リースバックでよくある相談とは?活用からトラブルまで詳しく紹介

皆さんは”リースバック”というものをご存じでしょうか?リースバックを活用することで”生活(事業)資金をスピィーディーに調達することができ、加えて、売却物を継続して利用できる”という利点ともいうべき特徴から、近年注目を集めつつあります。

注目が集まるに伴って、ここ最近増えてきているのが、リースバックの利用に関する相談事例です。相談事例は多岐に亘りますが、その多くは、「どのようにリースバックを活用できるのか?」と「リースバックを利用するにあたってトラブルになるようなことはないのか?どのように回避することができるのか?」に大別できます。

冒頭にて触れた利点に多くの注目が集まりがちですが、リースバックを最大限に活用するとともに、スムーズな手続きを実現するためには、事前の理解が必要不可欠であるといえます。

この記事ではリースバックの基礎知識を抑えた後に、どのような方におすすめの方法であるのか、リースバック活用の際によくある相談に関してご説明していきますので、ぜひ最後までご覧になってください。

リースバックの基礎知識

リースバック 相談

リースバックとは、不動産取引の1種であり、”売買契約と賃貸借契約が一体となった取引手法”のことを表しています。

一般的な不動産取引では、売買契約、賃貸借契約の一方を利用して不動産を利用することが多いかと思いますが、リースバックではご自身がお持ちの不動産を他の人(個人であったり、リースバックを請け負っている専門業者であったりします)に売却すると同時に、売却物に関する賃貸借契約を行うことによって売却以前と同様の利用が実現できるようになっています。

また、不動産の売却に伴った売却資金を手にすることもでき、これらの使用に関する制限は特に定められていないため、生活資金として・事業資金として利用することができ、一般の方から事業者の方まで幅広く活用がなされています。

リースバックのメリット

リースバックの大きな特徴についてご確認できたかと思いますが、それが具体的にどのようなメリットを及ぼすのかに関して確認していきましょう。

リースバックで挙げられるメリットには以下のものがあります。

〈メリット1〉売却物件を新たに賃貸物件として利用し続けられる

〈メリット2〉売却による売却資金の入手(現金化までの手続き)が迅速である

〈メリット3〉将来的に買戻しをすることも可能となっている

それぞれに関して確認していきましょう。

メリット1:売却物件を新たに賃貸物件として利用し続けられる

リースバックの特徴ともいうべきものですが、売却物を売却した後にも同様に利用することができるのが1つ目のメリットになります。

単なる売却を選択した場合には新たな引っ越し先などを探す必要も出てくることとなり、物理的な負担も費用面での負担も大きくなります。このような状況を回避できるのも魅力的な点だといえます。

メリット2:売却による売却資金の入手(現金化までの手続き)が迅速である

まとまった資金を調達する手段としては複数挙げられますが、信頼性の高い方法である銀行からの融資を例に挙げてみると、さまざまな審査を経る必要があり、ある程度の時間を要することとなります。

リースバックの場合には上記に挙げた審査といったステップはなく、リースバックを請け負っている専門業者の選定とリースバックの申し込み、専門業者による売却物件の査定額の算出、(査定額に納得できる場合に)売買契約・賃貸借契約と進んでいきます。

現金化のために必要となるのは売買契約のステップを経るだけであるため、非常にスピーディーであるといえます。また、銀行融資の場合と異なり、使用の用途に制限もないことも大きな魅力であるといえます。

メリット3:将来的に買戻しをすることも可能となっている

リースバック物件を継続的に利用する中では、賃貸借利用として定期的に更新を行うことがあるかと思いますが、リースバック利用者が採れる選択肢には①賃貸借契約を更新する、②別の場所へ引っ越す、③リースバック物件を買い戻すの3つが挙げられます。

資金入手のために一時的に物件を手放したものの、将来的には買い戻す目処が立つような場合に有効となるメリットです。しかしながら、買戻しを検討する場合には、売買契約書への記載内容に特約として”買戻しに関する規定を設ける”必要があるため、このことを頭に留めておくようにしましょう。

リースバック活用の際のよくある相談

リースバック 相談

最後に、リースバックを活用する際に頻繁に出てくる相談事にどのようなものがあるのかを確認していきましょう。

リースバックを検討されている方にとっては”どのように活用すればいいのか?”、リースバックを実際に活用されている最中の方には”このようなトラブルが起こっているものの、どのように対処すればいいのか?”といったことが主となりますので、その2点に焦点を当てて解説していきたいと思います。

リースバック活用のための相談

リースバックの活用を目的として、リースバック検討者から聞かれる相談には以下のものがあります。

  • 「自宅が差し押さえられ競売に掛けられそうになっているものの、リースバックは利用可能なのか?」
  • 「早急にまとまった資金を用意したいけれど、リースバックを利用できるか?」
  • 「収支状況や物件所有リスクを整理する一環としてリースバックを活用できるか?」

それぞれに関して見ていきましょう。

差し押さえ期間・競売前におけるリースバックの利用

自宅を購入される方の多くは、購入の際に住宅を担保とした住宅ローンを組んでいることが一般的であるかと思います。しかしながら、このローンの返済が滞ってしまった場合には、抵当権者によってご自宅が差し押さえられ、住宅ローンの未払い分の補填を目的として競売に掛けられることとなります。

結論からいいますと、”競売に掛けられる前であればリースバックを利用して、住宅を売却することは可能”となっています。リースバックを利用することで売却資金が手に入るため、この資金をローンの返済分として充てることができます。また同時に、競売に掛けられた場合には本当の意味で手放さなければなりませんが、リースバックであればこれまでと同様にご自宅で生活し続けることができます。

早急な資金の用意のためのリースバック

まとまった資金を用意しなければいけないケースは多岐に亘り、上記の競売を回避するため、というのもその1つだといえます。しかしながら、これだけでなく、リースバック利用者を企業や事業者と考えた場合には、新規事業を実現するために資金を用意する必要が出てくることがあるかと思います。

また、企業・事業者の場合には事業の特性上、一時的な費用が発生し、これらの費用分を補填する必要もあるかと思います。メリットにて取り上げたように、リースバックでは現金化までの手続きが迅速であるため、早急に資金を用意しなければいけない場面でも十分に活用することができます。

収支状況やリスク整理のためのリースバック

不動産を所有している場合には、災害保険料をはじめとした各種の保険料、要所要所での家屋修繕費などが費用として発生します。リースバックを利用して賃貸物件として利用すれば、不動産に関して発生する費用が家賃の1本にまとめられるようになるため、収支整理を考えている方にもおすすめであるといえます。

また、収支状況の整理だけでなく、リスク管理の点からもおすすめです。賃貸物件として利用している期間において、不動産が災害などによって損壊した場合であっても、その修繕義務等は所有者に帰属します。これらのリスクを回避できるのも大きな魅力であるといえます。

リースバックの際のトラブル相談

リースバックを利用している方の中から出てくる相談事(トラブル相談)には以下のものが挙げられます。

  • 「家主が変わるようで契約内容が変更されそうなのですが、どうすればいいでしょうか?」
  • 「賃貸借契約が期間満了に近づいてきており、改めて更新をしたいと考えているものの、家主から更新できない旨を伝えられました。」

こちらの項目では、相談内容はもちろん、どのようにすればトラブルを回避できるのかも併せて確認していきましょう。トラブルの多くが最終的には、物件からの退去要請という事態に陥ることもあるため、それぞれを注意深く確認していきましょう。

家主の変更による賃貸借契約内容の変更

賃貸借契約の内容が、当初契約を結んだ際とは変わったものとなったことでトラブルへと発展することがあります。契約内容の変更で借主に大きく影響するものとしては、家賃の値上げが挙げられます。契約当初に支払い続けられると想定した額が値上がりしてしまっては誰にとっても負担の大きいものとなります。

このような事態を回避するためには、賃貸借契約を締結する際の契約書面に”リースバック(賃貸借)利用期間中における第三者への物件売却を禁ずる旨”や”リースバック利用期間の満了まで家賃の値上げを禁ずる旨”などを記載しておくことが最も有効な方法であるといえます。

契約書面の内容を見る際には、ご自身にとって不利な状況を招く恐れのある規定がないかを注意深く確認するようにしましょう。

賃貸借契約の期間満了と更新の実現性

賃貸借契約には普通賃貸借契約と定期賃貸借契約という2種の契約手法があります。定期賃貸借契約は、予め賃貸借契約の利用期間を定めておき(その多くが2年~3年などで設定されます)、期間満了後には貸主は契約の更新を行わなくてもよいものとなっています(※)。

また、普通賃貸借契約の場合にも更新の上限が定められることがあり、長く生活し続ける予定が崩れるということもあります。

賃貸借契約がどちらの方法を採用しているのか、契約更新がどのように定められているのかを契約の締結時に十分確認するようにしましょう。

※普通賃貸借契約も契約の更新を断ることができますが、貸主に更新拒絶のための相当の理由が必要とされています。

まとめ

リースバックを活用したいと考えていらっしゃる方も、実際に利用なさっている方も非常に多いかと思いますが、それに合わせて、さまざまな相談事が寄せられるようにもなってきました。

本記事にて頻繁に上げられる相談事を紹介しましたが、より細かな点に関して知ろうと思うと、リースバックそのものを理解する必要性も出てくるかと思います。

また、トラブルに対する相談事ではトラブルが発生してから対処することは法律上、借主が不利に働くことも多く、契約を締結するタイミングでの適切な行動が結果としてトラブル回避となるため、リースバック利用者にはトラブルを未然に防ぐための努力が必要になるといえます。

家まもり隊ではリースバックを中心とした数多くの記事を揃えていますので、お時間の許す際にはぜひ他の記事もご覧になって頂ければと思います。

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