リースバックの仕組みとバランスシートの基本的な見方を紹介

リースバック バランスシート

リースバックの仕組みと、バランスシートの見方について詳しくご存知でしょうか?

普段の会話の中ではあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、不動産を所有している方や、会社を立ち上げている方は一度は聞いたことのある言葉かもしれません。

とくに、これから事業を起こすことを考えている方はリースバックとバランスシートについて、知っておくと何かと便利です。

リースバックとバランスシートの両方とも専門的な内容で難しく思うかもしれませんが、少し学ぶだけで理解することができます。

本記事では、リースバックの仕組みとバランスシートの見方、最後に資産のオフバランス化についてご紹介します。

リースバックについて

リースバック バランスシート

リースバックは「セール・アンド・リースバック」が略されて呼ばれているサービスの一つです。まとまった資金を確保したいときや、事業の資金繰りに行き詰まったときに、リースバックはおすすめのサービスですので覚えておくとよいでしょう。

ここでは、リースバックの仕組みと、メリットをご紹介します。

リースバックの仕組み

リースバックは、所有していた固定資産に相当する不動産を売却し、新たな所有者に家賃を支払うことで継続して利用することができる方法です。

次のような流れで、リースバックを利用することができます。

不動産の仮査定

まずは、リースバックを専門としている不動産会社に問い合わせます。売却に出す不動産の支払い状況や、売却価格、家賃などの希望条件について確認されます。

仮査定の提示

売却する不動産の机上価格(簡易査定価格)が提示されます。不動産会社のデータをベースに提示されるため、正確な査定価格ではありません。

条件や、売却価格についてしっかりと相談するとよいでしょう。

不動産の調査

実際に、売却する不動産を調査してもらい査定を行います。同時に、周辺環境の市場調査も行い、正確な買取価格が決定されます。

買取金額の提示

調査したデータをもとに、具体的な不動産の買取金額と契約条件が不動産会社から提示されます。買取金額と条件に納得ができれば、契約に進みます。買取金額や条件に同意できなければ断ることも可能です。

不動産売買の契約・賃貸開始

契約が締結され、買取金額が支払われることで売買が成立し、不動産の所有権が完全に移行します。

契約の締結と同時に不動産の賃貸が始まるため、家賃を支払い、引き続き売却した不動産を利用することが可能となります。

リースバックのメリット

リースバックを利用すると所有していた不動産を手放すデメリットが生じます。しかし、それ以上に数々のメリットがあることがリースバックの特徴です。

リースバックには、次のようなメリットがあります。

まとまった資金を調達できる

リースバックを利用すると、売却する不動産の買取金額を一括して現金で受け取ることができます。

さらに、現金を受け取るまでの時間が短い点もリースバックの特徴です。事業の運用資金をまとめて確保できるので、将来の事業プランを立てやすくなります。

家賃を支払うことで売却した不動産を引き続き利用できる

前述した内容と繰返しにはなりますが、リースバックは不動産会社と賃貸借契約を締結させることで、所有していた不動産を売却した後でも家賃を支払うことで利用することができます。

通常は不動産を売却すると引っ越しや、店舗の移転をしなければなりませんが、リースバックであれば引っ越しや、移転をする必要がなくなります。

固定資産のオフバランス化ができる

オフバランス化とは、事業のための資産(土地や建物)をバランスシートから除外することです。

資産のオフバランス化の詳しい内容については後述しますが、簡単にお伝えすると、リースバックを利用することで、資産の所有リスクを軽減できるため、経営の安定性を高めることができます。

バランスシートについて

リースバック バランスシート

バランスシート(B/S)は賃借対照表とも呼ばれ、決算日時点の会社の財政状態を示す書類です。

経営に携わる上で欠かせない書類のため、基本的な見方を学ぶ必要があります。ここでは、バランスシートの基本的な見方と、固定資産のオフバランス化についてご紹介します。

バランスシートの基本的な見方

バランスシートは左側に「資産」、右側に「負債」と「純資産」が記載されており、左右の合計金額は必ず一致しなければなりません。

「負債」+「純資産」=「資産」が成り立っていることと、それぞれの具体的な内訳が必ず表されていることがバランスシートの条件です。

バランスシートの資産、負債、純資産の意味を理解することで、会社の資金繰りなどが把握できるようになります。

資産

資産とは、集まったお金がどのような状態で保有しているか表すもので、流動資産と固定資産の2つに区分します。

流動資産は、短期間(1年以内)に現金化できる可能性のある資産のことです。

商品や製品、売掛金、受取手形、預金、有価証券などがあり、現金も流動資産に含まれます。

固定資産は、長期間(1年以上)にわたって保有している資産のことです。さらに、固定資産は「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」の3つに細かく区分されます。

有形固定資産は、物理的な現物がある固定資産のことです。建物・土地・車両など基本的には頻繁に売買することがなく、数年、数十年と保有し続けるものを指します。

無形固定資産は、形のない固定資産のことです。著作権や、商標権、借地権、ソフトウェアなどを指します。経済的な収益や法律で特別に価値が認められたものを無形固定資産と言います。

投資その他の資産は、有形固定資産と無形固定資産に該当しない資産のことです。投資有価証券や関係会社株式、長期貸付金、出資金などがあります。

バランスシートの資産は、現金化しやすいものから順番に記載することが原則とされており、上段に流動資産、下段に固定資産を書かなければいけません。

経営の運転資金となるのは基本的に流動資金です。バランスシートを見たときに流動資産の割合が少ない場合は、運転資金が乏しいことになります。

負債

負債とは、事業資金を調達する目的で借入している債務のことです。他人資本とも呼ばれ、バランスシートの右上に返さなければいけない具体的な負債の内訳を書き表します。

負債も資産と同じように「流動負債」と「固定負債」の2つに区分されます。

流動負債は、1年以内に返済しなければいけない債務のことです。買掛金や未払金、支払手形、短期借入金などが該当します。

例えば、材料や商品を仕入れたときに、支払い代金を後払いすると買掛金が発生します。この買掛金が流動負債です。勘定科目の種類が非常に多いため、バランスシートに書き表す際は注意して記入しなければなりません。

固定負債は、返済に1年以上かかる債務のことです。社債や長期借入金、退職給付引当金が該当します。

借入したお金の返済期限が1年を超える場合は、全て固定負債に分類されます。

バランスシートには、原則として支払い・返済期日が近いものから順に記載しなければなりません。上段には流動負債、下段には固定負債を順番に書き表します。

純資産

純資産とは、流動負債や固定負債とは違い、返済をしなくてもいい資金のことです。原則として、バランスシートの右下に純資産の内訳を書き表すことが決められています。

純資産は自己資本とも呼び、会社の財政の健全性を示します。

純資産は「株主資本」と「株主資本以外」の2つに区分されます。中でも、株主資本についてはきちんと理解しておくことが重要です。

株主資本は、資本金や資本剰余金、利益剰余金、自己株主の4つをまとめたものを言います。純資産のほとんどが株主資産で占めます。

簡単にお伝えすると、株主から出資してもらった資金と、事業で得た利益の蓄積を表すものです。株主資産を見ることで、会社の資産を確認することができます。

負債の割合よりも純資産の割合が大きければ、会社の財政状態が安定していると言えるでしょう。逆に、負債の割合が大きければ、債務超過の状態であり、倒産のリスクが高いと判断できます。

自己資本比率

自己資本比率とは、会社の全財産のうち、純資産をどれくらい保有しているのか計算したもののことです。自己資本の比率は『純資産÷総資産(資産の総合計)×100=自己資本比率(%)』で出すことができます。

自己資本比率の数値が高いほど、安定した経営をしている会社であると判断できます。逆に、自己資本比率の数値が低ければ、倒産リスクの高い、不安定な経営をしている会社と判断されるでしょう。

一般的に、自己資本比率が40%以上であれば倒産しにくい会社、50%以上であれば優良な会社と言えます。

資産のオフバランス化

前述したように、所有している不動産をリースバックすることでバランスシートから外すことができます。

固定資産として分類される不動産がバランスシートから外せることで、次のようなメリットがあります。

  • 資産と負債のバランスの調整がしやすくなる
  • 自己資本比率が上昇する
  • 会社の評価上の指標の数値が良くなる
  • 銀行の審査が通りやすくなる

リースバックを利用するとバランスシートの内訳がシンプルになり、自己資本比率と会社の価値が上がる可能性があるため、銀行からの資金の調達がしやすくなります。

また、リースバックを利用して所有していた不動産を手放すことで、固定資産税や維持管理費、価格変動、地震などによる損失が経営に影響しなくなることもオフバランス化するメリットと言えます。

まとめ

本記事では、リースバックの仕組みとバランスシートの見方、最後に資産のオフバランス化についてご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?

リースバックはまとまった資金を調達できるサービスの一つです。これから事業を考えている方、事業の資金繰りに困っている方はリースバックの利用を検討しても良いでしょう。

また、バランスシートは事業を行う上で、必要な書類です。まずは、事業を行うための準備として、バランスシートの基本的な見方を理解しておきましょう。

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