リースバックについて【意味と特徴】を他の売却方法と比べて理解しよう

リースバック 意味

皆さんは「リースバック」という言葉をご存知でしょうか?不動産の売却方法のひとつであるリースバックですが、ご自身の住まいとの新しい付き合い方として徐々に注目を集めるようになってきました。

この記事ではリースバックがどのような売却手法であるのかをご紹介するとともに、リースバックならではの特徴を、他の売却手法と比較しながらご紹介していきたいと思います。

この記事を通してリースバックに関するご理解が深まっていただければ幸いです。ぜひご一読ください。

リースバックの解説

リースバック 意味

リースバックとは売買契約と賃貸借契約が一体となった売却手法を表しています。

一般的な売買契約では、ご自身が売主であった場合、売却した物品や不動産などは手放さなければならず、売却した後もご自身が使うということはできませんよね?

しかしながら、リースバックであれば売買契約をした後に、新たな持ち主となる買主との間で売却した物品の賃貸借契約を結ぶことで、物品の所有権は買主へと移行するものの物品の利用を継続していけるという仕組みになっています。

リースバックの利用が図られているケースには、住宅などの不動産や、車両が挙げられます。

まとまったお金が必要となった場合や、不動産ローンや自動車ローンの返済が厳しい状況にあるといった場合に、住宅や自動車を売却して得られた金銭を充てられればいいものの、これまでと同じように利用したい、という方にはもってこいの方法かと思います。

次に、このような仕組みであるリースバックが具体的に他の売却手法とはどのような部分で異なっているのかを見ていきたいと思います。

特にこの記事では、住宅などの不動産を対象にして、リースバックと似たような結果となるけれども中身の異なる「親子間売買」と「リバースモーゲージ」との比較を行っていきます。

結果は似ているのに仕組みが違う!他の売却方法と比べてみよう

リースバック 意味

リースバックを利用することでどのような結果が得られているかというと、ずばり「まとまった資金を手にできると同時に、これまで利用してきた住宅や自動車などを今後も使い続けられる」ということですね。

ここでは「これまで利用してきた住宅や自動車などを今後も使い続けられる」という結果は同じだけれども仕組みの異なる「親子間売買」と「リバースモーゲージ」についてご紹介いたします。

これらの紹介の後にはそれぞれのメリット・デメリットをご紹介していきますので、どのような仕組みであるのかをざっくりと掴んでおきましょう。

親子間売買

まず初めにご紹介するのは、親子間売買です。親子間売買とは、読んで字のごとく、といったところですが、親子の間で売買契約を結ぶことです。

一例としては、年を重ねたことでこれまで暮らしてきた住宅での生活に不自由が増えてきたため息子・娘家族に家を譲って、高齢者向け住宅へ転居をしようといった場合です。

親子間での売買契約となるため、単に譲るといったものではなく、きちんと売却代金を手にすることができるのが特徴と言えます。

一例では高齢者向け住宅への転居を挙げましたが、親子間売買を行う前に、予め親子の間で協議を図っていれば、住宅は息子・娘家族に渡しつつも、これまでと同じように住宅での生活を続けていくといったことも可能になります。

もちろん、高齢者住宅への転居となった際などのまとまったお金も用意できるので、リースバックと同様に検討の価値があるといえます。

リバースモーゲージ

次にご紹介するのは、リバースモーゲージです。リバースモーゲージとは、持ち家を担保にして融資上限額まで融資を受けられる仕組みを指しています。

リバースモーゲージでは売買契約などを行っていないため、ご自宅の所有権を維持したままで住宅に住み続けられるというのが特徴です。

また、持ち家を担保とした融資には「住宅ローン」の方がよく耳にする言葉かと思いますが、住宅ローンの場合には月々の返済を行うのが一般的ですよね。

リバースモーゲージでは家の所有者が亡くなられた際に、担保としていた不動産を売却し、借りていたお金を返済するという仕組みになっているため、月々の返済は発生した利息分のみとなります。

また、住宅ローンが一般的に一括での融資であるのに対し、リバースモーゲージでは一括での融資だけでなく月々の融資といった選択も可能となっています。

補足として、「亡くなられた際に融資分を一括返済する」という仕組みであるため、高齢者の方に勧められる仕組みであると言えます。

それぞれのメリット・デメリットはどこにある?

リースバック 意味

これまで、リースバック、親子間売買、リバースモーゲージに関してご紹介してきましたが、ここではそれぞれのメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

リースバックのメリット

リースバックの利用によるメリットは以下の通りです。それぞれについて見てみましょう。

売却後も自宅に住み続けられる

リースバックの大きなメリットはずばり、売却してまとまった資金を手に入れつつ、自宅に住み続けられることにありますね。

まとまった資金を事業資金として充てることも、住宅ローンを一括で返済する資金として充てるなどさまざまな利用が可能です。

売却したという事実が知られにくい

それぞれのご事情もあるかとは思いますが、住宅を売り払うとなると、ご近所さんからの勝手な憶測などに手を焼いてしまうということもあるのではないかと思います。リースバックであればこのような心配を軽減することができます。

リースバックのデメリット

リースバックのデメリットは以下の通りです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

自宅を自由に扱えない

自由に扱えないとは言いましたが、生活をするうえでは賃貸借契約を結んでいるので心配要りません。しかしながら、問題となるのは住宅を改築・改造するといったことを検討したい際です。

リフォームなどの際には家主への許可が必要となるため、長期的な生活をご検討する場合には注意しましょう。

自宅を退去しなければならない場合もある

退去を迫られるケースが出てくるのは賃貸借契約をどのような形式で結んだかに依ります。

賃貸借契約のなかには一定期間内での賃貸借を条件とした、「定期賃貸借契約」というものもあり、この形式で契約をした場合には、更新も可能ですが、満期達成が近づくタイミングで退去を求められる恐れもあります。

親子間売買のメリット

次にご紹介するのは親子間売買のケースです。親子間売買でのメリットは以下のようなものが挙げられます。

所有権が第三者に渡る恐れがない

身内に所有権が移るというのは安心も大きいのではないでしょうか。リースバックでは新たな買主との間での賃貸借契約の条件設定などで合意が円滑に進むのか不安が大きいですが、親子間の協議であれば幾分取り組みやすいのではないかと思います。

贈与税が発生しない

適正な物件価格での親子間売買であれば、生前贈与のような形で自宅を子供に譲るような場合に発生する贈与税の対象とならないため、節税対策として検討する価値があります。

親子間売買のデメリット

親子間売買でのデメリットには以下のものが挙げられます。

買主側の資金力の必要性

親子間売買では、買主(主に息子さん・娘さん)に物件を一括払いで購入する資金が必要となりますが、この際には金融機関からの住宅ローンの融資が受けにくいという問題があります。融資金の悪用を避ける措置として、親子間売買に対応している金融機関は少ないかと思います。

個人での契約書類の準備が必要

親子間売買での契約書類は個人が作成することになるため、専門的な知識のない人には重労働となります。司法書士・行政書士からのサポートを受ける際の、依頼のための費用などが発生する可能性も覚えておきましょう。

リバースモーゲージのメリット・デメリット

リバースモーゲージのメリットとデメリットは以下の通りです。それぞれについて見ていきましょう。

メリット:ご高齢者の事情に柔軟に対応できる

老後の生活資金として利用したい場合には融資は月々で受けられる形が望ましく、老人ホームへの入居のための一時金としてであれば一括で受けたいという場合もあると思います。

加えて、担保としていた不動産の売却額で返済額に達さなかった際の残債を保証人に引き継ぐタイプ、引き継がずに済むタイプ(こちらの場合は月々の利息額がやや大きくなる傾向にあります)なども揃っています。

これらの事情に対応できるのは高齢者の方にとって魅力的かと思います。

デメリット:途中での返済を求められる可能性がある

一方のデメリットとしては、担保となっている不動産の価値動向によっては途中での返済を求められる場合があります。

リバースモーゲージでは、数年ごとの定期的な不動産の評価見直しが行われており、不動産評価の見直しに伴って変化する貸付限度額が借入額を下回った場合には返済を求められる場合があります。

まとめ

これまで、リースバックの仕組みや特徴を他の売却方法と比較しながらご紹介してきましたがご理解いただけたでしょうか?

リースバックの「住み続けられる」というメリットが注目を集めるきっかけになっていると思いますが、これを実現するための方法が他にもあるというのは驚きもあったのではないでしょうか?

リースバックのメリットやデメリットをご理解してもらうことはもちろん、ご自身の年齢や家庭環境、将来に亘るご自身の生活を踏まえると、親子間売買やリバースモーゲージを検討すべき場合もあるかと思います。

これまで住まわれ続けてきた大切な住宅であるからこそ、この記事が、ご自身の住宅との将来に亘る付き合い方を検討するきっかけとなって下さると幸いです。

具体的な検討をする場合には手続きのための必要書類なども理解する必要があるため、気になった方はぜひ積極的にリサーチなさってみてください。

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