転勤で家を売ると決めたら？家を売る手順5つと確認するべき点3つ

転勤で家を売ると決めたら？家を売る手順５つと確認するべき点３つ

急に決まってしまった転勤で持ち家をどうするかは、マイホームを持つ身であれば誰もが頭を悩ませる一番大きな問題だと思います。

賃貸にするか、空き家にするか、売却するか。

しかしもしあなたが、転勤で家を売ることに決めているのであれば、１秒でも早いうちに話を進めるのが得策です。

ここでは、転勤で家を売ると決断した時の売却の流れと、確認するべき注意点を押さえておきたいと思います。

転勤で家を売る場合のメリットとデメリット

色々と検討した末に売却を決めたとは思いますが、ここではもう一度、家を売る場合のメリットとデメリットを確認しておきます。

メリットは以下の通り。

• 賃貸や空き家にした場合にかかる手間や諸費用がかからない
• 住宅ローンを完済することになり、場合によってはまとまった資金が手に入る
• 移転先で新しい家の購入を検討できる

住宅ローンに縛られることがなくなるので身軽になれることが一番の魅力でしょう。

そして、売却価格が残債を上回る場合、まとまった資金が手に入ります。

それを元手に、移転先での新しい家の購入を検討することもできます。

そしてもちろんデメリットもあります。

• 思い入れのある家を手放すことになり、戻ることもできなくなる
• 家族で転居するのであれば、みんなが住める規模の家を探さなければならない
• 遺産として残せない
• 住宅ローン控除が受けられなくなる

それ相当のデメリットはありますが、結局、転勤期間がある程度長かったり、いつ戻ってくるか分からなかったりするのであれば、売ってしまうことのメリットを活かすべきです。

転勤で家を売るか売らないかは、当てはまる条件をひとつひとつ見ていけば、見合った選択がちゃんとできます。

家を売る手順

さて、家を売ると言っても実際、どんな流れで売却されていくのでしょうか？

人生に何度も経験できることではないので、心配になるかと思います。

ここでは、家を売る手順を確認してみます。

１．不動産会社に家の査定を依頼する

せっかく売るのですから、高く買ってもらうに越したことはありません。

基本的には、査定の際はお金はかかりません。

今はインターネットという、情報収集のための便利なツールもあります。

同じような条件の家がどのくらいの価格で売れるのか、まずは自分で出来るところまで調べてみましょう。

そして大体の目安を確認出来たら、不動産会社に実際に相談してみます。

査定価格の他に、担当者の対応や、得意とする物件や地域など、さまざまな条件で候補を絞ることになりますので、複数の不動産にまとめて査定を依頼しましょう。

２．媒介契約を結ぶ

不動産会社を選択したら、次はその会社と「媒介契約」を結ぶことになります。

媒介契約の種類は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の３種類があります。詳しくは後述します。

個人が自分で家を売るのは相当難しいので、不動産会社に仲介してもらうための契約を結びます。

宅地建物取引業法によって、売主の不利にならないように締結しなければいけないことになっています。

買主を探すための売却活動をどのように行い、成約の際の報酬はどのようにするかなどを、売主が選んだ不動産会社と、媒介契約書によって取り交わします。

３．内覧してもらうなど、売却活動をする

すみずみまでキレイに掃除してから内覧してもらうと、買主も居住時のイメージがしやすいので契約に繋がりやすいです。

しかし、転勤となるとあまり時間もかけられず、荷造りで部屋の中が落ち着かない状態なのがほとんどかもしれません。

引っ越した後のキレイな状態でも不動産会社に内覧時の立ち合い等の依頼はできますし、媒介契約の際に、内覧時の不在が可能か確認しておくといいでしょう。

４．売買契約を締結する

買主が決まったら、いよいよ売買契約を締結します。

決算時は売主と買主のそれぞれの司法書士や仲介業者、いわゆるプロが集まって、契約の手続きをすすめてくれます。

担当者と売却価格や引き渡し時期の希望などをしっかり確認してもらい、お互い納得の上で契約を交わします。

５．引き渡し

引き渡し日は売買契約の際に決めてあるので、その日に向けて転勤先への引っ越しや荷物整理、清掃等を済ませておきます。

そして買主から振込などでお金を受け取り、鍵を渡したら引き渡しは完了です。

お金の受け取りと鍵を渡すタイミングは合わせます。

確認するべき点３つ

流れは上記の通りですが、確認しておくべき点が３つあります。

家の売却は確かに個人にはハードルが高いですが、ある程度のポイントを押さえておくと安心です。

媒介契約

上でも紹介しましたが、３つの媒介契約があります。ひとつずつ説明します。

一般媒介契約

同時に複数の不動産会社と契約が可能です。

自分で探してきた買主に家を売ることもできるので自由度が高いです。

不動産会社の方でも、他の会社が入っていることが分かるので、会社同士で競い合って売買活動を積極的にしてくれます。

契約期間は特に規定はありませんが、国土交通省の定める標準媒介契約約款で、一般的には３ヶ月以内です。

ただし、進捗状況の報告は任意なので、まめに連絡をしてくれるわけではありません。

専任媒介契約

契約は１社とだけ結びます。

買主を自分で見つけた場合、買主と仲介料なしで直接取引ができます。

仲介する不動産会社は、成約すれば会社に仲介手数料が入ってくるのが分かっているので、広告費や宣伝費など手間をかけて買主を探してくれます。

契約期間は、３ヶ月以内です。

進捗状況の報告は２週間に１回以上程度です。

専属専任媒介契約

１社しか契約できません。

例えば身内が買いたいとなっても当たり前に仲介手数料を支払わなければなりません。

そして、成約すると仲介手数料が確実に入るのが分かっているのは専任媒介契約と同じなので、営業活動をしっかりと行ってくれます。

こちらも、契約期間は３ヶ月以内です。

しかし進捗状況の報告は１週間に１回以上なので、逐一報告がくるイメージです。

「レインズ（指定流通機構）」という、不動産会社が情報検索したり登録したりできるネットワークシステムがあります。

このシステムへの登録義務が、この３つの媒介契約によって違います。

• 一般媒介契約は、法令上、登録の定めなし
• 専任媒介契約は、媒介契約から１週間以内
• 専属専任媒介契約は、媒介契約から５日以内

レインズに登録すると買主を見つけやすくなります。

逆に、登録までの日数の間は、その不動産会社が情報を囲いこんでいる状態になります。

そうなると、売却までより時間がかかってしまうことも考えられます。

信頼できる不動産会社や担当を見つけられた場合、専任媒介契約か専属専任媒介契約を結ぶのが一般的です。

売れ行きが心配になるような立地条件だったり物件だったりする場合も、しっかり営業してくれて、レインズに登録義務がある、この２つが安心でしょう。

不動産会社に買い取ってもらう選択肢もある

急いでいる時は不動産会社に買い取ってもらうのも手です。

不動産会社に買い取ってもらう方法は「即時買取」と「買取保障」の２つがあります。

即時買取

仲介して買主に売る場合より相場が安くなってしまうことが多いですが、不動産会社が買い取ってくれるとすぐに売却できて現金化も早いです。

債務整理などによく利用されるリースバックもそうですが、１ヶ月以内に引き渡して売却金を受け取ることも可能です。

買取保障

まずは通常通り、期限付きで仲介してもらって買主を探しますが、その期限内に決まらなかったら不動産会社が買い取ってくれるというものです。

転勤の場合は特に、期限内に必ず売れるので安心です。

ただ、買取については扱っていない不動産会社もあります。

買取価格は普通の売却と同じで不動産会社によって違います。また、転勤で急いでいるところに付け込まれる可能性もあるので、やはり複数の会社に見積もりを出してもらいましょう。

転勤前に売れなかったら？

もし転勤前までに売れなくても、転勤先でも家は売れるので焦らないことが大切です。

遠方で売買契約を交わす方法も３つあります。

持ち回り契約

不動産会社と売主、買主の三者間で、郵送により契約書を交わします。

代理契約

信頼できる人間が物件のそばにいるなら、代理を頼んで契約します。

具体的な内容の委任状が必要になります。

司法書士に依頼

費用を考えると現実的ではないかもしれませんが、面倒な全てを任せられるので一番手っ取り早いかもしれません。

そもそも家を売るには最低で３ヶ月、通常は６ヶ月と時間がかかるものです。

遠方まで足を運ぶのは大変ですが、慌てて売って損をするよりはマシでしょう。

まとめ

転勤で家を売ると決めた時の、手順５つと確認するべき点を３つ挙げてみましたが、いかがでしたか？

手順やポイントをいろいろと並べてみましたが、家を売ると決めたのであれば、なによりも大切なのは「１秒でも早く行動すること」です。

査定を受ける時は掃除が住んでいなくても問題ありません。転勤が決まったら、早々に査定だけでも受けましょう。この記事が、転勤で家を売ると決めた方の参考に、少しでもなれれば幸いです。