コロナ禍での不動産担保ローンの活用方法を理解しよう

皆さんはコロナ禍をどのようにお過ごしですか？コロナが流行り始めてもう1年が過ぎていますが、これまでと違った生活に四苦八苦されている方や、これを機にと、新たな生活を楽しんでいる方もいるのではないでしょうか？

生活様式の変化が顕著なことはもちろんですが、日々の生活における金銭面についてはどうでしょうか？経済の滞りを感じることもあるかと思いますが、その煽りを受けている方にとっては生活面での資金繰りに苦しさを感じているのではないでしょうか？

更に、ローンなどの返済を進めてきた方の中には、ローンの返済が難しい状況に立たされている方もいるのではないでしょうか？

この記事では新たに不動産担保ローンを利用して資金を用意しようという方や、担保ローンの返済が困難になっている方に向けて、不動産担保ローンの有効な利用方法やローンを返済するための方法をご紹介しています。ぜひご一読下さい。

コロナ禍の資金繰りの一助に【不動産担保ローンの利用】

ここでは資金繰りの一助として活用することのできる不動産担保ローンをご紹介していきます。融資のために必要となる書類などについてもご紹介していますので、きちんと理解していきましょう。

不動産担保ローンとは

不動産担保ローンとは、不動産を担保にして受けることのできる融資(ローン)のことを指しています。資金繰りに困っているという方で不動産をお持ちの方は、ひとつ検討してみる価値のある方法かと思います。

注意点として、不動産を担保として設定しているため、ローンの返済が滞った際には、不動産が差し押さえられます(所有権が融資した側に移ること)。その後、競売という売却方法を通じて新たな不動産の買受人に売却し、その代金をもって残りの返済額に充当されます。

以上の流れとなっているので融資を受ける際には返済計画までもきちんと見通すようにしておきましょう。

不動産担保ローンを受けるための準備

不動産担保ローンでは不動産という価値の大きい物品を担保としているため、比較的多くの資金を融資してもらえる傾向があります。

しかしながら、融資を行う金融機関などにとっては大きな出費であるため、不動産を担保として融資を行うことはもちろん、融資をするまでの審査も比較的厳密に行われます。

融資の審査の際には、融資を受けようとしている人がきちんと返済能力を有しているのかを計る「信用力」という指標と、担保とする不動産がどれほどの価値があるかを審査されます。

不動産担保ローンに必要な書類

ここでは不動産担保ローンを受ける際の審査と契約のタイミングで必要となる必要書類に関してご説明します。

不動産担保ローン審査時の必要書類

不動産担保ローンの審査時に必要となる書類は以下の通りです。

• 登記事項証明書
• 公図
• 地積測量図
• 建物図面
• 借入金返済予定表・借入金残高証明書
• 固定資産税納付証明書・納税通知書
• 固定資産評価証明書

それぞれに関して詳しく見てみましょう。

登記事項証明書

登記事項証明書とは、担保とする不動産の詳細を表した書類のことです。該当するものには物件案内図や不動産登記簿謄本などがあり、両方とも法務局にて手に入れることができます。

公図

公図とは土地図面のことです。公図からは土地の形状や地番、隣接する土地との位置関係を読み取ることができます。公図は法務局にて入手できるだけでなく市役所等にて閲覧や写しの請求ができるようになっています。

地積測量図

地積測量図とは、土地の地積(面積)や形状などが記されたものです。この図面は法務局にて入手できます。

建物図面

建物図面とは、建物の敷地や敷地内での建物の位置関係、各階の形状や寸法が記された図面です。法務局にて手に入れることができます。

借入金返済予定表・借入金残高証明書

不動産担保ローンを申し込む際に既に他の借り入れがある場合には、その残高や今後の返済予定を把握する必要があります。借入金返済予定表、借入金残高証明書などは金融機関にて発行してもらえます。

固定資産税納付証明書・納税通知書

担保不動産の固定資産税が未納となっていないかを証明するための書類です。市役所等に申請することで最新年度から遡って5年度分までの納付状況が記されたものが発行されます。

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書とは固定資産税の計算根拠となる内容を記した書類です。市役所等の税金を取り扱っている担当課にて交付を受けられます。

不動産担保ローン契約時の必要書類

不動産担保ローンの審査も無事に通過し、契約となった際に必要となる書類は以下の通りです。

• 登記識別情報通知書
• 印鑑登録証明書・印鑑証明書の登録印
• 本人確認書類・収入証明書
• 家族全員が記載された住民票

馴染みのある書類が多いかと思いますのが、登記を行う際に特有な書類が登記識別情報通知書となります。

登記識別情報とは、登記名義人となった申請人に通知される識別番号のことであり、権利証の代わりとして機能します。登記の完了によって、登記識別情報通知書が通達されます。

コロナ禍のローン返済をどう乗り越える？

これまでは資金を用意するための不動産担保ローンの利用に関して見てきましたが、ここからは融資を受けたものの、その返済に困っているという場合にどのように乗り越えられるかをご紹介したいと思います。

任意売却

冒頭にて、不動産担保ローンの返済が滞った際には、不動産が差し押さえられ競売に掛けられると説明しましたが、競売もひとつの売却方法です。

しかしながら一般的な売却方法と比較して、不動産の価値が低く見積もられる場合があり、ローンの返済に十分な額となることは少ないです。加えて、不動産の所有権が強制的に他者に移行するため精神的な負担も大きくなってしまいますよね。

そこで検討したいのが任意売却です。任意売却であればご自身の計画のもと売却を進めていけるので精神的な負担も小さく済み、競売のような価値が低く見積もられる可能性も小さくなるものです。

それでは各種の売却方法を説明していきます。簡易的にメリットを書いていますがご自身の状況を踏まえて適切な売却方法をご検討下さい。以下の3つが主な売却方法になります。

仲介

仲介とは、不動産の売却をする際に、新たな買受人との間に不動産業者を仲介者として入れて行われる売却方法となります。仲介の契約方法にもよりますが、比較的多くの人に不動産の情報が行き渡るというメリットがあります。

買取

買取とは、売却しようとしている不動産を不動産業者に直接買い取ってもらう売却方法となります。買取は不動産の所有者と不動産業者の間でのやり取りとなるため、比較的、売却期間が短く済むというメリットがあります。

買取保証

買取保証とは、端的に言うならば仲介と買取の良いとこ取りをした売却方法のことです。買取保証では、仲介の形式での売却活動が行われ、もし仲介による売却が実現しなかった場合には、売却予定の不動産を不動産業者に買い取ってもらうという仕組みが取られています。

売却するだけが全てじゃない【リースバック】もご検討を

ローンの返済が滞った際に起きる競売や、この問題の事前の解決方法として任意売却をご紹介しましたが、これらは「不動産を手放す」というステップを踏まえたうえで実現する売却方法だと言えます。

しかしながら、長年暮らし続けると、ご自身のお住いに対して愛着が湧いていくものですよね。なんの迷いもなく「不動産を手放す」という選択肢を選ぶのは難しいですよね。そこで、不動産を売却しつつもこれまでと同じ暮らしを実現できる方法として「リースバック」があります。

ここではリースバックの概要や、メリット・デメリットに関してご紹介していきます。

リースバックの概要

リースバックとは不動産を売却する際に、売買契約を行うだけでなく、新たな買受人との間で賃貸借契約を結ぶ方法のことを指します。

売買契約によって不動産の売却代金を買受人から受け取ることができると同時に、賃貸借契約によって今まで住み続けてきた住宅を持ち家から貸し家として扱い、新たな買受人に家賃を支払うことで、これまでと同じ生活を実現できるようになっています。

リースバックのメリット・デメリット

リースバックの大きな特徴はこれまで住み続けてきた住宅に暮らし続けながらも資金を手にできることです。この特徴以外にもリースバックにはメリット・デメリットがあるため確認しておきましょう。

リースバックのメリット

以下は売却主が得られるメリットとなっています。

• 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる
• 不動産に掛かる費用が家賃となるため月々の支出が固定される

買受人が得られるメリットは以下の通りです。

• 安定的な家賃収入を期待できる
• 売却主からの再度の買い戻しが期待でき売却で利益を出しやすい

リースバックのデメリット

売却主が考慮する必要のあるデメリットは以下の通りです。

• 売却価格が任意売却よりも安くなる傾向にある
• 賃貸契約の種類によっては退去しなければいけない場合もある

以下が買受人が考慮すべきデメリットとなります。

• 買受後、一定期間は売却主に不動産を貸さなければならない
• 売買契約時の条件によっては売却主の買い戻し申請に応じなければならない

まとめ

ここまで不動産担保ローンの利用方法、不動産担保ローンの返済が滞っている際の解決方法となり得る任意売却やリースバックに関してご説明してきましたがお分かり頂けたでしょうか？

コロナ禍にあっては日々の生活での資金繰りに頭を抱えている方も多いかと思います。そのような状況の中での不動産担保ローンは、解決策になる場合もあれば、生活の首を締めるものになってしまう場合もあります。

この記事がコロナ禍における不動産担保ローンとの上手な付き合い方に関して考えてみるきっかけとなり、皆さんがもしもの状況に陥った時には有益な情報となってくれると幸いです。