競売物件とは?住宅ローンを滞納する前にリースバックを利用しよう
![競売 物件 と は](https://iemamoritai.com/wp-content/uploads/2021/06/image1-28.jpg)
現代社会の問題となっている新型コロナウイルスの影響で、仕事を失ったり、給与が下がったりと生活を送るだけでも大変な時代が訪れました。
不動産を所有している人は「競売物件」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。
夢にみたマイホームを手に入れたとしても、住宅ローンの返済は数十年と続くことがあります。
住宅ローンを滞納すると、担保となっている自宅が差し押さえられ、競売にかけられると住まいを失うことになります。
差し押さえになる前に、どうにかして住み慣れた自宅で誰もが暮らしていきたいものです。
本記事では、競売物件について詳しいご説明に加えて、住宅ローンの返済に困っている方におすすめのリースバックをご紹介します。
競売物件について
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不動産投資などに興味がある方は「競売物件」という言葉に聞き馴染みがあるかもしれませんが、普段の生活では聞きなれない言葉ですよね。
競売物件という言葉に聞き馴染みがないと難しく思うかもしれませんが、競売物件がどんな仕組みなのかは、少し勉強すればすぐに理解できます。
ここでは、競売物件について詳しく解説したあとに、所有している自宅が競売物件として取り扱われてしまう要因についてご説明します。
競売物件とは
競売物件とは、裁判所が行う競売手続きによって手に入れることができる不動産のことをいいます。
不動産といっても居住用の一戸建てやマンションだけではなく、ビル、店舗、土地なども売却の対象となっています。通常の価格よりも安く不動産を購入できますが、原則として物件の内部を確認することができません。
一般的な不動産の売却方法と違いはありますが、物件や土地そのものは基本的に中古不動産と変わらないといえるでしょう。
自宅が競売物件として取り扱われてしまう要因とは
それでは、自宅が競売物件として取り扱われる要因についてご説明します。
結論からお伝えすると、住宅ローンの滞納が続くと、所有している自宅は差し押さえられ競売物件として取り扱われます。人が保有する財産の中でも不動産はとくに価値が高いため、差し押さえの対象になることも少なくありません。
差し押さえられた自宅は、所有者の同意なしに売却することを裁判所が認め、オークション形式で新たな所有者を決定します。
しかし、自宅を任意売却によって処分し、住宅ローンの返済にまわすことも可能です。
ただ、所有者が任意売却を選ばなかった場合、もしくは、任意売却をしようとしても自宅の所有者が非協力的でいると不動産会社が任意売却を認めず、競売にかけられる可能性があります。
そのため、競売物件として取り扱われようが、任意売却で住宅ローンを返済しようが、せっかく購入した自宅の所有権はなくなり、新たな住まいを探さなければなりません。
競売開始通知が届き競売が始まるまで
ここでは、自宅が差し押さえられた後の流れをご説明します。
一般的に住宅ローンの滞納が6〜7ヶ月続くと、裁判所から競売開始通知が届きます。競売開始通知とは、債権者(お金を貸している人)が裁判所へ競売の申し立てを行い、手続きが受理されると債務者(お金を借りた人)へ通知される書類のことです。
競売開始通知が届くと、裁判所は物件を売却に出すための準備を進めます。現況調査を行うため、裁判所から派遣された執行官と不動産鑑定士が物件に訪れ、占有者や室内の現況を確認し、現況調査報告書と評価書を作成します。
現況調査が行われるときは、基本的に自宅の所有者もその場に一緒にいて調査に協力しなければなりません。そして、裁判所は作成された現況調査報告書と評価書をもとに、物件の売却基準価額を決定するのです。
売却基準価額が決定されると、裁判所は差し押さえ物件を処分する手続きに移行し、オークション形式で自宅が競売にかけられるといった流れになります。
実際には債務者に競売開始通知書が届いても、すぐに自宅を競売にかけられるわけではありません。
裁判所から競売開始の決定が受理されて自宅が処分されるまで、最低でも6ヶ月以上かかるので、その間に債権者に競売を取り下げてもらう交渉を行い、別の形で住宅ローンの返済ができるようにすることができます。
住宅ローンを滞納する前にリースバックを利用しよう
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住宅ローンを滞納しているけれど、どうにかして住み慣れた自宅に住み続けられないだろうかと、誰もが思うはずです。
先述したとおり、住宅ローンの滞納が続くと自宅が差し押さえられ競売にかけられます。競売にかけられると最終的には自宅を手放し、新たな住まいを探さなければなりませんが、リースバックを利用すると引き続き自宅に住み続けることが可能です。
ここでは、住宅ローンを滞納している、もしくは、返済に困っている人におすすめのリースバックをご紹介します。
リースバックとは
リースバックとは、自宅を売却した後に新たな所有者とリース契約(家賃契約)を結び、引き続き自宅で暮らすことができるサービスです。
リースバックを利用すると、自宅の売却代金が現金化され一括で支払われます。また、売却して入った現金の使い道は持ち主の自由です。
セカンドライフの資金準備や、事業を起こすための必要な資金調達の手段としてリースバックを多くの人が利用しており、住宅ローンの返済に充てる人もいらっしゃいます。
リースバックという言葉を初めて聞くと、難しい仕組みになっていそうな気になりますが、至ってシンプルな流れです。まずは、リースバック専門の不動産会社を買主とした売買契約を凍結させ、自宅の所有権を移行させます。
次に自宅の売却先である不動産会社と賃貸借契約を結ぶことで、そのまま引き続き自宅で生活ができるといった流れです。ただし、リースバックを利用するにも条件や注意事項がいくつかあるので、不動産会社に問い合わせてみましょう。
リースバックの利用する際の注意事項
リースバックを利用するには、いくつか条件を満たす必要があります。誰でもリースバックを利用できるわけではないので、注意事項は必ず確認しておきましょう。
自宅の名義人の同意が必要
自宅の所有権が移行されるので、売却する自宅の名義人、全員の同意が必要です。
例えば、5,000万円の一戸建てを夫婦でそれぞれ2,500万円ずつ出資して購入された場合、それぞれ2分の1の所有持分で共有名義となります。
このようなケースだと、夫婦2人の同意が必要となり、片方が同意しなければリースバックを利用することができません。
他にも、親から家を相続した際に兄弟で共有名義にした場合も、同じように全員の同意が必要となります。
自宅の売却価格が住宅ローンの残債を上回らなければならない
リースバックは、住宅ローンの残債があったとしても利用できます。しかし、原則として自宅の売却価格が住宅ローンの残債を上回らなければ利用することができません。
なぜなら、リース料(家賃)と同時に残った住宅ローンの返済を行うことになれば、支払い困難に陥る可能性が高いからです。リースバックを利用する際には、先に住宅ローンの残債と不動産会社に自宅の見積もりを出してもらい計画するとよいでしょう。
継続的なリース料の支払いが見込めない
リースバックは、いわゆるアパートや、マンションを賃貸することと一緒で、毎月リース料を支払い続けることで自宅で暮らすことができます。
リースバックを利用する際には、リース料を継続的に支払い続けることができるのか必ず確認されます。安定した収入がない場合は、リースバックの利用ができない可能性が高くなるでしょう。
さらに、リースバックの場合、周辺類似物件よりもリース料が高く設定されることも注意すべき点です。
リース料は、自宅の周辺地域の家賃相場で決定されるわけではなく、売却先の不動産会社の買取価格に対する利回りを考慮して設定されます。
一般的なリース料の目安は「売却価格の8〜13%」程度です。
例えば、自宅の売却価格が2,000万円で、リース料が8%で設定された場合、「2,000万円×0.08÷12ヶ月=約13万3千円」となります。
売却価格や、地域によってリース料は変動しますが、一般的には上記のような算出の仕方です。住宅ローンの返済に悩みがあったとしても、安定した収入がある方にとって、リースバックはおすすめの選択肢といえます。
自宅が差し押さえになるとリースバックは利用できなくなる
住宅ローンを滞納し債権者から差し押さえの申し出あった場合、原則としてリースバックは利用できません。そのため、差し押さえになる前に必ず不動産会社に相談して、リースバックを利用するか検討しましょう。
住宅ローンを滞納していても、数ヶ月の滞納であればリースバックは利用可能です。自宅の売却代金は滞納してしまった住宅ローンの返済に充てることで、差し押さえを解除し、競売を回避することができます。
しかし、先述した内容にはなりますが、競売開始通知が届いた時点で不動産の差し押さえは決定しているということになります。裁判所は、自宅を競売物件として取り扱うことを認めているので、リースバックが利用できなくなります。
何よりも住宅ローンの返済が難しく感じた時点で、何かしら対策を考えることが大切です。住宅ローンを滞納して対策を考えたとしても間に合わない場合もあるので、できるだけ早く不動産会社に相談しましょう。
まとめ
本記事では、競売物件について詳しいご説明に加えて、住宅ローンの返済にお困りの方におすすめのリースバックをご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?
住宅ローンを滞納してしまうと、競売物件として自宅を取り扱われます。自宅が競売にかけられ、売却されると住まいを失い新たな自宅を探さなければなりません。
そのような状況にならないためにも、住宅ローンの返済が難しく感じた時点で、何かしらの対策を考えることが重要となります。今回ご紹介したリースバックは、いくつか対策がある中の一つです。
リースバックを利用することで、まとまった資金が一括で入り、さらに新たな所有者と賃貸借契約を結ぶことで引き続き同じ自宅で暮らすことができます。
引っ越しをする手間や、税金など余計な費用を支払う必要がなくなるのもリースバックの特徴です。いくつか条件を満たすことが必要ですが、リースバックを対策の一つとして検討しておくのもよいでしょう。