リースバックで自己破産による不動産差し押さえの回避方法を徹底解説!

リースバック 自己破産

住宅ローン等をはじめとした各種の借金は、借りたお金である以上、必ず返済の義務が生じます。しかしながら、債務者のさまざまな事情によって返済が困難になるケースもあります。そして、借金返済の最終手段として”自己破産”手続きを選択なさる方もいらっしゃいます。

そして、破産した時点から一定以上の本人名義の財産は返済に充てるために差し押えられることとなります。この財産には住宅も対象として入っており、自己破産するとご自宅が差し押えられ競売に掛けられ、他の人へと売却されることとなります。

ご自宅が他の人の所有物となる、つまりは”家を失う”ということにもなり、新たな生活拠点を築かなければならない実生活上での不便が発生することはもちろん、社会的な効果も大きく、破産に関わる多くの人の名誉が傷つけられる可能性があります。

破産されたご本人はもちろんですが、奥さまやお子さまがいらっしゃる場合には、引っ越しによって新たな職場などを探したり、転校のための手続きを進めたりしないといけなくもなります。

このように、多くのものを失ってしまう”自己破産”ですが、”リースバック”を利用することで不動産(ご自宅)の差し押さえ・競売を回避することも可能となります。そこで、今回は自己破産の際にリースバックをどのように活用できるのかを詳しくご紹介していきたいと思います。ぜひ最後までご覧になってください。

自己破産とは

リースバック 自己破産

自己破産とは、ご自身が持っている財産や収入では借金を返済することができない場合に、裁判所から「支払うことが困難である」と認められたうえで、債務(借金)の返済を免除してもらう手続きのことを表しています。

自己破産手続きによって、各種の債務返済の義務から解放されることとなりますが、この際に債務の返済に充てることのできる資産(財産)を所有している場合には、裁判所によって金銭に変えられ債権者に分配されます。

社会的な影響が多大であるため、”自己破産を選択する”ことに良いイメージを抱く方は多くないのが現実かと思いますが、多重債務などから解放されるひとつの手段としては有効でもあるのです。

そして、自己破産では主に以下のメリットとデメリットがあるといわれています。今後の人生に関わる大きな選択となることに変わりありませんので、慎重かつ、十分なご検討を忘れないようになさってください。

◆メリット

  • 債務の返済義務が免除される
  • 債権者からの返済請求・督促がなくなる
  • 特定の財産に関しては差し押さえ対象に該当しない(※)ため、生活再建のチャンスも残っている
  • 裁判所からの「支払いが困難である」旨の認可があれば、誰でも申し立てができる

※差し押さえの対象とならない財産には、①99万円以下の現金(預貯金は含まない)、②20万円未満の預貯金、③ベッドや衣類等の生活必需品、の3つが破産法の第34条に規定されています。

◆デメリット

  • 信用情報機関が管理する個人信用情報に”事故”として記載される(通称、”ブラックリスト”に記載される)
  • ほとんどの財産が処分される
  • 自己破産によって就業・資格に制限を受ける職種がある
  • 自己破産手続きは本人のみの手続きであり、保証人等には継続して返済義務が残る
  • 手続きを進めるための弁護士や司法書士等への依頼料が発生する
  • 官報に住所・氏名が記載される

自己破産手続きの流れ

自己破産の概要・メリット・デメリットに関して確認したところで、次に自己破産ではどのような手続きを進めていくのかを確認しましょう。

主な手順は以下のようになります。

 

  • 弁護士・司法書士への相談、依頼
  • 自己破産と免責の申し立て手続き
  • 破産審尋(はさんしんじん)
  • 破産手続き開始決定
  • 免責審尋(めんせきしんじん)
  • 免責許可の決定
  • 官報への掲載

2.の自己破産・免責の申し立て手続きに関してですが、実際に自己破産をする場合には”破産”と”免責”の2つに関して申し立てを行う必要があります。”破産手続き”とは、財産を処分して換金するとともに、これを債権者へと返済するための手続き、”免責手続き”とは、そのような借金の返済責任を免除してもらう手続きのことを指しています。

3.と5.に登場する審尋(しんじん)という言葉は聞き慣れないものかと思いますが、裁判官が申し立てをした本人に直接話を伺い、申し立て内容に疑義がないかを問うことを指しています。破産審尋の場合には”申し立て人に本当に返済能力がないのか”が、免責審尋の場合には”破産手続きにおける財産隠しを行っていないか等の免責するに値するか”が問われます。

自己破産に対するリースバックの活用方法

リースバック 自己破産

自己破産の概要・メリット・デメリット、手続きを確認した次に、自己破産を選択する際にリースバックをどのように活用できるのかを確認しましょう。

リースバックとは、不動産取引における一種の取引形態であり、不動産の売買契約と賃貸借契約とが一連の手続きとして行われるものを表しています。

自己破産を選択した場合には、自宅は差し押さえ・競売に掛けられた後に他者の所有物となってしまいます。自宅が失われることとなるため、破産者はご自身で引っ越して頂くか、強制退去によって力ずくで追い出されます。

しかしながら、リースバックでは自宅の売却を行うと同時に、賃貸借契約を締結することでご自宅を賃貸不動産として継続して利用することを可能とします。この際の自宅売却による売却資金もまた債務返済に充てられることに変わりはありませんが、”生活拠点を失わずに済む”というのは生活再建を目指すうえでも大変重要なことなのではないかと思います。

自己破産の際には債務者・債権者がキーパーソンであり、同時に、売却された不動産を買い受ける不動産業者や個人投資家の方が登場します。リースバックがこの登場人物それぞれに関してどのようなメリット・デメリットがあるのかを確認しておきましょう。

債務者の視点で見るメリット・デメリット

債務者(リースバックを利用して自宅を売却しようとしている方)の立場からリースバックを考えた際のメリット・デメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

◆メリット

  • 引っ越す必要がないため、引っ越し先を探すための手間・費用等が掛からず、時間的・金銭的・精神的負担が軽くなる
  • 転居することがないため、生活拠点の変更による転職活動や転勤、お子さんがいらっしゃる場合には転校手続き等の負担が発生しない
  • 売却によって新たに賃貸不動産として利用することになるが、ご近所さん等に自宅が売却されたこと・自己破産手続きを行ったことなどが露見しにくい
  • 自己破産と組み合わせて利用することで、月々の出費(借金の返済・住宅費用等)が抑えられ(住宅費に関しては家賃として一本化され)、生活再建が図りやすい
  • 売買契約書への特約を設定することで、将来的なご自宅の買い戻しを選択することも可能となっている

◆デメリット

  • 買受人が見つからない場合・買受人との交渉決裂による協力が得られない場合(※)にはリースバックそのものが成立しない
  • 生活再建を図ろうとする意識は破産者(元・債務者)に依存するため、結局のところ、同じことを繰り返すきっかけを作ってしまうことになる可能性がある

※リースバック不動産を買い受ける不動産会社や不動産投資家などは、リースバックの賃貸借期間が満了した後には、また第三者へと売却し利益を確定しようとするケースもあります。そのような際には、売却された不動産(ご自宅)がどのような立地にあるのか、築何年であるのか等、次の購入者を見つけ出しやすくするために、予め一定の程度の基準を設けているためです。

債権者の視点で見るメリット・デメリット

次に、債権者(リースバックの売却手続きによって得られる売却資金を差し押さえ、債務返済に充てる者)の立場から見たリースバックのメリット・デメリットとしては以下のものが考えられます。

◆メリット

  • 強制競売によって担保不動産を売却するよりも高値での処分を期待できるため、債権の回収効率が良いことが多い
  • リースバック利用者は継続して不動産を利用することとなるため、担保不動産を明け渡させるための労力や費用が必要なくなる
  • リースバック手続きの売主・買主(借主・貸主)とが親子である、親子間売買を適用させた場合には、実質的にローンを支払い続けてもらうことが可能となる

◆デメリット

  • リースバック手続きを通じた売却予定不動産に関する、抵当権や担保を外すための協力が(リースバック利用者から)求められる
  • 買受人を説得させる等の協力を求められることがある

買受人の視点で見るメリット・デメリット

最後に、リースバック手続きで大きく関わることとなる買受人(リースバックで売却される不動産を実際に購入する人)の視点からメリット・デメリットを確認してみましょう。

◆メリット

  • 第一入居者は元・所有者と決まっているため、購入した後の転売先や賃借人を見つける負担が発生しない
  • 賃貸借することで不動産運用が確実に実現される
  • 第一入居者に関しては賃借人を見つけ出す必要がなく、不動産運用をするまでのタイムラグが起こらない(空室期間が発生しない)

◆デメリット

  • 賃貸借させることが前提であるため、購入者自身が利用することはできない
  • 破産者からの購入の場合には、リースバック手続き後の賃貸借利用期間において賃料を滞納される可能性が大きい
  • 不動産を実際に所有することとなるため、所有によるコスト(修繕費等)やリスク(価格変動リスク・自然災害等による損失リスク)を抱えることになる

まとめ

ここまで、自己破産と、自己破産時のリースバック活用に関してご説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?

借金返済における最終手段として自己破産があることは事実ですが、その後の人生に大きな影響を与えるのは間違いありません。特に、ご自宅を差し押さえられ、競売に掛けられるとなると、生活拠点を失うこととなるため、生活再建の目処を立てることさえ困難になります。

このような観点から考えるとリースバックは(一定の財産が差し押さえられるにしても)これまで生活し続けてきた拠点を引き続き利用することができるため、生活再建への希望を持ちやすいのではないでしょうか?

今回の記事では、自己破産手続きにおける債務者・債権者、リースバック手続きの不動産の買受人のメリット・デメリットの観点からリースバックの有効性をご説明しましたが、自己破産手続きと同様にリースバックでも一定の手続きを行う必要があります。

以下の記事では、リースバック手続きで必要となる各種書類の詳細や、リースバック物件として買受が成立しやすい条件の詳細に関してご説明していますので、お時間の許す際にはぜひそちらもご覧になってみてください。

『リースバックの契約書のひな形はどんなもの?絶対確認するべきポイント』【マイホームまもり隊_公式】

『リースバックを受けやすい条件とは?【手続き上の注意点も抑えよう】』【マイホームまもり隊_公式】

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