リースバックの罠に陥らないために理解すべきチェックポイント4選

リースバック 罠

皆さんは”リースバック”をご存じですか?不動産を活用して、資金を調達するという手段であり、本来は法人向けに利用されていたサービスでしたが、現在では個人の方が所有する住宅を対象としてサービスを提供している事業者も非常に多く、読者の皆さまの中にも実際に利用したことのある人もいるのではないでしょうか?

リースバックに注目が集まる大きな要因には、上記に触れた不動産活用による資金調達と、これに加えて売却した不動産を売却後にも(賃貸不動産として)継続して利用し続けられるという特徴が備わっているからだといえます。

しかしながら、リースバックには”罠”ともいえるデメリット・注意すべき点などもあり、リースバックを実際に活用しようとする際には、これらのことにも十分な注意を払う必要があります。

そこで、今回の記事では”リースバックの罠”と題して、リースバックを活用する際に事前に理解しておくべきデメリットや注意点に関して詳しく解説していこうと思います。ぜひ最後までご覧ください。

リースバックとはどのような資金調達手段なの?

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冒頭にてリースバックに関して軽く触れましたが、具体的にリースバックは「不動産の売買契約と賃貸借契約が一体化された不動産契約」と説明することができます。

一般的にそれぞれの契約が独立している場合、売買契約では不動産の売主と買主が契約を締結することで不動産の所有権の移転が行われるのみとなり、賃貸借契約では不動産の貸主と借主が契約を締結することで契約内容に基づいた不動産の賃借が行われるのみとなります。

リースバックでは上記の契約を一体化して行うため、リースバック利用者(不動産の売主)が買主との間で不動産の売買契約を行って所有権の移転を行うとともに、売却した不動産に関して売主が借主、買主が貸主となって賃貸借契約を締結され、売主は継続して不動産を医療するという一連の手続きが行われます。

今回の記事では、リースバックという資金調達手段が持つデメリットなどに着目していきますが、一般に以下のようなメリットがあることも事実であり、リースバックを利用する際にはメリットとデメリットのバランスを踏まえて検討していただければと思います。

◆不動産の売主側にとってのリースバックのメリット

  • 不動産を売却した後にも賃貸不動産として継続して不動産を利用できる
  • 多数ある資金調達手段の中でも比較的スピーディーに現金化できる
  • 不動産所有によって発生していた諸経費が家賃として一元化される
  • 不動産を売却したという事実が周囲に露見しづらい
  • 売買契約締結時に買い戻し特約を締結しておくことで不動産の買い戻しをすることもできる

リースバックのデメリット

リースバック 罠

ここからは今回の記事の本題である”リースバックの罠”として、リースバックのデメリットに関して見ていこうと思います。リースバックのデメリットとしては以下のものが挙げられます。

  • 売却価格が市場相場よりも安くなる傾向にある
  • 家賃が市場相場よりも高くなる傾向にある
  • 売却後には「賃貸不動産」となるため不動産の利用にあたって一定の制限を受ける
  • 賃貸借契約の種類によっては不動産の退去を迫られることがある

それぞれに関して詳しく見ていきましょう。

売却価格が市場相場よりも安くなる傾向にある

現在、多様なリースバック専門業者が存在しますが、彼らにとってリースバックという事業は「不動産”買取再販”事業」という扱いであり、リースバックを通じて不動産を買い取り、売主に賃借した後(売主が退去した後)には、また新たな不動産の買主を見つけなければなりません。

新たに不動産の買主を見つけなければいけないという場合、その容易さは、そもそもの不動産が立地している環境や、不動産の状態などに非常に大きく影響を受けます。この他にも、不動産価値を高めるためにリフォームを行ったり、より多くの人の目に届くように積極的な情報発信を行ったりする専門業者もあります。

リースバックの専門業者は、不動産を買い取る時点から、これらの費用が発生することを見越して買取査定額を設定するため、一般的な市場相場と比較して安価になる傾向が強いというデメリットがあります。

家賃が市場相場よりも高くなる傾向にある

上記の売却価格が安くなる傾向と同様の理由ですが、リースバック利用者が退去した後の、新たな不動産の買主を探すために発生する費用を見越して、家賃そのものを高く設定するということがあります。

リースバック専門業者によって、売却価格と家賃の設定はまちまちですので、ご自身が満足のいく調査・査定を行っている業者を見極めることが重要となります。

売却後には「賃貸不動産」となるため不動産の利用にあたって一定の制限を受ける

不動産を売却した後にも、確かに不動産を利用し続けることが可能となるリースバックですが、”賃貸不動産”として利用しているという認識を忘れてはなりません。

不動産を賃貸として利用している中で、改修や改造といった不動産の構造や意匠を大きく変更するような行為を行おうとする場合、必ず不動産の所有者(貸主)にその行為に関する許可を受けなければなりません。

ご自身の所有物であった際には必要のなかった手続きですが、賃貸不動産となると上記のような利用上の一定の制限を受けることになりますので理解しておきましょう。

これは、将来的に不動産の買い戻しを行おうとしている場合(実際に売買契約時に買い戻し特約を付して締結した場合)であっても同様のことですので、リースバックを利用している期間の間はきちんと「他人のモノを借りている」という意識を忘れないようにしましょう。

賃貸借契約の種類によっては不動産の退去を迫られることがある

リースバックでは不動産の売買契約と賃貸借契約が一体として行われるということは先に触れた通りですが、このうちの賃貸借契約を行う際、契約の種類によっては将来的に不動産からの退去を迫られる事態になることもあります。

賃貸借契約には、普通賃貸借契約と、定期賃貸借契約というものがあります。前者は賃貸借の期間を設けずに利用する契約方法であり、賃貸借契約を終了するための条件としては借主の退去の申し出、または、貸主の退去を求めるだけの相当の理由があり、退去日より相当の期間を持って借主にその旨を伝えていた場合となっています。

一方の後者は賃貸借の期間が予め定められており、この期間が到来した際には再度の契約更新を行うか契約終了をするかということになっています。そして、デメリットになり得るのが、借主が契約更新を希望した場合であったとしても、貸主はこれに必ず応じなければならない義務がないということです。

賃貸借契約は不動産売却後の生活に直結する部分に関しての内容締結であるため、十分に契約内容を確認するようにしましょう。

リースバックに掛かる収支の考え方と適切な選択

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これまでの説明にてリースバックの見落としがちな罠がどのようなものであるのかご理解いただけたかと思いますが、リースバックを利用する方の背景には、ローンの返済のため、老後の資金を用意するため、遺族に現金を相続させるためといったように、何よりもリースバックを通じた資金の獲得に焦点が当てられていることが多いです。

また一方でリースバックを利用しながら生活を送るとなると、きちんと家賃を支払い続けなければ賃貸借契約で締結した期間を満了することなく退去を迫られる事態にも陥りかねません。

つまりは、リースバックを利用する際には、それによってご自身の収支の状況がどのように変化するのかを的確に把握しておく必要があるということでもあります。

ですので、最後にリースバックの賃料と売却価格がどのように設定されているのか、両者の値段の関係性、それらを踏まえたうえでの適切なリースバック専門業者の選定に関して、以下より説明していこうと思います。

リースバックの賃料相場の設定方法

一般にリースバックの賃料は以下のように計算されています。

[ 賃料 = 売却価格 × 6%~15% ÷ 12ヶ月]

売却価格に掛けられている6%~15%の割合ですが、これはリースバックする不動産の投資採算効率によって変化するものとなっており、以下に示すような将来的にも買い取りの需要が見込める不動産であるほどパーセントは小さく設定される傾向にあります。

  • 築年数がさほど経っておらず手頃な大きさの一戸建て
  • 駅近といったような立地条件のよいマンション
  • 鉄道沿線沿いにあるといった立地条件のテナント

リースバック利用者にとっては、「できる限り不動産を高く売却するとともに、賃料が安く抑えられれば」という思いがあるかと思いますが、上記の式を見てわかるように、売却価格が上がれば賃料も上がり、賃料を下げようと思うと売却価格が下がるという関係にあります。

このことを理解したうえで、売主が適切な対応をとれるか否かがリースバックを適切に利用できたかどうかを判断するキーポイントとなります。

売却価格と賃料、どちらを優先する?

上記から、リースバック利用者にとって売却価格と賃料はジレンマの関係にあることが分かったと思いますが、結局のところ、どのような基準を定めて、売却価格と賃料のどちらを優先すればいいのでしょうか?

基本的には、リースバックを利用することで用途が自由な資金を獲得できるわけですから、リースバックを利用する理由としてローン返済のため、老後の資金の蓄えのためといったように、一定以上のまとまった資金を調達する必要がある場合には売却価格を優先した方が良いといえます。

一方で賃料を優先した方が良いケースとしては、賃料を抑えることで後の生活における負担を小さくできるわけですから、離婚によって安定した収入が一時の間は見込めないといったようなケースが挙げられます。

利用者のリースバックを利用する理由に大きく依存することにもなりますので、ご自身にとって適切な判断を下せるようになっていただければと思います。

まとめ

”リースバックの罠”と題して、リースバック利用上のデメリットや、リースバック利用による収支の見通し方と適切なリースバックの選択基準に関してご説明してきましたがいかがだったでしょうか?

メリットに注目が集まることの多いリースバックですが、今回ご紹介したように一定のデメリットも存在します。場合によっては、これらデメリットへの理解が不十分であったためにトラブルに発展してしまうということも十分に考えられます。ですので、この記事をきっかけにしてリースバックに関する理解をさらに深めていただければと思います。

また、実際にリースバックを利用する際にはさまざまな専門業者がどのような査定額を定めるのかをまとめて比較したいものかと思います。そんなときには、ぜひマイホームまもり隊のリースバックサービス一括査定を利用していただければと思います。

マイホームまもり隊は調査実績・調査額満足度・スピード対応満足度で業界No.1を獲得しており、リースバック利用者が満足のいくリースバック査定を提供するための企業知識が十分に蓄積されています。リースバックの利用を検討した際には、ぜひマイホームまもり隊の一括査定サービスも利用なさってみてください。

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