リースバックの注意点とは?契約前に確認すべきポイントを詳しく紹介
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「住宅ローンの返済が厳しい」「セカンドライフの備えをしたい」「子供の進学資金で困っている」など、まとまった資金を調達したい時に、近年、注目されているのが「リースバック」。
リースバックは、不動産を利用した現金調達方法で、今住んでいる家に住み続けながらも現金を調達できることから、メリット要素が多くあるように見えますが、注意点を把握しておかないとリスクを負ってしまうことがあります。
この記事では、リースバックのおさえておきたい5つの注意点を中心に、基本情報やメリットを含めてご紹介していきます。
リースバックとは
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リースバック(セール アンド リースバック)とは、持ち家などの不動産を売却し現金を調達しつつ、家賃を支払うことで今までと同じ家(不動産)に住み続けることができる不動産取引の一つです。
現金一括で支払われるため、住宅ローンを支払えない場合やまとまったお金が必要な時の現金調達方法として活用することができます。
リースバックのメリット
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リースバックのメリットは、下記になります。
- 現金化までのスピードが早い
- 固定資産税などの支払いがなくなる
- 引っ越しをしなくていい
- 将来買い戻すことができる
- 年金やアルバイト・パート収入でも契約できる
それぞれのメリットの詳細を確認していきましょう。
現金化までのスピードが早い
一般的な売却は買主を探すことから始めますが、リースバックは専門会社や金融機関に売却をするため、よりスピーディーに現金を調達することができます。
調達した現金の利用目的に制限はないので、急な病気や事故による多額の医療費負担、お子様の進学資金、退職後の年金生活への備えなど、幅広く活用することができます。
固定資産税などの支払いがなくなる
持ち家などの不動産を売却することで、所有権が買主である売却先に移ります。そのため、固定資産税や火災・地震保険などの支払いがなくなります。
また、もしも地震や台風直撃などの災害によるトラブルが発生した場合も、修繕費の負担がなくなるケースがあり、災害トラブルでの多額の出費を抑えることができます。
引っ越しをしなくていい
リースバックでは売却後、家賃借契約を締結するので、家賃を支払えば今まで住んでいた家に住み続けることができます。
引っ越しの手間や資金がかからず、また、お子様がまだ学校に通われている場合は、学区に変更が出ないため、転校をせずに今まで通り登校することができます。
そして、売却したことが周囲にバレないのもメリットといえるでしょう。
買主が決まっていなかったり、競売にかけられる場合は物件情報を公開しなければなりませんが、リースバックはすでに買主が決まっているため、物件情報が公開されません。そのため、売却理由を詮索されずに、今まで通りの生活を送ることができます。
将来買い戻すことができる
一度住宅ローンを返済するために売却をしたとしても、大きな収入を得たり、資金の目処が立てばリースバックをした不動産を買い戻すことができる場合があります。リースバック契約時に「再売買予約権」をつけて契約することが重要です。
年金やアルバイト・パート収入でも契約できる
リースバックでは、家賃を支払い続けられるかどうかがポイントとなってくるので、正社員でなくても契約することができます。
リースバックの注意すべき5つのポイント
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ここまでリースバックのメリットについて説明しましたが、リースバックには気をつけておかないと今後の生活に負担となってしまうリスクがあるので、事前に理解をしておく必要があります。
注意すべきポイントは下記の5点で、しっかりおさえてリスクを回避していきましょう。
- 毎月家賃が発生する
- 売却価格が相場よりも安い
- 所有権がなくなる
- 住宅ローンの残債が売却価格より高いと契約ができない
- 買い戻す金額が売却価格より高くなる
それでは、詳しく説明していきます。
毎月家賃が発生する
不動産を売却後、「賃貸借契約」を結ぶため、毎月家賃を支払うことになります。
この家賃は、売却価格に応じて変化するので、相場よりも高くなる可能性があります。
築年数や立地などの、一般的な家賃設定に関わる条件はあまり加味されず、売却先の利回りが重視されるので、売却価格の10%前後を年間で支払うことになります。
家賃は毎月の出費の中でも多くを占める部分になるので、毎月の支払いが大きな負担になったり、負担額が大きいと将来的に支払いができなくなることがあります。
売却する前よりも毎月の負担額が増えてしまう場合も考えられるので、どちらの方が得であるかを見極めましょう。
売却価格が相場よりも安い
売却価格は、リースバック期間終了後、売却するためにかかる費用などを見越して設定されるので、相場の60%〜90%になる場合が多いです。
自分で売却先を見つけたほうが高値が付きやすいのですが、売却後に引っ越しをする手間や引っ越し費用がかかったり、売却先がなかなか見つからないこともあります。
売却価格は相場よりも低いですが、リースバックでは自分で行う手間が省け、現金がすぐ手に入るというメリットがあります。
所有権がなくなる
リースバックをすると、所有権が売却先に移ります。
そのため、親族などへ相続する権利がなくなります。リースバックを行う際は、予め相続人に対して承諾を得なければならない場合もあるので注意しましょう。
ただし、相続人が多く不動産しか相続するものがない場合、リースバックをあらかじめ行い、不動産を現金化し分配することで、相続トラブルを防ぐ方法もあります。
また、所有権がなくなることで、自由にリフォームをすることやペットを飼うことができなくなり、売却先に承諾が必要となるケースがあります。特にペットを今後飼いたい予定がある場合は、契約時に事前の確認を行いましょう。
住宅ローンの残債が売却価格より高いと契約できない
住宅ローンが残っている場合、残債が売却価格を上回るオーバーローンだと抵当権を抹消できず、リースバックを利用することができません。
基本的にはオーバーローンであると、金融機関などの債権者がすべてのローン残債の回収ができなくなる可能性が高いので、リースバックを認めてくれません。
ただし、任意売却を行えばリースバックができる可能性があり、今まで通り同じ家で生活をすることができます。
リースバックを行っている会社の中でも、任意売却を行わない会社もあるので、もしもオーバーローンである場合は、売却先を選ぶ際に任意売却を行ってくれるか、事前に確認をしましょう。
買い戻す金額が売却価格より高くなる
買い戻す際は、諸経費や売却先の会社への利益などが含まれるため、売却時の110%〜130%の価格になる事が多いです。
「再売買予約権」を契約時につけていなかったり、つけていてもリースバック期間中に家賃を滞納してしまうと、買い戻せないケースがあるので注意が必要です。
また、買い戻す時の価格や時期は、契約時に事前に相談し決めておくことができる場合があるので、買い戻す意思がある場合は売却時に早めに相談することが大切です。
契約前に確認するべきポイント
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契約を行う際に、特に注意して確認すべきポイントをご紹介していきます。契約前におさえておき、下調べをするなどの準備を行いましょう。
賃貸借契約の種類を確認しよう
売却した不動産に賃貸として住み続けるために、賃貸借契約を行います。種類によって、住むことができる期間が違い、賃貸借契約は、普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。
普通借家契約
正当な事由がない限り、貸主から契約の更新の拒絶ができず、契約期間が終了しても借り続けたい場合は、その都度更新手続きをしていく、ごく一般的な賃貸契約です。
定期借家契約
契約する期間が予め決まっており、更新ができず、契約期間を延長したい場合は再契約を行います。
リースバックでは、基本的に「定期借家契約」を採用しています。契約期間は約半年から3年で、契約終了後は再契約ができれば借り続けることができますが、拒否された場合は退去しなければなりません。
契約時は、賃貸借契約の種類を確かめ、「定期借家契約」の場合は再契約ができない場合も含めて、買い戻す時期や契約終了後に住む場所や資金などを含めて検討することが重要です。
買い戻す期間や価格を設定しておこう
不動産を買い戻したい気持ちがあるのであれば、予め買い戻す期間や価格を設定しておくことで、トラブルを回避できます。
契約時に何も決めずに買い戻そうとすると、売却先の利益や経費などが通常よりも上乗せされた価格になったり、買い戻しを拒否されてしまうことがあります。
また契約時には「再売買予約権」をつけておくことで、より買い戻せる可能性が高くなるので、必ず契約時には確認をしましょう。
販売適正価格を知っておこう
リースバックでは、相場の金額よりも売却先の会社の利回りを優先して価格設定をされてしまうこともあるので、売却価格がより低くなってしまうことがあります。
複数のリースバックを取り扱う会社へ査定をしてもらい、販売適正価格を理解することで、より多くの現金を調達できます。
そして、販売希望価格よりも大幅に下回ってしまう場合は、売却先から説明を受けるようにして、複数の会社を比較していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はリースバックの5つの注意点を中心にご紹介しましたが、リースバックは魅力的なメリットがある分、気をつけて確認をしないとリスクを負ったり、トラブルにつながるポイントがあります。
しかし、ポイントさえおさえておければ、リースバックを最大限活用するための判断材料にすることができます。
事前に下調べを行い、何社か比較をしてご自身に合う売却先を見つけることで、よりよいリースバックを行いましょう。