転勤家族の決断に役立つ3つのポイントと持ち家の対応策

小さい子供がいるのにも関わらず、転勤を命じられることは、少なくありません。「家族はどうしよう…」「マイホームがあるのに」など、転勤先の距離や転勤する期間を踏まえて、今後どうするのか決断するのは難しい問題です。

苦渋の選択ですが、共に暮らすパートナーや子供を連れて転勤先で暮らしていくのか、単身赴任を選ぶのか、決めなければなりません。また、マイホームで暮らしている場合は、持ち家の対応策も考える必要があります。

は、転勤家族の決断に役立つ3つのポイント、家族帯同する際の持ち家の対応策、転勤前に抑えておきたい3つの心得についてをご紹介します。

転勤家族の決断に役立つ3つのポイント

転勤が確定したら、まず悩みの種になるのは「家族はどうするか」ですよね。

パートナーの転勤が決まれば、不安なことも多く、どう決断すべきか悩んでしまうと思いますが、単身赴任か家族みんなで引っ越す家族帯同か選ばなければなりません。

ここでは、家族にとって最善の決断をする際に役立つ3つのポイントをご紹介します。加えてそれぞれのメリット・デメリットについても解説しますので、参考にしてみてください。

状況に合わせて決める

転勤先や家族の状況に合わせて、決断することが望ましいでしょう。

単身赴任でもうまくいく家庭もあれば、家族帯同したほうが良い夫婦の関係性もあり、どちらを選ぶべきかは状況や性格によっても大きく異なります。

• 共働きをしている
• 子供の教育環境にこだわりがある
• 持ち家の有無
• 転勤する期間
• 夫婦の関係性や家族全員の性格など

「夫婦間や家族で大切にしていることは何か」「子供や親族の将来」など、転勤を機に改めて、意見を交換し合い、話し合いを重ねて決断するようにしましょう。

メリットとデメリットで決める

家族帯同と単身赴任のメリット・デメリットは、決断する際の判断材料になります。それぞれが生活や家庭にどのような影響を及ぼすのか、把握した上で決断しましょう。

家族帯同のメリット

家族帯同の一番のメリットは、転勤先で家族全員と生活することができるところです。

これまで共に歩んできたパートーナーと新しい環境で生活を始めるとなると、今まで以上に協力し、支え合っていく必要があるため、自ずと家族や夫婦の絆が強まります。

• 地方で親しい友人ができる
• さまざまな地域で暮らす経験ができる
• 転勤手当が出ることもある

子供の成長を身近で見守り、協力して育児ができるのも家族帯同のメリットといえます。

家族帯同のデメリット

転勤先に家族がついていった場合、下記のようなデメリットも考えられます。

• 転勤先の環境が家族に合わない
• 子供の学習環境が変化する
• 転勤を機に夫婦片方が仕事を辞めることで、世帯収入が落ちる

転勤先で新しい生活が始まっても、一緒についていく家族は地域に溶け込むまで時間がかかる傾向にあります。ママ友と離れてしまうことで育児の悩みや相談を気軽にできないなどのほか、子供が新しい学校や友人と馴染むのが難しいなどの懸念点もあります。

そのため、パートナーや子供の性格や年齢を理解した上で決断するといいでしょう。

単身赴任のメリット

単身赴任の最大のメリットは、家族がこれまでと変わらない生活を送れるという点です。

残された家族側には、下記のようなメリットがあります。

• 会社側から補助が出ることがある
• 子供が転校する必要がない
• 残された側は、転職せずに済む
• 夕食の準備や洗濯など、家事の負担が軽減される

また、転勤先で単身赴任している側は、子供の面倒を見る必要がないため、休日はのんびり過ごし、仕事に集中できるなどのメリットがあります。

単身赴任のデメリット

単身赴任している側には、下記のようなデメリットがあります。

• 部屋の掃除や洗濯などの家事が大変
• 栄養バランスの整った食事をとるのに苦労する
• 一生に一度しかない子供の成長を見守ることができない

転勤先で家事や料理をしながら、働くことは想像以上に大変です。きちんとした生活を送ることができないと、仕事に集中できなかったり、ストレスが溜まったり、体調や仕事に支障をきたすケースもあります。

また、子供がいる家庭では、一人で育児することが基準になり、育児に苦戦することや子供自身が寂しい思いをするなどの懸念点もあるため、その点も踏まえておきましょう。

その他の選択肢も検討しよう

一般的に転勤になった場合は、家族帯同と単身赴任の2択が主流ですが、状況によっては他の選択肢もあります。

• 遠距離通勤する

• 子供が大きいなら、夫婦で赴任する

• 勤務地限定正社員になる

• 転勤を断り、会社を辞めて転職する

転勤は企業に務めていれば避けられない道であり、これまでは宿命といわれてきましたが、近年、働き方改革やワークライフは自分で選べる時代になりました。

もちろん仕事は重要で、出世を考えている、キャリアプランがある方にとって、勤務地限定正社員や会社を退職することは、苦渋の選択です。納得のいく決断ができるよう慎重に判断しましょう。

家族帯同する際の持ち家の対応策

転勤期間や子供がいるかなど、状況によって異なりますが、家族離ればなれの生活は懸念点も多いため、家族帯同を決断する方も多いではないでしょうか。その中でも、マイホームで暮らしていた方は、持ち家をどうするのか、対応策を考えなければなりません。

ここからは、持ち家の3つの対応策についてご紹介します。

持ち家の立地や老朽化など、土地や不動産の状況によっても、最善の選択肢は変わってくるため、下調べをして慎重に判断することが大切です。ここからお伝えする内容を、転勤時に持ち家をどうするべきか計画する際の参考にしてみてください。

空き家のまま保有する

「活用するにも手間がかかる」「売却する勇気はない」など、対応に悩む方は、一定の期間空き家にして保有するという選択肢もあります。

しかし、誰も住んでいない不動産も管理をする必要があり、防犯面や衛生面などにも気にかけつつ、固定資産税や維持費もかかるため、空き家にすることは楽な選択肢ではありません。

有料でプロが空き家を巡回するサービスを実施している会社に管理を委託する依頼するなど、持ち家の状態を保つための経済的コストがかかることも頭に入れておきましょう。

売却する

長期期間の転勤が確定している、家を活用する予定がなければ売却するのが最善の選択肢です。

家を売却することができれば、不動産の維持費や税金の支払いから解放され、金銭的にも余裕が生まれるため、転勤後の新たな生活の良いスタートをきることができます。

また、誰も生活していない不動産は時間の経過と共に急速に劣化し、資産価値が落ちていきます。築浅で綺麗な状態の不動産は高値で売却できるケースが多いため、売却を検討している方は、不動産会社に家の売却価格の査定を依頼してみるといいでしょう。

賃貸として貸し出す

転勤の間、他人に持ち家を賃貸として、貸し出すことで有効活用する方法です。

持ち家を貸しておくことで家の劣化を防ぐことができ、家賃収入を得ることができるため、転勤の間のみ賃貸に出す方も多くいらっしゃいます。

持ち家を貸し出す場合には、下記の2つの契約方法があります。

• 普通借家契約…契約期間後も借主の希望で原則、貸し続ける必要がある
• 定期借家契約…契約期間のみ貸し出し、期間満期には借主が退去する

持ち家の状況や転勤期間を不動産会社によく相談した上で契約内容を選びましょう。

転勤が1〜3年の短期であったり、転勤期間の延長がない場合は、家の貸し出しはおすすめの対応策ですが、貸し出すときは、持ち家を汚されたり、傷がつくリスクがあることも覚えておきましょう。

抑えておきたい3つの心得

ここからは、転勤が決まった際に抑えておきたい3つの心得をご紹介します。

友達や家族が少ない環境で新しい生活を始めるとなると、不安を感じ、悲観的になりやすいですが、知識を身につけ、転勤前に心の準備をしておきましょう。

地域ごとの文化の違いを理解しておこう

転勤によって天候や文化が異なります。

「降雪や台風などの災害によって、交通機関が利用できない」など、生活に支障をきたすケースもあるため、転勤先について事前に下調べしておくといいでしょう。

また、ご近所付き合いやゴミの出し方など地域によって細かいルールや文化の違いを感じるときもあると思いますが、できるだけ理解に努め、柔軟に対応することを心がけましょう。

海外転勤も視野にいれておく

地方の転勤だけではなく、海外の転勤があることも頭に入れておきましょう。

子供の年齢がまだ幼いうちの地方転勤であれば家族帯同できるのが理想ですが、子供が成長したタイミングで、海外転勤が発生した場合、家族と離れて暮らす単身赴任を決断するケースが多い傾向にあります。

まだ起きていない転勤についても、転勤先や子供の年齢に合わせるなど、事前に話し合いで決めておけば、突然の転勤の際も冷静に判断することにできます。

悩みは一人で抱え込まない

転勤先へ引っ越したら、自分の両親や友人と頻繁に会うことができないため、直接会って悩みを相談したり、気軽に育児のサポートを頼んだりすることができません。

もちろん、子育てに協力し寄り添ってくれるパートナーがいれば安心ですが、仕事に行っている間や何かトラブルがあった場合に、自分1人で子供の面倒を見なければならないため、育児に疲れてしまう方も少なくありません。

転勤先によって異なりますが、子育ての支援制度が充実している地域やベビーシッターを依頼することもできるため、時々活用してリフレッシュすることも大切です。

また、親しい友人や家族にメールや電話で話を聞いてもらうだけでも、気持ちは前向きになります。友人との旅行の計画を立てることや大型連休に合わせて家族と会う約束をするなど、転勤期間中の楽しみを見つけるのもいいでしょう。

まとめ

は、転勤家族の決断に役立つ3つのポイント、家族帯同する際の持ち家の対応策、転勤前に抑えておきたい3つの心得についてご紹介しました。

転勤が決まったら、単身赴任するか家族帯同するか、もしくはその他の選択か、家族で話し合い、メリットやデメリットについて、きちんと理解した上で決断することが大切です。

また、マイホームをお持ちの方も、賃貸として活用したり、持ち家を売却して現金化することによって資金面に余裕が生まれ、転勤先で良いスタートをきることができます。

新たな土地と環境で不安になるとは思いますが、最後にご紹介した3つの心得をあらかじめ抑えておき、転勤先で充実した生活を送りましょう。