に実印を押します。
この際に用いた印鑑が、間違いなく役所で印鑑登録したものであることを証明するために実印と併せて、印鑑証明書が必要となります。
固定資産評価証明書
ご自宅のある市役所・町役場が把握している不動産の評価額が記載された書類です。不動産の引渡しの際に移転登記を行いますが、この際に発生する登録免許税を算出するために不動産評価額が必要となります。
賃貸借契約
賃貸借契約の際に必要となる書類は以下のものが該当します。
- 借主(リースバック申込者)の住民票
- 借主の実印・印鑑証明書
- 借主の収入証明書
- 連帯保証人の住民票
- 連帯保証人の印鑑・印鑑証明書
申し込み・売買契約の際と類似した書類も多いので、この場では各書類の説明は割愛させていただきます。
契約の手順としては売買契約、賃貸借契約となりますが、これらを同時に行うこともあるかと思いますので、各ステップで必要となる書類は予めまとめて準備しておくことがスムーズな手続きを実現できるかと思います。
まとめ
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リースバック手続きで必要となる関係書類に関してご説明してきましたが、何が必要となるのか、ご理解いただけたでしょうか?
リースバックのメリットにて”現金化までの手続きが迅速である”とお伝えしましたが、ある程度の時間は要するものであり、リースバックを”競売回避”の目的で利用する場合には少しでも早い取り組みが重要となりますので、この記事をぜひご参考にしてもらえればと思います。
また、契約書に記載される内容がリースバック手続きの大部分を決定することとなりますので、以下の記事も参考にして手続きに関して更なる理解を深めていただければ嬉しく思います。
『リースバックの契約書の雛形はどんなもの?絶対確認するべきポイント』【マイホームまもり隊_公式】