不動産を相続して売却するときの手順と気をつけたい3つのポイント

不動産 相続 売却

親から相続した実家の建物や土地。これから先、自分が住んだり家を建てたり賃貸で活用する予定がない場合、固定資産税や維持費などをかけてまで所有している意味がないと判断したら売却してしまうのもひとつの手です。

兄弟で分配しなければならず、そのためには売却をする必要があるという場合もあるでしょう。

しかし、突然不動産を相続したため何をしていいかわからないという方も多く、闇雲に早く売ることだけを考えてしまうと、あとになって後悔してしまうかもしれません。

この記事では、不動産を相続して売却するときの手順と3つの注意点をご紹介します。不動産の相続は段取りが非常に大切になってきますので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産を相続して売却するときの手順

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不動産というのは、相続したからといってすぐに自分の手元に現金が入るわけではありません。

通常の自分が所有している不動産の売却とは違う手続きもたくさんしなければならないので、どのような手続きが必要でどんな手順で売却を進めていけば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

そんな方のために、ここからは不動産を相続して売却するときの手順についてご紹介していきます。

相続から売却までの流れ

まず、不動産を相続してから売却が完了するまで、どのような流れになるのかを確認しておきましょう

  1. 相続の発生
  2. 遺言書の有無を確認
  3. 相続人の決定
  4. 相続財産の決定
  5. 遺産分割協議
  6. 相続登記
  7. 不動産を売却する

基本的にこのような流れで相続をすることになりますが、まずは相続が発生したときに必要な手続きについて説明していきます。

1.相続の発生

まずはじめに、被相続人が亡くなったら7日以内に市区町村へ死亡届を提出しましょう。死亡届は病院で亡くなった場合には病院でもらいますが、自宅などで亡くなった場合には、普段かかっている病院に連絡をして死亡診断をしてもらわなければいけません。

その後、葬儀を行い、金融機関への連絡、生命保険の申請などを行っていきます。

2.遺言書の有無を確認

遺言書が残されているかどうかはこの後の手続きにも関わることなので非常に大切なことです。せっかく相続手続きが終わっても、後から遺言書が見つかると大変な思いをしてしまうことになりかねません。

事前に遺言書の有無を確認できているのが一番良いですが、そうでないこともあるので、遺言書の有無はしっかりと確認する必要があります。

一般的には日常で使っていた机の引き出しやタンスの中、金庫や公正証書遺言を作成している場合などのケースがあります。

ちなみに遺言書が見つかった場合でも、遺言書が本物かどうかを調べるため家庭裁判所で検認手続きをする必要があるため、勝手に開封してはいけません。

3.相続人の決定

遺言書が見つかった場合にはその内容に沿って相続を行います。

しかし、遺言書がなかった場合には、誰が相続するのかを決めるために、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本を取得して、親族にあたる人を全て確認してから相続人を決定します。

4.相続財産の決定

相続人が決定したら、次は相続財産を調べます。一般的に大きな資産と言われているのが預貯金と不動産ですが、住宅ローンや借金などのマイナスの財産も含みます。

プラスの財産からマイナスの財産と葬儀費用を差し引いた金額に対して相続税が発生します。

5.遺産分割協議

相続人と相続財産が決定したら、遺産分割協議を行います。遺言がない場合、民法で規定されている配分で分ける方法と、相続人全員の合意で遺産を分ける方法がありますが、相続人全員で遺産の分け方についての話し合いをすることを遺産分割協議といいます。

6.相続登記

遺言や遺産分割協議などで不動産を相続した場合、被相続人の名義を相続人の名義に変更する必要が出てきます。

一般的に相続登記はかなり難易度が高いので、司法書士などの専門家に依頼することが多いですが、自分でも行うことができます。しかし、兄弟や甥姪が相続人、相続関係が複雑、法務省が遠い、登記完了を急いでいる、被相続人の住民票が発行されないなどの場合には、専門家に任せた方が良いでしょう。

7.不動産を売却する

ここまできてようやく不動産の売却をすることができます。相続した不動産の売却については、次で詳しくご紹介します。

相続した不動産の売却を進める

遺産分割協議や相続登記などが終わったら遺産に関する不動産の名義変更は完了になります。新しい名義人は、自分の所有する不動産を自由に処分することができるので、不動産会社から見積もりを取って売却を進めていきます

ちなみに、相続した不動産を売却する場合、さまざまな費用がかかってくることも知っておきましょう。

  • 譲渡所得課税
  • 不動産取得税
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 登記に必要な書類の取得費用

相続した不動産の売却を個人で行うことは非常に困難なので、それぞれの分野の専門家に依頼することになるでしょう。

相続した不動産を売却するときの3つのポイント

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相続した不動産を売却するには、時間の余裕を持って行う必要がありますが、控除特例などを受けるには期限などが設定されているため、迅速に進めることも大切になってきます。

売却するまでの流れを把握したうえで、ポイントを抑えてスムーズに売却を完了しましょう。

必ず相続登記を行う

実は相続登記は、死後いつまでにやらなければいけないという決まりがありません。そのため先送りしてしまい、いつまでも亡くなった方の名義のまま放っておいてしまう方もいます。

 

しかし、亡くなった方の名義のままでは換価分割(相続した不動産を売却した代金を相続人で分けること)するために売却しようとしても自由に売却することはできませんし、複数で相続した場合には他の相続人が自分の持ち分のみを登記して勝手に売却してしまうなどのトラブルになりかねません。

相続登記を行わない場合のデメリット

  • 売却が自由にできない
  • 他の相続人が自分の法定相続分だけを勝手に登記し売却する可能性がある
  • 不動産に不測の事態が起きても賠償が受けられない
  • 相続人が亡くなった場合その配偶者や子供が相続の権利を引き継ぐことがある(相続人が増える)

このようなことから、相続登記は相続が発生した時点で共同名義または単独名義のどちらにするか相続人同士で相談し、すぐに相続登記を行うことが大切なのです。

譲渡益が発生する場合は3年10ヶ月以内に売却

譲渡益とは、不動産を取得したときの価格と売却した価格の差から得られる利益のことです。例えば、5000万円で買った不動産が8000万円で売却できたとき、3000万円の利益が出たことになります。この利益が譲渡益です。

相続した不動産を売却したことで出た譲渡益には、所得税と住民税がかかります。その場合の計算は、売却代金-(取得費+譲渡にかかった費用)-特別控除額で計算します。

不動産を所有していた期間がどのくらいかによってかかる税金が変わり、5年以上所有している場合は長期譲渡取得という税率の優遇や特別控除などがあります。

相続した不動産の場合、亡くなった方の所有期間と取得費を引き継ぐことができるので、故人が不動産を購入した際の売買契約書があるとわかりやすくなりますが、もし取得費がわからないというときは、売却した金額の5%相当額で計算をすることがあります。

そしてその不動産取得税ですが、特例として相続した人が相続税を払った場合、相続税の申告期限(被相続人が亡くなったことを知った翌日から10ヶ月以内)から3年10ヶ月以内に売却すると、相続税の額から一定の金額を取得費として加算することができます

信頼できる不動産業者に依頼する

相続によって自分の所有物となった不動産を売却する場合、信頼できる不動産業者を選ぶことは非常に大切なポイントです。

不動産業者は、不動産売買の依頼欲しさに魅力的なことばかり言ってきますが、蓋を開けてみれば売買の実績がほとんどないような業者もいます。

できるだけ高額で、スムーズに不動産を売却するためにも、信頼できる不動産業者に依頼をしたいところです。

また、一口に不動産業者と言っても会社によって得意な分野が異なってくるので、売却予定の不動産を得意としている業者を選ぶか、何社か良い不動産業者を紹介してくれる不動産アドバイザーなどを利用してみるのもおすすめです

まとめ

不動産を相続して売却するときの手順と3つの注意点をご紹介しましたが参考になりましたでしょうか?

もう実家を離れて所帯を持っているので誰も住めない、遠いから管理が難しい、建物は分割できないから売却して現金で分けたいなど、相続した不動産を売却したい理由はたくさんあります。

親などから相続した不動産を売却したいときは、迅速にものごとを進める必要がありますが、不動産会社に売却を依頼する前に今一度本当に売却してしまっても良いのかを考えることも大切です。ぜひ、本記事を参考にして相続した不動産を売却するかどうか判断してみてください。

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