リースバックで離婚の際の住宅トラブルを解決!ポイントを徹底解説

リースバック 離婚

もともと、企業の不動産活用・事業の資金調達手段としてビジネスシーンで扱われていた”リースバック”。近頃は、資金を獲得する利用者が企業だけでなく、一般の個人の方にも広がってきており、さまざまな方がリースバックを活用するようになってきました。

リースバック活用の最大の利点は、”不動産を売却することによって資金を獲得できるとともに、(賃貸借物件として)引き続き不動産を利用できる”ことにあり、資金を得ることを目的に利用されることは非常に多いです。

しかしながら、リースバックの利用を検討するケースには資金の獲得を理由としたものだけではありません。そして、ここ最近では離婚を決められた方のご利用相談が増えつつあります。

離婚することが決定すると、持ち家をどのように処分するのか(引き続き生活するのか、売却するのか等)を中心とした問題が発生しますが、リースバックはこれらの問題の解決策として役立つ場面があるのです。

ですので、今回は”離婚の際の住宅トラブルを解決するためのリースバック”と題して、どのような住宅トラブルが起こるものなのか、リースバックはどのように役立つのか、リースバック利用の際のポイント等を抑えていきたいと思います。ぜひ最後までご覧になってください。

リースバックのおさらい

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リースバックとは、不動産取引で用いられる取引形態の一種であり、不動産を売買する”売買契約”と、不動産を賃貸借する”賃貸借契約”を一連の取引として行うものを指しています。

このように2種の契約の一体化が行われていることによって、冒頭にて触れた、”不動産を売却することによって資金を獲得できるとともに、(賃貸借物件として)引き続き不動産を利用できる”ことが実現されているのです。

今回の記事では、(所有する自宅があり)離婚を検討している・決定しているご夫婦に特に役立つ情報を載せていきますが、リースバックを利用する人は多岐に亘り、事業用の一時的な資金を得るために利用する経営者の方や、お子さんやお孫さんへと残す財産を現金化するために利用する方、自宅が競売に掛けられそうな状況にあり競売回避を目的として利用する方などさまざまです。

リースバックで必要な手続き

離婚の際には各種の手続きが必要となるかと思いますが、所有する自宅の処分に関してもそのうちのひとつに入るかと思います。リースバック利用の手続きが他の手続きの負担とならないように、事前にどのような手続きを進めていけばいいのかを、ここで確認しておきましょう。

リースバックを利用する際の手順は以下に示す通りです。

  1. リースバックを扱っている不動産業者等への申し込み
  2. 不動産業者による売却予定不動産の買取価格の査定
  3. (買取価格や契約書に記される契約事項に関しての了承が完了した後)売買契約・賃貸借契約の締結
  4. 売却不動産の引渡し・売却代金の受け取り
  5. 賃貸借契約書の契約事項に基づいた不動産利用

この記事では、リースバック手続きの順序に留めさせてもらいますが、実際には各手続きを進めるために必要となる関係書類が存在します。また、これらの手続きをそもそも、どの不動産会社に依頼するかも、リースバック手続き完了後までトラブルなく利用するためには重要なこととなります。

これらの詳細に関しては、以下の記事にてご説明していますので、気になった際にはぜひそちらの記事もお読みになってください。

『リースバックの注意点とは?契約前に確認すべきポイントを詳しく紹介』【マイホームまもり隊_公式】

『リースバックの契約書の内容を紹介!売買・賃貸借契約書の詳細チェック』【マイホームまもり隊】

離婚の際の住宅トラブル

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リースバックを利用するための最低限の知識をおさらいしたところで、ここでは、離婚をする際に起こる住宅トラブルに関して確認していきましょう。

特に、所有する自宅を住宅ローン等を利用して購入しており、このローンが残っている場合にはトラブルへと発展しやすいです。そして、離婚の際の住宅トラブルとしては、所有する住宅の名義人が誰であるかを基準として以下の2つに分類できます。

  • 名義人が住み続ける際のトラブル
  • 名義人以外が住み続ける場合のトラブル

それぞれに関して詳しく見ていきましょう。

名義人が住み続ける場合のトラブル

離婚後にも、住宅ローンの債務が残っている自宅に名義人が住み続け、もう一方(元パートナー)が連帯保証人になっている場合、トラブルが起こることがあります。

端的にいえば、離婚が成立した後にも、住宅ローンを返済するための名義人・連帯保証人としての関係が継続されてしまうこととなるので、これを理由としてトラブルが生じることがある、ということになります。

名義人の住宅ローンの返済が滞ってしまった場合には連帯保証人に対して債務が発生することとなるため、できることなら離婚を機に住宅にまつわる債務整理を行った方が賢明であるかと思います。

名義人以外が住み続ける場合のトラブル

所有する不動産の名義人でない方が、引き続き同じ場所で生活を続けていくという場合には、”住宅ローンの名義を引き継ぐことが難しい”という問題があります。

このことから、離婚後にも名義人でない方が住み続けることは決して不可能なこととはならないのですが、ご自身の生活拠点の在りようが名義人(元パートナー)の返済状況に依存してしまうこととなるので、危うい生活を送らなければならないこととなります。

万が一の場合には、名義人の返済が滞ることで、債務が移転したり、強制退去の要請が行われる事態にもなりかねません。

このように、相手の返済状況に依存した生活を送るよりも、賃貸借物件としての自宅での生活を実現された方が、多くの側面で利点が多いのではないかと思います。

リースバックが効果的に働く?

離婚の際の住宅トラブルに関しては先に触れたとおりですが、離婚を機に住宅ローン等の債務を中心とした名義人・連帯保証人といった関係性を解消した方が将来的なトラブルの回避につながっていくのではないかと思います。

そして、そのための手段としてリースバックは非常に効果的だといえます。ここでは、リースバックが離婚の際の住宅トラブルにどのように効果的であるのかを見ていきたいと思います。

リースバックの特徴として、不動産を売却することによって売却資金を手にできることは既に確認したことですが、この際に獲得した資金には特段の用途制限が設けられていません。そのため、事業活用のために利用することも、遺族への財産として残すことも、更には住宅ローンの残債務に充てることも可能となっているのです。

リースバックを通じて住宅ローンの残債務を完済してしまえば、同時に名義人・連帯保証人という関係性も解消され、お互いに身軽な状況になることができます。

それと同時に、リースバック手続きの賃貸借契約を誰が締結するかによって、その後の居住者は変化し、誰であっても(名義、または元パートナー)住み続けることが可能となります。

離婚時のリースバック利用のポイント

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最後に、離婚時にリースバックを利用する際の注意点に関して確認していきましょう。これまでを通じて、離婚の際の住宅トラブルを解決する手段としてリースバックが有効に働くことはご理解いただけたかと思いますが、リースバックをきっかけとしたトラブルを避けるためには、何よりもリースバックへの理解を深めることが必要不可欠だといえますので、丁寧に見ていきましょう。

リースバック利用の際の注意点としては以下のものが挙げられます。

  • 住宅ローンの残債務と不動産の買取査定価格を確認する
  • リースバック手続き完了後の賃貸借利用期間の月々の家賃を確認する
  • リースバック活用に関して両者の間に意見の食い違いがないようにしておく

それぞれに関して見ていきましょう。

住宅ローンの残債務と不動産の買取査定価格を確認する

離婚の際の住宅トラブルで中心となっているのは何よりも住宅ローンなのではないでしょうか?

離婚を考えていらっしゃる両者の名義人・連帯保証人といった関係性を解消するため、自宅を売却するため、そもそものリースバックを利用するためには、不動産の売却をもって住宅ローンの残債務が完済されることが明らかとなっている必要があります。

『リースバックによって獲得できる売却資金<住宅ローンの残債務』となってしまうと、残りの残債務に関しては自己資金による返済が余儀ないこととなりますので、リースバックを扱っている不動産会社がいくらで買い取るのかの確認をきちんと行うようにしましょう。加えて、いくつかの業者に依頼して比較検討するのも有効な方法ですので、こちらもぜひご検討ください。

リースバック手続き完了後の賃貸借利用期間の月々の家賃を確認する

リースバック手続きが完了した後には、元のご自宅を賃貸物件として利用することとなります。それによって、これまでの生活ではなかった、家賃の支払いが発生するようになるので、賃貸借契約を締結する際にきちんと確認するようにしましょう。

離婚を経ることで家計は大幅に変化することになるので、住宅費としていくらまで出費することが可能なのかを十分に検討なさってください。

リースバック活用に関して両者の間に意見の食い違いがないようにしておく

リースバックで獲得した売却資金の第一の利用目的は住宅ローンの返済にありますが、仮に余剰が出た場合には、この資金が財産分与の対象となることがあります。どのような分与とするのかは事前に確認しておいた方が、いざ余剰が出た際のトラブルを回避できるかと思います。

また、リースバックは売買契約と賃貸借契約が一体となった取引ですが、離婚の際の活用では売買契約における売却主と、賃貸借契約における借主が別々である可能性もあり、リースバック利用者それぞれの考えに相違がないかを確認しておかなければ、反対にトラブルの種になってしまうこと可能性も考えられます。

リースバックを選択肢に挙げる場合には、離婚に向けた話し合いの中できちんと議論を重ねるようにしておきましょう。

まとめ

離婚の際のリースバック活用として、リースバックの基礎知識、離婚時の住宅トラブル、どのようにリースバックが機能するのかに関してご説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?

”離婚をする”というのはご夫婦にとって、今後の人生を変化させるほどの大きな決断であるとともに、今回の記事で紹介した住宅トラブルをはじめとして離婚のための準備には多大な労力を要します。

離婚するというだけでも負担は大きいのに、離婚成立後にも住宅をきっかけとして(元)夫婦のトラブルが長引いてしまうのは、誰にとっても得することではありませんよね?

この記事が、”離婚をする”という大きな決断をなさったうえで、新たな生活の第一歩を踏み出そうとしている方の、住宅処分に関わるご負担を少しでも軽くするものとして役立ってくれれば幸いです。

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