リースバックの賃料は理由で決まる!押さえておきたいポイントを解説

リースバック賃料

リースバックを、利用する理由は人によってさまざまですが、誰でも一番気になる問題はやはり「賃料がいくらになるか」ではないでしょうか。

家を売却するときは、できるだけ高く買い取ってくれるところを探すのが定石ですが、リースバックとなるとそうはいかないことをご存じですか?

ここでは、売却後も愛着のある家に住み続けられるリースバックを利用して支払う賃料を、どう設定すればいいのかを解説していきます。

リースバックの賃料の決め方

リースバック賃料

リースバックで家を購入するのは不動産会社や投資家です。

家を貸し出す側は、収益が買取金額以上になるように賃料を設定したいはずです。

要は、元が取れる以上の賃料設定を希望しているのです。

リースバックの賃料を算定する計算式

賃料を決める際には家の売却価格が大きく関係してきます。リースバックにおいては買取価格です。

家の買取価格に、買主の希望する収益の年率である「期待利回り」をかけて、それを12ヶ月で割ると、ひと月の賃料が算定されます。

しかし、アパートやマンションを借りると共益費などが加算されるのと同じように、家も貸し出すと必要経費がかかるので、それも加算されることになります。

式に表すと、次の通りになります。

月々の賃料=買取価格×期待利回り(年率)÷12カ月+物件の必要経費

買取価格もそうですが、ここで期待利回りがどのくらいかによって賃料が変わってくることが分かります。

期待利回りの求め方

期待利回り(%)は「賃料年収÷不動産価格×100」で求めることができます。

例えば古い家を500万円で買い取ったとします。

10年で回収しようと思ったら、1年で50万円の賃料を設定することになります。

これを期待利回りを求める式で計算すると、

賃料年収50万円÷不動産価格500万円×100=10(%)

10%の利率に設定すると、10年賃料を支払ってもらえれば買取価格500万円の元はとれることになります。

一方、比較的新しい家を1,000万円で買い取ったとします。

新しい家なので、回収するのに20年程度の長い年月をかけてもいい場合、1年で50万円の賃料を設定することになります。

これを上記と同じように期待利回りを求める式で計算すると、

賃料年収50万円÷不動産価格1,000万円×100=5(%)

このように、同じ賃料年収50万円でも、その家にどの位住めるかを考えた時、元を取れる賃料の利率は大分違います。

しかし上の式で出した利率のままだと、元を取るだけになってしまうので、投資にはなりませんし、家を維持するにはそれ相応の諸費用もかかり、必要経費以外にも上乗せしたい部分も多少あるので、それ以上の利率で設定する必要があります。

「どのくらいの収益(儲け)が見込めるか」ということで設定するので「期待利回り」なのです。

一般的に期待利回りは7%~13%と言われています。

その範囲の中で、低く設定されるか高めに設定されるか、になります。

上の1,000万円の売却価格で20年住む場合の賃料を、7%~13%の期待利回りで実際に計算して出してみると、月々約60,000~110,000円+物件の必要経費という数字になります。

リースバックの賃料を決める時に影響があるポイント

リースバック賃料

リースバックの賃料を算定する計算式、それにかかる一般的な期待利回りが分かった事で、想定される賃料帯のイメージはつきましたか?

ここからはリースバックの賃料を決める時に影響があるポイントについて見ていきましょう。

売却価格

上記の、月々の賃料を求める式と、期待利回りを求める式の両方を見ても分かるように、売却価格(買取価格)が、賃料を決める上で一番影響があるポイントになります。

売却価格が安いほど、賃料を抑えることに繋がります。

通常、家を売却する際はなるべく高く買い取ってくれる不動産会社や買主を探しますが、その後リースバックでその家に住み続ける場合、高く買い取られると賃料も上がってしまいます。

そして後に買い戻す予定があるなら、できれば安く売れた方が買い手にも借り手にも有利ということになります。

そしてリースバックは賃貸借を前提に家を売買するので、もし借り手が住み続けることが出来なくなった場合には売却することも考えなければいけません。

そのリスクを軽減するためにも、買取価格が通常の60%~80%と低めに設定されています。

期待利回り

期待利回りが何%なのかを決めたら、上の月々の賃料を出す式に当てはめて計算し、賃料を決定します。

しかし上でも説明したとおり、買主にしてみれば元を取るだけでは儲けがないので、上で出した数字に希望利率を上乗せするのは当然のことです。

期待利回りを決める際、売却価格以外に考慮に入れるポイントがいくつかあります。

  • 借主がどのくらい住むのか
  • 借主が住まなくなった時、売ったり貸したりしやすい立地条件か
  • 住宅ローン残高がどのくらいか

リースバックを前提に買い取った家のはずが、何らかの事情で借主が出ていくとなれば、売るか貸すかの選択になります。

人気の場所に建っていて築年数が浅い比較的新しい家であれば、売却でも賃貸でもすぐに見つかる可能性があるし、賃貸にする場合などは期待利回りを低くできるのが一般的です。

古い家だったり、都心から離れた場所にあったり交通が不便だったりと、何かと家の価値が低い評価になるような点がある場合、借り手が見つかったとしても、賃料設定を高くしないと元もとれなくなってしまいます。

逆にあまり家が古すぎると、土地のみの価値に対してだけ賃料が設定されて、かえって安くなる場合もあります。

また、新しい家でもローン残高が比較的残っている状態だと、年々家の価値も下がっていくので、リスク回避として期待利回りを高く設定される場合もあります。

このように、期待利回りを決める際に考えるポイントは売却価格だけではないので、リースバックを利用する際にはその辺をよく確認して、バランスよく設定する必要があります。

借主がいつまで住むか

先述のとおり、売却後どのくらいの間住むのかでも、設定される期待利回りが変わってきます。

長く住むということで交渉すれば低く設定してもらえるかもしれません。

健康に問題がありそうだったり、生活が不安定そうなら、賃料が支払えなくなり出ていかれるかもしれないという心配から、高めに設定されるかもしれません。

後に買い取る予定があるなら、売却価格が安いほど買い取りやすくなるので、期待利回りも抑えられます。

リースバックを利用する理由

リースバック賃料

リースバックを利用しようとする背景には理由がそれぞれあるはずです。

その理由によって、優先するべきポイントが変わってきます。

そのポイントを明確にすると、賃料をどう設定するべきなのか見えてきます。

住宅ローンの支払いから解放されたい

住宅ローン支払いの生活費における割合が高いので軽減したいという希望の場合、それが一時的な希望なのかこの先ずっとなのかでも変わってきます。

どちらにしろ、毎月の賃料が住宅ローン支払い額より安くならなければ意味がありません。

教育費がかかるようになってきたので子供が自立するまでの間や、病気療養の間の収入減の間のみなど、一時的な期間だけの住宅ローン支払いの軽減のためにリースバックを利用するのであれば、買取価格は安い方が、賃料もそれなりに抑えられるし、落ち着いた頃に買い戻すとなっても、さほど難しいことではないかもしれません。

とにかく完全に住宅ローンから解放されたいということであれば、あまり注文を付けずできるだけ安く買い取ってもらい、徹底的に安い賃料を設定してもらうことを条件に交渉すればいいでしょう。

どちらにしろ賃料を安く抑えたいのであれば、通常の家の売却とは逆に、できるだけ安く買い取ってもらうことが条件になります。

まとまった資金が必要

急にまとまった資金が必要になったときの工面の為にリースバックを利用するケースもあります。

しかし必要な資金額に届かないと困るわけですから、万が一賃料が今の住宅ローンの額より若干高くなったとしても、大きな額の別の債務を負うよりも楽な選択と思ってリースバックを選べば問題はないでしょう。

なるべく高く買い取ってもらって一円でも多く資金を集めたい事情もあるでしょう。

その場合、賃料が高くなるのは覚悟のうえだとしても、ではその賃料をいつまでなら払えるかなど、計画をきちんと立てる必要があります。

遺産相続対策

遺産相続の対策としてリースバックを利用するケースも増えてきています。

家を相続させる場合、相続後に誰も住む予定がないのに、諸々の維持管理費がかかったり、固定資産税など税金がかかったりと、その時になって相続人の悩みの種になる場合もあります。

生前に現金化しておけば相続で揉める心配もなくなります。

そうなると、なるべく高く売って遺しておきたいと思うのが通常ですので、売却額の高さを優先するのも考え方としては間違いではないでしょう。

リースバックならそのまま居住も可能なので引っ越しの心配もないですし、相続人が買い戻すことも可能です。

まとめ

リースバックの賃料がどんな風に決まるのか、理由から考えてみましたが、いかがでしたでしょうか?

できるだけ高く売る通常の家の売却とは違うところも多いので、理由を明確にした上で、リースバックに強い会社を選ぶことが大切です。

希望の売却価格とその後の賃料について、納得いくまで検討することをおすすめします。

この記事が、リースバックの賃料の決め方に悩む方の参考になれば幸いです。

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