相続不動産の売却時に税金を減らす7つの特別控除

相続 不動産 売却 税金

遺産相続といえば、その過半数が不動産です。

相続と聞くと何だかお得なイメージですが、かかる税金がさまざまあります。まとまったお金は入るかもしれませんが、意外と額のかかるのが税金です。

何が課税されて、どのくらいかかるのか。

ちゃんと調べておかないと損をするかもしれません。自身が居住以外としてゆくゆくは活用するにしても、不動産を維持していくのは大変なコストがかかります。

ここでは、せっかく相続した不動産がお荷物にならないように、不動産を売却する際にかかる税金を詳しく把握して、少しでも軽減するための対策を挙げていきます。

不動産を売却した時にかかる税金

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あれもこれもと徴収されてしまうというイメージがある税金ですが、不動産を売却した場合には具体的にどのような税金がかかるのか、詳しく見てみましょう。

印紙税

収入印紙を見かけたことはあるかと思います。

一定以上の金額が発生する取引の際に作成する、契約書や領収書など特定の文書に課税される税金です。不動産売買となるとそれなりの金額が動きますので必ずかかるものです。

売却価格によって詳細な設定がされていますが、不動産売買で考えられる一般的な金額だと、

  • 500万を超えて1,000万円以下の取引で5,000円
  • 1,000万を超えて5,000万円以下だと10,000円
  • 5000万を超えて1億円以下だと30,000円

の印紙税がかかります。

売買契約書の他にも賃貸借契約書や工事請負契約書などもそれぞれ印紙税がかかります。

印紙税で軽減の対象となるのは不動産売買契約書と工事請負契約書の2つです。軽減税率は以下の通り。

  • 不動産売買契約書の場合

10万円を超え1億円以下は軽減税率50%

  • 工事請負契約書の場合

100万円を超え1億円以下は軽減税率50%

  • 不動産売買契約書・工事請負契約書ともに

1億円を超え5億円以下は40%

5億円を超えるものは20%

売却価格が大きければ軽減税率がある程度活きそうですが、全体から見ると劇的な軽減は見込めません。

登録免許税

不動産を売却したときに必要な登記にかかる税です。

不動産の所有者を変更する「所有権移転登記」と、その不動産がローンで購入されている場合の「抵当権抹消登記」の2種類があります。

所有権移転登記は減税されるとしても殆どが買主負担です。

抵当権抹消登記は売主負担です。対象の不動産の数×1,000円と固定ですが、不動産は土地と建物がセットであることも多く、その場合は1物件につき2,000円となります。

既に抹消登記済みであれば売却時の売主負担はありません。

消費税

消費税は事業主が負担するものです。売却する不動産が住宅や別荘の場合、個人間のやり取りであり事業で使用しないのであれば非課税です。

しかし不動産を売却する際に発生する仲介手数料などには消費税がかかってきます。

不動産売却の際、不動産会社に支払う中で一番大きいのが仲介手数料といわれています。

売却価格が400万円を超える場合の取引では「不動産の売却価格×3%+6万円」という上限がありますが、それに対して消費税がかかります。

高く売れば売るほど消費税も高くなります。節税したいとなれば、仲介手数料の値引き交渉をしてみるのもいいかもしれません。

譲渡所得税

実際に譲渡所得税というものがあるわけではありません。

売却価額-(取得費や譲渡費用)=譲渡所得

この譲渡所得にかかる所得税や住民税の事を総じて譲渡所得税と呼んでいます。

譲渡所得税は、売却した不動産の所有期間で税率が変わります。

不動産を売却した年の1月1日の時点での所有期間が

  • 5年以下の場合「短期譲渡所得」となり

所得税30.63%+住民税9%=計39.63%の課税

  • 5年を超える場合「長期譲渡所得」となり

所得税15,315%+住民税5%=計20.315%の課税

となります。

また、譲渡所得には「10年超所有軽減税率」という特例があり、その年の1月1日の時点で所有期間が10年を超えていて、譲渡所得が6,000万円以下の場合、

所得税10.21%+住民税4%=計14.21%の課税

と、かなり税率が軽減されます。

6,000万円を超えた部分に対しては長期譲渡所得と同じ税率が適用されます。

そして、不動産の売却価額から取得費や譲渡費用を差し引いたときにマイナスになる場合もあります。その際は譲渡所得税はかからないことになります。

不動産を売却するときの7つの特別控除

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多岐にわたる不動産売却時の税金ですが、譲渡所得から控除できる特別控除がいくつかあります。どれも一定の条件を満たす必要がありますが、条件に合致すれば大きな節税に繋がるものもあります。

  1. 居住用の土地の売却を行う際の特別控除
  2. 特定期間に得た土地売却の際の特別控除
  3. 公共事業による土地売却の際の特別控除
  4. 特定住宅地造成事業等のために土地を売却した際の特別控除
  5. 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した際の特別控除
  6. 被相続人の居住財産を売却した際の特別控除
  7. 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

では、1つずつ見てみましょう。

1.居住用の土地の売却を行う際の特別控除

居住用建物を解体して土地を売却した場合の、3,000万円までの特別控除です。

  • 住まなくなった日から3年後の年末までの間に売却する
  • 建物の解体から1年以内に土地を売却する

など条件があります。

2.特定期間に得た土地売却の際の特別控除

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した土地を、5年以上所有してから売却すると、1,000万円の特別控除が受けられます。

3.公共事業による土地売却の際の特別控除

区画整理や道路拡張工事などの公共事業により土地建物を売却した場合、1,500万円から最高5,000万円までの特別控除が受けられます。

4.特定住宅地造成事業等のために土地を売却した際の特別控除

特定住宅地とは、国や地方公共団体による宅地の造成などのための土地のことで、特定住宅地造成事業のために売却した場合、1,500万円の特別控除が受けられます。

5.農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した際の特別控除

農地として、地域の農家に売却した場合という条件があります。800万円の特別控除が受けられます。

6.被相続人の居住用財産を売却した際の特別控除

相続した空き家を売却した場合、3,000万円までの特別控除が受けられます。

昭和56年の5月31日以前に建てられた住宅で、被相続人(亡くなられた親など)が相続前まで居住していた等が条件です。

7.低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

所有者不明な土地や物件の発生を抑え、土地を有効活用できるようにするための施策の1つとしての特別控除です。令和2年7月1日から令和4年12月31日までの間に500万円以下で低未利用地を売却した場合、100万円までの控除が受けられます。

相続前に考えておくべきこと

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相続した不動産を売却する場合の節税対策は以上ですが、相続することが大分前から分かっているのであれば、その前に出来ることもあるかもしれません。

生前に売却する

相続で一番大きくその割合を占める不動産ですが、いざ相続するとなると遺産分割で揉める話をよく聞きます。ましてや遺言書を残さないまま所有者が亡くなると相当に厄介です。

不動産のままで相続するよりも、生前に売却して現金化しておくことで遺産を分けやすくなるため、相続人にとってはメリットになります。

3,000万円の特別控除が適用されるとは限らない

上記でご説明した「被相続人の居住用財産を売却した際の特別控除」は、3,000万円という大きな額の控除が受けられ魅力ですが、相続となると親は高齢になり、老人ホームに入所するなど、もしかしたら相続直前までその家に居住できない可能性があります。

リースバックを利用する

実は不動産の活用方法のひとつに「リースバック」という、売却しても居住することが可能なシステムがあります。

不動産を売却した上で、新たな所有者に賃貸料を払いながら、慣れ親しんだ家に住み続けることができるので、相続後の税金対策に頭を悩ませる必要がありません。買い戻すことも可能です。

まとめ

いかがでしたが?

遺産相続は故人の大事な財産を受け継ぐことですが、いざ相続するとなると、前もって対処を考えておかないと大きく損をすることもあります。

税金対策は相続後に最も影響があるにもかかわらず、一番頭を悩ませる難しい問題だと思います。

しかし、もしも相続前にできることがあったらどうですか?

せっかく相続しても、そもそも自分たちが居住しない不動産となると、いろんな条件を満たせずに節税に繋げられない場合も出てきます。

生前に売却できれば、相続の時には現金化しているので面倒はないですが、そうなると相続までの住居はどうする?となります。

リースバックなら不動産に住みながらにして売却でき、引っ越し不要で相続問題もなく、まとまった資金も手に入ることになるのでその後の備えにもなり安心です。

相続した不動産を売却するときの税金の悩みを、違った角度から解決しませんか?

この記事が、相続不動産を売却する時の参考になれば幸いです。

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