老後の住み替えに資金がほしい！有効な３つの手段を解説！

老後の資金調達については誰もが頭を悩ます問題だと思います。

公的年金のみで収入を得ていると、突然の病気や怪我に対応できる医療費が足りなかったり、身体を自由に動かせず介護費が必要になった場合にも十分なお金が用意できないこともあります。

そうなると、老後の資金が足りるかどうかという不安も大きくなりがちです。

老後の住み替えを考えている方にとって、資金調達は避けては通れない道です。

マイホームを売り払うことでシニア向けの住宅に移居することも可能になりますし、コンパクトなマンションへ移居してダウンサイジングを行うことができれば移居後のコストも少なく済みます。

「相続人がいないのにこのままマイホームを所有していてもなぁ…」「今住んでいる家を売り払ってどうにかお金にできないだろうか…」そんな風に考えている方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、老後の住み替えを考慮した資金調達の方法についてご紹介していきます。

「自宅」を利用した資金調達方法

基本的に「家」は多額のお金を使用した売買が行われます。ご購入の際にも何十年もかかるローンを支払い続けたはずです。

その「家」を売るということは、一度に大きなお金を得ることができるということです。

今回の記事では、そのような「自宅」を利用した資金調達方法として以下の３点についてご紹介していきます。

• 不動産売却
• リースバック
• リバースモーゲージ

個人が求める条件に見合った資金調達方法が存在していますので、以下の項目からの説明をしっかり読んでから資金調達方法の検討に入っていきましょう。

不動産売却

まずは、自分の家を売り払うことで資金を得る方法について紹介していきます。

この「不動産売却」とは、一般的な不動産会社を通じて家を売却するという資金調達方法です。

家を売却することで多額の資金が手に入るのは確実ですが、この方法で不動産を売り払う場合は、代金を受け取るタイミングが2回に分けられることになります。

1度目は売買契約を交わした時、2度目は自宅を引き渡す時です。売買契約を交わした後は当然のことながらその家に住み続けることはできません。

資金調達方法としての「不動産売却」は、今のご自宅に特別な執着がなく住居を一新したいと考えている方にとっては有効な手段だと言えます。

利用条件

後ほど説明するリースバックやリバースモーゲージとは異なり、不動産売却を行う際の利用条件は特にありません。

不動産売却のメリット・デメリット

ここでは、不動産売却におけるメリットとデメリットを簡単にご紹介していきます。

メリット

不動産売却のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

• 現金化が可能
• ローンの完済が可能になる
• 他の住まいへの引っ越しができる

今の住宅を売り払うことで現金化が可能になるというのは、早急に資金が必要な人にとってかなり需要のあるメリットだといえます。

売却金額よりも住宅ローンの残債の額が小さい場合は、売却して得た資金によりローンの完済が可能になるという点は不動産売却の大きなメリットです。

他の住まいへの引っ越しができるという点については、後ほど説明するリースバックやリバースモーゲージとは異なる利点となります。

他の住まいへの引っ越しをご希望の方は、不動産売却を利用することをおすすめします。

デメリット

次に、不動産売却を行う際に発生するデメリットについて解説していきます。

不動産売却のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

• 仲介手数料・譲渡所得税などの諸費用がかかる
• 引っ越しに際して時間と手間がかかる
• 住居の売却先が見つからない可能性がある

不動産売却を行うことで、仲介手数料や譲渡所得税などの諸費用が発生することになり、売主に負担がかかります。

完全に住まいを変えるということになると、家具などの荷物を移動させたり、住所の変更が必要になったり、さまざまな手続きを行うことで、引っ越し完了までに多くの時間を要することになるデメリットがあります。

また、タイミングによっては自宅の売却がうまくいかず、損失の発生が考えられる点も「不動産売却」が孕んでいるリスクであると言えます。

リースバック

それでは次に、リースバックについて説明していきます。

リースバックとは、自宅を売却後、リースバック業者に家賃を支払うことで現在の住まいから移転することなく住み続けることが可能になるという制度です。

こちらの資金調達方法は、現在住んでいる地域と深い馴染みがあり、老後も住まいを変えたくない方、一気にまとまったお金を必要としている方にとっては有効な手段といえます。

利用条件

リースバックの利用条件として、以下の点を考慮する必要があります。

• 契約者から家賃の支払い能力があると認められているか
• 住宅ローンの残債が売却代金より小さいかどうか

契約をするにあたって家賃の支払い能力があることは絶対条件ですので、買主側から売主側へ、”今までに他のローンの滞納をしたことがあるか”などのチェックが行われる場合があります。

また、住宅ローンの残債が住居の売却代金を下回っていることもリースバック利用の必要な条件となります。

リースバックのメリット・デメリット

ここでは、リースバックを利用する際に発生するメリットとデメリットについて簡単に説明していきます。

メリット

リースバック利用時のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

• 引っ越す必要がない
• 住宅ローンや固定資産税の支払いをしなくてよい
• 家の買い戻しが可能
• より迅速な現金化が可能

引っ越す必要がないという点が、不動産売却とは大きく異なる利点です。自宅を売却後も住み慣れた住居で生活できることをどう捉えるかで利用する資金調達方法も変わってきます。

また、自宅の買い戻しが可能なため、将来的に同じ家を購入する見立てがある場合には、リースバックを利用することは有効な手段です。

また、リースバックは不動産売却や後ほど説明するリバースモーゲージと比べて現金化が早く、まとまった資金を比較的早い段階で手に入れることができます。

デメリット

次に、リースバック利用時に発生するメリットについて解説していきます。

リースバックのデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

• 家賃が相場より若干高め
• 再契約を断られる可能性がある
• 買戻し時の購入額が高い

家賃は基本的に、周辺の地域の相場よりも割高に設定されることがほとんどです。家計に多大なダメージを与えてしまうことを考えると、大きなデメリットであるといえます。

二つ目の再契約に関することとして、「定期借家契約」で賃貸契約を結び、その際にリースバックの再契約が可能であると話し合っていたにも関わらず、契約満了時に再契約を断られ、業者と売主で揉めるというケースもあります。

また、売却後に住居の買戻しができる反面、その際にかかる費用は高めですので注意が必要です。

リバースモーゲージ

最後に、リースバックと混合しがちな「リバースモーゲージ」について説明していきます。

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして金融機関などから融資を受けて資金を得ることができるサービスのことです。

リバースモーゲージ利用の際は金融機関と一部の社会福祉協議会が取扱窓口として対応しています。

借入者が死亡後、または契約の満了後に、相続人もしくは借入者が担保としていた自宅を売り払って得たお金や年金、貯蓄などから、ローンを一括で返済するという仕組みになっています。

利用する条件

リバースモーゲージを利用する際の条件としては、以下の点を考慮する必要があります。

• 自分の家がリバースモーゲージ利用の対象物件かどうか
• 年齢を満たしているか

リバースモーゲージ利用時に対象物件が限られている場合がありますので、自分の家が対象物件に値するかどうかはしっかり把握しておくようにしましょう。

また、リバースモーゲージでは、一般的には55歳以上から申し込みが可能となるケースが多いです。

リバースモーゲージのメリット・デメリット

ここでは、リバースモーゲージにおけるメリット・デメリットを紹介していきます。

メリット

リバースモーゲージ利用時に発生するメリットには以下の点が挙げられます。

• 毎月の支払いが利子のみ
• 元金の返済として、現金一括か自宅の売却かを選べる
• 自宅に住み続けることができる

毎月家賃の支払いの負担があるリースバックとは違い、リバースモーゲージでは毎月の支払いが利子のみとなっており、一度にかかる費用の負担が少ないことが特徴です。

また、支払い方法が一つに制限されていないという点や、現在住んでいる住居から転居することなく金融機関などから融資が受けられるという点も魅力的だといえます。

デメリット

次に、リバースモーゲージ利用時に発生するデメリットについて解説していきます。

リバースモーゲージのデメリットとしては以下の点が挙げられます。

• 長寿リスク
• 金利上昇リスク

「人生100年時代」と呼ばれるほど平均寿命が伸びている現代、個人が何歳まで生きるかは予想がつきません。融資限度額まで資金を全て使い切ってしまう恐れがあるのがリバースモーゲージのデメリットであるといえます。

また、変動金利をとっている金融機関が多いため、時勢に応じて金利が変動することがあります。金利上昇の際には毎月の支払額も上がってしまうので注意が必要です。

まとめ

今回は老後の住み替えを考慮した資金調達方法について説明していきましたが、いかがでしたでしょうか。

いずれの方法で契約を結ぶにしても、自分の資金用途や都合の良い集金のタイミング、自分の条件にあったメリット、そして利用時のデメリットをしっかり把握した上で契約を結ぶことをおすすめします。

また、どの手段で資金を調達するにしても、複数の業者と相談を行い、提示された条件を見て比較検討を行うようにしましょう。